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YAIBA(ヤイバ)連載中 第05話
1 :マロン名無しさん :2007/08/29(水) 21:09:24 ID:Hd3yRcwY
週刊少年サンデー 昭和63年39号より 「YAIBA」という漫画が連載された。
この漫画について語ろうじゃないか。
この漫画は作者が覇王ペンを使用することによって、2日に1話ずつの速度で連載されるようだ。
なお、時々ペンがただの竹刀に戻ったりして、変な時期に合併号になる事もあるが気にしないでくれ。
このスレの詳しい事は連載中スレの楽屋裏にて。ちなみに今日は1993年(平成5年)29号の発売日だ。

【過去スレ】
YAIBA(ヤイバ)連載中 第04話 (前スレ)
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1177158245/l50
YAIBA(ヤイバ)連載中 第03話
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1169035361/l50
YAIBA(ヤイバ)連載中 第02話
http://comic7.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1157355567/l50
YAIBA(ヤイバ)連載中 第01話
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1143900044/l50

【関連スレ】
連載中スレの楽屋裏 第24幕
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1185162487/l50

2 :週刊少年サンデー 1993年 29号 :2007/08/29(水) 21:11:45 ID:???
第236話 平和の訪れ の巻 1/5

刃の覇王剣がついにオロチの角を断った。
オロチの体からは悪しき力が抜け、元の海へと落下していく。
かぐやは魔物の体があるべき姿に―― 愛する地球の大地に
戻りゆくのを確認し、オロチを止めていた力を解いた。

「フフフ… 最後にきさまと勝負したかったが……
 ざ… 残念じゃ…」

力尽きたかぐやはオロチの体内で意識を失ってしまう。
それに気付いた刃は、剣を振るい魔物の中へと突入した。
倒れているかぐやを抱き上げ急いで脱出する。

「おい、かぐや!! しっかりしろ!!! 死ぬんじゃね――!!」

刃が必死に呼びかけても反応は返らない。
かぐやが目覚めないということは、さやかも――。

「目を開けろ――!!!」

3 :週刊少年サンデー 1993年 29号 :2007/08/29(水) 21:13:31 ID:???
第236話 平和の訪れ の巻 2/5

角を切られた鬼丸は、その身を激しい炎に焼かれ悶え苦しんでいた。
ヤマタノオロチの体は激しい水しぶきと共に海へ落下する。
魔物の体は次第に溶け去り、下から元の日本の姿が現れた。
飲み込まれていた人々は、その間の記憶こそないものの元気なようだ。
北海道の封印の地では、小次郎・十兵衛・カゲトラも意識を取り戻していた。

やがて夜が明ける。刃とかぐやは山の岩壁の上に倒れていた。
さやかの体の中から、不意に白いエネルギー体が抜け出す。
それは女性の体つきをした月星人の姿に見えた。
彼女は無言のまま刃たちを見下ろしていたが、
庄之介に乗ったムサシが崖の方へ近付いてくると、
ムサシの横を通り過ぎ、そのままどこかへと飛び去ってしまった。

ちょうどそのとき、刃とさやかが目を覚ます。
自分の中にまだかぐやがいると思い込んでいるさやかに、
ムサシは先程見た、かぐやと思しきエネルギー体のことを教えた。
刃らに手を出さなかったところを見ると、
相当弱っているのだろうとムサシは推測する。
鬼丸を斬り、オロチを倒し、かぐやも去った。つまり――。

「終わったんじゃよ… 長い長い戦いがのう…」

4 :週刊少年サンデー 1993年 29号 :2007/08/29(水) 21:15:11 ID:???
第236話 平和の訪れ の巻 3/5

ムサシの言葉を聞いて、刃とさやかは歓声を上げる。
だがそのとき、突如現れた鬼丸が刃の襟首をつかんだではないか。

(お、鬼丸!?) (生きておったのか!?)

愕然とする刃に鬼丸は言った。

「きさまの仕業だな… 
 オレをこんな見知らぬ所に運んで、こんなカッコさせやがって…」

彼は刃の胸ぐらをつかみ、怒りの声を上げる。

「許さんぞ鉄 刃!!! 明日の放課後、学校の道場で勝負だ!!」

ぽかんとする刃らをよそに、鬼丸は―― 鬼丸猛は魔王の鎧を脱ぎ捨てた。
ツノを切られたことにより、彼に取り憑いていた魔が抜けたのだ。
鬼であったときの記憶は残っていないらしい。
今後はもう悪事をはたらいたりすることもないだろう。

これでやっと平和が来る。そう口にした刃に、
まだやるべきことが残っているとスサノオが呼びかけた。
覇王剣を地面に突き立て、ヤマタノオロチが
二度と復活できないように封印せよというのだ。
―― ただしその代償として、刃は覇王剣を永遠に失うことになる。

5 :週刊少年サンデー 1993年 29号 :2007/08/29(水) 21:16:29 ID:???
第236話 平和の訪れ の巻 4/5

スサノオは聞いた。

―― どうだ… それでもできるか?

刃は剣を見つめ寸刻ためらったあと、それを地面に突き刺した。
地響きと光を発しながら、覇王剣は大地の中へ沈んでいく。

(じゃあな…… 覇王剣…
 あばよ… オレといっしょに戦ってきた、相棒よ…)

一方、空を飛び去ったかぐやは、海上に残された月の母船へと戻ってきた。
分離と叫ぶと、彼女と合体していた月星人たちがすべて元の姿に戻る。
さっそく刃にとどめを刺しに行くのだろうと
ゲッコーが気炎を吐くが、女帝はただ月への帰還を告げた。
かぐやが真の姿を使えば地球を手に入れることも簡単なはず、
これではオロチを止めた意味がないと言いつのるゲッコーに、かぐやは言う。
オロチの心臓を止め、この地球を守ることが出来たのは、
さやかが自分の中でずっと叫び続けていたからだと。

『しっかりしなさい、かぐや! それでも、月の女王なの!』

あんな娘のいる地球人とは、もう戦う気がしないとかぐやは笑った。

6 :週刊少年サンデー 1993年 29号 :2007/08/29(水) 21:19:25 ID:???
第236話 平和の訪れ の巻 5/5

「それにわらわは、あの醜い巨大な姿は… 好かん!!」

そう言うと彼女は、元のバニーガール装束に姿を変えた。
配下のウサギたちが歓声を上げる。

「やはり姫は、その姿の方がお似合いのようで…」

そう言ったツキカゲと視線を交わし、かぐやは船内の総員に出航を命じた。
宇宙空間から青い惑星を見ながら彼女は思う。
人間たちよ、その美しい星をせいぜい汚してむしばむが良い―― と。

(わらわは変えるぞ!! 月を… 我が母星を変えてみせる…
 きさまらがうらやむような緑の星にな…)

覇王剣は消え、オロチは永久に封じ込められた。
これで何もかも終わってしまったとムサシは寂しげにつぶやく。
だが刃はこんなところで止まる気はない。やりたい事はまだまだあるのだ。
刃は庄之介の背に跳び乗り、まずは北海道の小次郎たちを迎えに行くことにした。
だがそのとき―― 上空に飛んだ刃はとんでもない事実に気付いてしまう。

(まさかオロチが落ちたときに… でも… そんなバカな…)

刃は見た。海原に浮かぶ島国の姿を。

「日本が逆さまだ――!!!」

……なんと日本列島は南北がひっくり返ってしまっていた。

「当分、みんなには内緒だな…」 「クピ…」

7 :マロン名無しさん :2007/08/29(水) 21:37:08 ID:???
いい最終回だった…
刃とさやかの落ちた場所って冒険の始まりになった天狗岳だよな。
なんかすごく長い道のりを経て原点となった場所で終わりを迎えるってのが
すげえツボに来た。

8 :マロン名無しさん :2007/08/29(水) 21:43:21 ID:???
うん、いい最終回だった

> ……なんと日本列島は南北がひっくり返ってしまっていた。
>
> 「当分、みんなには内緒だな…」 「クピ…」

こんなオチで終わるのもヤイバらしくていい

9 :マロン名無しさん :2007/08/29(水) 21:56:12 ID:???
ありがとう、刃! ありがとう、青山!!

10 :マロン名無しさん :2007/08/29(水) 22:04:37 ID:???
>「許さんぞ鉄 刃!!! 明日の放課後、学校の道場で勝負だ!!」

この台詞にはやられたわw
鬼丸が鬼になった時は「ちょw 世界観変わりすぎww」と思ったけど
最後の最後で作者に逆手に取られたなぁ

11 :マロン名無しさん :2007/08/29(水) 22:20:05 ID:???
忘れかけてたけど覇王剣=風雷剣=雷神剣だったなそういえば。
本当にずっと戦ってきた相棒だったんだよなあ。

12 :マロン名無しさん :2007/08/29(水) 22:30:23 ID:???
タケちゃんかわいいよかわいいよタケちゃん

13 :マロン名無しさん :2007/08/29(水) 22:53:25 ID:???
タケちゃん記憶ないのかよwww

14 :マロン名無しさん :2007/08/29(水) 23:04:25 ID:???
タケちゃん「なんだこのふざけた饅頭は・・・・え?俺がつくらせた?」

15 :マロン名無しさん :2007/08/30(木) 05:41:27 ID:???
鬼時代の映像が残ってたらタケちゃん自殺モノだなw

16 :マロン名無しさん :2007/08/30(木) 09:52:16 ID:???
テレビ局作ったりしてたし普通に残ってるだろw
絶対オサレなプロモなんかも作ってそうだwwww
なんという羞恥プレイ…間違いなくタケちゃん死にたくなるな

17 :マロン名無しさん :2007/08/30(木) 15:22:06 ID:???
基本的に高給取りは鬼丸一派にいないし豪遊やパーティもないし
案外国民の負担は少なかったかもしれんな・・・・・
税率3パーセントで年金制度もしっかり守る鬼丸政治

18 :マロン名無しさん :2007/08/30(木) 20:16:46 ID:???
なんかさりげなくおいしい場面を持っていってるツキカゲよ
あんたカグヤ様の何なのさ

19 :マロン名無しさん :2007/08/30(木) 22:37:39 ID:???
さらば、覇王剣。龍神剣。そして雷神剣。ついでに風神剣。
まだ本編は続くようだが、オモチャ箱をひっくり返したような
多彩な能力・剣技を魅せ、鬼丸との激闘を刃と共に最後まで戦いぬいて
数々の名場面を築いてくれたキミ達はこの漫画のもう一人の主人公だったよ。
俺もうおお欲しいーとか思ったもんだw
アニメスポンサーさんは超カッコイイ実物大商品を発売するようにw

月の一味もお疲れ様。女王が脇役に徹してくれたおかげで
刃VS鬼丸のラストバトルを堪能できたよ。魔王剣とも永久におさらば。

地の民と龍神も乙。でもって鬼丸オチ要員かよ!wYAIBAはやはりYAIBAかw
>>18
情(ryに決まっとろうがぁーーっ!!(*´Д`)


20 :マロン名無しさん :2007/08/30(木) 22:49:30 ID:???
「きさまの仕業だな… 
 オレをこんな見知らぬ所に運んで、こんなカッコさせやがって…」
ナニされると思ったんだか…

21 :マロン名無しさん :2007/08/30(木) 23:33:33 ID:???
ウサギ人間もバニーが好きなんだったらきっと人類と分かり合えるよ

22 :マロン名無しさん :2007/08/31(金) 00:48:38 ID:???
苦労症の兄ちゃんでかぐや様ラブとスレ住人に妙に愛されいじられたツキカゲともこれでお別れか…

23 :マロン名無しさん :2007/08/31(金) 07:31:02 ID:???
そういやクモ男はどこ行った?

24 :マロン名無しさん :2007/08/31(金) 08:46:21 ID:???
ゲロ左右衛門もどこだ?
ナマコ男は?


おーい 三人ともどうしたんだ

25 :マロン名無しさん :2007/08/31(金) 17:48:11 ID:???
>>24
オロチに飲み込まれたついでに冬眠してんじゃね?

26 :マロン名無しさん :2007/08/31(金) 20:10:19 ID:???
次週からはヤイバと鬼丸の放課後の決闘編だな。

27 :マロン名無しさん :2007/08/31(金) 21:23:40 ID:???
てっきり最終回かと思ったらまだ続くのか
剣なくしちゃってどうする気だろう

28 :週刊少年サンデー 1993年 30号 :2007/08/31(金) 22:37:09 ID:???
第237話 真のサムライ の巻 1/3

すっかり平和を取り戻した日本――。
東京の武道館では、第40回・日本剣道選手権大会が行われていた。
平たく言えば剣道日本一を決める大会である。

「白、警視庁、鳥兜 権三(とりかぶと・ごんぞう) 七段!!」

決勝まで勝ち進んできた一人は前年度の覇者、
昨年さやかの父をコテンパンにやっつけた、巨漢・鳥兜だ。
それに対するは、弱冠14歳ながらも、
異例の強さにより出場を認められた少年。その名はもちろん――。

「赤、峰道場、鉄 刃(くろがね・やいば)くん!!!」

観客席では さやか、ムサシ、それにさやかの父・雷蔵が
決勝が始まるのを待ちかねていた。
小次郎と十兵衛の姿はそこにない。
彼らは武者修行のためと勝手に家を出て行ってしまった。
さやかが試合場に声援を送ると、刃は手を上げて応えた。

「おう! 愛してるぜ、さやかー!」

一気に会場の注目を浴びてしまい、真っ赤になるさやかであった。
鳥兜と向かい合いながら刃は考える。
出来ることならこの決勝、鬼丸を相手に戦いたかったと。
その鬼丸は交換留学でイギリスに行ってしまった。
彼は旅立つ前に言い残した。三年たったら戻ってきて刃との決着をつけると。

29 :週刊少年サンデー 1993年 30号 :2007/08/31(金) 22:38:42 ID:???
第237話 真のサムライ の巻 2/3

いよいよ鳥兜と刃の試合が始まる。
まるで弁慶と牛若丸、否、それ以上の身長差だ。
だが一本目は、速攻の面(メン)により刃があっけなく先取。
続く一戦も、瞬時にして胸元に飛び込んだ刃が、
竹刀を強烈に打ち込み、胴あり一本を取った。

「合わせて二本… 勝負あり!!」

この瞬間、刃の選手権優勝、剣道日本一が決まった。
高々と胴上げされながら刃は喜ぶ。

(見たか、オヤジ!! オレはついに日本一のサムライになったぞー!!)

表彰式を終えた刃は、さやかとムサシと共に会場の廊下を歩いていた。
今夜は祝勝会として、さやかの母がごちそうをたっぷり作ってくれることだろう。
自分は日本一のサムライだと浮かれている刃に、ふと一人の少女が声をかけた。

「フフフ… とんだお侍さんね…」

それは竹刀を手にした、黒いスカート姿の少女だった。
彼女は自分と勝負をしてみないかと刃を誘う。
さては自分のファンかと思い竹刀を抜く刃に、少女はさっそく攻撃を仕掛けた。
その動きを見た瞬間、刃の顔に驚きが走る。
なんと少女は刃の小手を打ち、彼の竹刀を叩き落としてしまった。
刃は動揺したまま反撃に出るが、少女はそれをまったくよけようとしない。
思わず攻撃を止めた刃を、少女は容赦なく突き返した。

30 :週刊少年サンデー 1993年 30号 :2007/08/31(金) 22:39:53 ID:???
第237話 真のサムライ の巻 3/3

廊下に倒れた刃に少女は言う。
剣の腕ではあなたの足もとにも及ばないが、二本取ったのは自分の方だと。

「一本目は、私が女だから油断した…
 二本目は、私を傷つけまいと剣を止めた…
 そう… さっきの決勝戦も同じだわ…」

決勝での二本目、刃は相手のノドに突きを向けたにもかかわらず、
大ケガをさせることを恐れて、防御力の高い胴への攻撃に切り替えた。
確かにそれでも勝ちは勝ちである。
今まで数多くの魔物や強敵と戦ってきた刃にすれば、
剣道七段など、十分の一の力を出さずとも勝てる相手だろう。
しかし 『侍』とはひとたび剣を握れば常に全力で戦うものではないのか。
ここが戦国時代の戦場だったら? この竹刀が真剣だったら?
刃は少女の一本目で手首を切られ、二本目でとどめを刺されている。

「甘いわね…
 今のあなたは、ただのチャンバラのうまい少年に過ぎないわ!!

 あなたは本当の侍じゃない!!」

少女の言葉に刃は激しいショックを受ける。
おもむろに歩き出した少女は、笑みを浮かべて刃を振り返った。

「あなたに見せたい物があるの………
 私についてこない? ねえ、鉄 刃くん…?」

31 :マロン名無しさん :2007/08/31(金) 22:42:39 ID:???
YAIBA '93 キャラクター人気投票 結果発表
総投票数 7924通(一人3票)!!

第1位 鉄 刃 4893票 「やったぜ!!!」
第2位 峰さやか 2788票 「よかったね、ナマコ男!!」
 第8位 ナマコ男 766票 「ズラ!」
第3位 エメラルド 2127票 「……… ありがとう…」
第4位 柳生十兵衛 1211票 「それがしごときが、光栄でござる……」
第5位 鬼丸猛 1080票 「おのれ刃め…」
 第6位 佐々木小次郎 1023票 「なぜ拙者が十兵衛より下に…」
 第7位 宮本武蔵 843票 「年には勝てん…」
 第9位 龍神 605票 「これも定めか…」
 第10位 大和撫子 564票 「刃様…」

 第11位 かぐや 502票
 第12位 カゲトラ 465票
 第13位 ヤマタノオロチ 346票
 第14位 ジュエル 333票
 第15位 青山剛昌 314票
 第16位 庄之介 259票
 第17位 ゲッコー 252票
 第18位 クモ男 241票
 第19位 鉄 剣十郎 236票
 第20位 サファイヤ 190票
   次点 ルビー 184票

32 :マロン名無しさん :2007/08/31(金) 22:50:01 ID:???
>第15位 青山剛昌 314票

サファイア、ルビーを凌ぐ人気にワロすww

33 :マロン名無しさん :2007/08/31(金) 23:58:43 ID:???
十兵衛の人気に驚いた。
まあ俺も1票投じたけどさ。

34 :マロン名無しさん :2007/09/01(土) 00:05:23 ID:???
俺はエメラルド、刃、十兵衛に入れた。

35 :マロン名無しさん :2007/09/01(土) 01:40:07 ID:???
俺はエメラルド、かぐや様、撫子に…
なんだよ、そんな目で見るなよう…

36 :マロン名無しさん :2007/09/01(土) 06:04:16 ID:???
龍神もかぐやもゲッコーもナマコに負けた

37 :マロン名無しさん :2007/09/01(土) 07:37:25 ID:???
>>35
ちょっと〜俺の投票パクんないでくれるー?

38 :マロン名無しさん :2007/09/01(土) 10:34:58 ID:???
お前らwwwww内容にも触れろよwwwwwww
とりあえず、あの女の子は誰なんだろう
新たな敵か?

39 :マロン名無しさん :2007/09/01(土) 12:20:11 ID:???
どうせ刃に惚れたそば屋だろ

40 :マロン名無しさん :2007/09/01(土) 15:07:16 ID:???
さすがにそれはないだろ。
多分さやかに惚れたレズっ子だ。

41 :マロン名無しさん :2007/09/01(土) 15:42:24 ID:???
まさかの武蔵ファンと俺は見たね

42 :マロン名無しさん :2007/09/01(土) 16:25:54 ID:???
そうか鬼丸との戦いが終わって大団円以外になにが残ってるのかと思ったら
師弟対決か!
武蔵にげてー

43 :マロン名無しさん :2007/09/01(土) 18:52:05 ID:???
新キャラ、普通の中高生とも思えないが、一応人間なのかな
エメラルドの例もあるからな…

そういやエメラルドの三位にはちょっとびっくりした
つか全体的に女性キャラ強ぇw

44 :マロン名無しさん :2007/09/01(土) 20:22:35 ID:???
十兵衛4位か。影薄いとか言われてたけどしっかり人気あるじゃないか。
主人公の宿敵のくせに余裕で引き離されてる鬼丸アワレスww
そしてエメラルド、君は幸せ者だよ…
>>39
そんなダメな都会かぶれは嫌だw
しかし新章突入する度におにゃのこで釣るやり方が
すっかり定着したな。俺的には新キャラよりもその場のノリで
さやかたんに問題発言する刃にド肝抜かれたがw

45 :マロン名無しさん :2007/09/02(日) 18:53:21 ID:???
>>44
>問題発言
読者が知らない間に二人の関係も進んだのか…と思ってた

46 :マロン名無しさん :2007/09/02(日) 19:17:27 ID:???
ここが戦国時代だったら・・・って
戦国時代じゃないのにそんなこと言われてもなぁと釈然としない
こいつが真剣持って襲ってきたら刃も油断はしないだろ
まぁ確かに剣道大会で優勝=日本一の侍は浮かれすぎだと思うが

47 :マロン名無しさん :2007/09/02(日) 19:23:05 ID:???
戦国時代なら、よっぽどのことが無い限りエモノは槍か銃だ……というツッコミは無体か

48 :マロン名無しさん :2007/09/02(日) 19:33:57 ID:???
銃や槍なんてなまっちょろいもの使わずに
妖刀や魔剣で斬りあったに決まってるじゃないか。

49 :マロン名無しさん :2007/09/02(日) 19:52:07 ID:???
>>45
思った思ったw

50 :マロン名無しさん :2007/09/02(日) 20:22:15 ID:???
>>48
槍や銃なんかなくても「伸びろ物干竿!」で一発だからな

51 :マロン名無しさん :2007/09/02(日) 20:37:08 ID:???
剣道の試合を殺す気死ぬ気でやるアフォがいるかよ、と
思わずムカついてしまったよ大人げない
今回の話は刃の戦いに対しての心構えを問う話なのかも知れんが
剣の腕もそこそこ程度の女子にいきなり理に合わん説教されてもな

52 :週刊少年サンデー 1993年 31号 :2007/09/02(日) 20:55:03 ID:???
第238話 少女の正体 の巻 1/3

刃は謎の少女について武道館を出た。
さやかとムサシもそれを追いかける。
ムサシは、刃が少女にひかれていると指摘した。

「ひ、ひかれてるって どーいうことよ――!!」

凄い形相で詰め寄るさやかにムサシは説明する。
いくら油断していても、普通の少女に負かされるような刃ではない。
思わぬ不覚を取ったのは、少女の動きを見て戸惑いを覚えたからだ。
剣士は皆、出足の方向や剣の角度など、隠しきれない癖を持っている。
百人いれば百通りの癖があるが、少女のそれは刃とまったく同じだったのだ。

一行は少女に誘われるままタクシーへと乗り込んだ。
刃と同じ癖を持つ少女―― 彼女はいったい何者なのか、
そして刃とはどんな関係があるのか。さやかは悶々と考え始める。

(ま、まさか許嫁!? 小さい頃 約束しちゃったとか…)
(あ、ありうる… 前にもそんな話あったし… きっとそうよ!!)

しかし頭を抱えるさやかをよそに刃はのんきな顔だ。
さやかが怒りを爆発させたところで、ちょうどタクシーが止まった。

53 :週刊少年サンデー 1993年 31号 :2007/09/02(日) 20:58:19 ID:???
第238話 少女の正体 の巻 2/3

そこは、まるでヨーロッパの宮殿のような豪邸の前であった。
少女は身軽に門を乗り越え、豪邸の庭へと入っていってしまう。
一行が戸惑いながらも後を追い、少女と共に歩いていくと、
広大な庭の一角から黒ずくめの男たちが飛び出した。
木刀や警棒を手に襲いかかる一団を、少女は竹刀一本で打ち倒す。
尻もちをついた年輩の男が、サングラスを外しながら苦笑いを浮かべた。

「いやー、また腕を上げられましたな… お嬢様…」

田中という名のその男は、少女のことを「お嬢様」と呼んだ。
実はこの豪邸は少女自身の家だったのだ。
ならば刃らを連れて入るのに、人目をはばかったのはどうしてか。
その理由は少女の母親にあった。
彼女の母親は 『侍』のことを憎んでいるのだという。

豪華な家の中に刃たちを招き入れながら少女は説明した。
自分の父はあらゆる大会を総ナメにした達人であり、
母とも剣道を通じて知り合った。母もかつては剣道を愛していた。
しかし父は、生死をかけた侍同士の戦いで命を落としてしまう。
母はつらい思い出を忘れようとしているが、自分は違う。
父のかたきを討つまでは絶対に忘れないと――。

54 :週刊少年サンデー 1993年 31号 :2007/09/02(日) 21:01:17 ID:???
第238話 少女の正体 の巻 3/3

あだ討ちの誓いのもとに彼女は剣の腕を磨いた。
しかし女の力では限界がある。
そこで彼女は、父のかたきを刃に討ってもらいたいと考えたのだ。
少女は自分の部屋に入ると、ロココ調の引き出しから一枚の写真を取り出し、
それが父のかたきだと言って刃に渡した。
なんとそこに写っているのは刃の父・剣十郎、その若き日の姿ではないか。

少女は更に衝撃的な話を語った。
写真のその男は刃の本当の父親ではない。
刃は物心つく前にさらわれ、彼の子供として育てられたのだと。
当然ながら刃はそのすべてを否定した。オヤジが人殺しなどするわけがない。
そもそも他人のかたきをなぜ自分が討たねばならないのか。
すると少女は静かに告げた。自分のかたきは刃のかたきでもあると。
写真の男が名乗っている 『鉄 剣十郎』とは、少女の亡き父親の名――。

「私の名前は、鉄 諸羽(くろがね・もろは)…」

息を飲む刃に少女は言った。

「わたしはあなたの…  妹よ…」

「い、妹ぉ!!?」

驚愕している刃に向かい、諸羽は可愛らしく笑ってみせる。

「そうよ… お兄ちゃん………」

55 :マロン名無しさん :2007/09/02(日) 21:52:58 ID:???
ええええぇぇえぇぇえぇええーーーーーーーっっっっっ!!??

56 :マロン名無しさん :2007/09/02(日) 22:19:04 ID:???
諸刃って……



刃より年下だったのか、驚いたな

57 :マロン名無しさん :2007/09/02(日) 22:20:45 ID:???
じゃあ12歳くらいなんだろうか。
小学生ですかー!

58 :マロン名無しさん :2007/09/02(日) 22:21:06 ID:???
「お兄ちゃん」てお前…

萌えたじゃねぇか…


59 :マロン名無しさん :2007/09/02(日) 22:39:00 ID:???
仇うんぬんは回想シーンも入らないし当事者の母親からじゃなく伝聞ってのが怪しいな。
きっと刃とは異父兄弟とか決闘も色恋うんぬんという落ちだろ。



60 :マロン名無しさん :2007/09/02(日) 22:52:39 ID:???
どうみても年下に見えねーぞ!
刃が童顔なのか諸刃が無駄に貫禄ありすぎるのか…

61 :マロン名無しさん :2007/09/03(月) 16:17:06 ID:???
鬼丸戦が終わったら最終回かと思ったけどまだ続くんだな
ていうか衝撃の展開だ

62 :マロン名無しさん :2007/09/03(月) 16:40:45 ID:???
そういや刃達って高校生じゃなくて中学生だっけ。
鬼丸見てるとまったくそう思えんかったが。

63 :マロン名無しさん :2007/09/05(水) 02:03:48 ID:???
あー、なんか忘れてると思ったら、そうだ親父が残ってたな。

64 :マロン名無しさん :2007/09/05(水) 02:10:57 ID:???
親父生きてたんだな

65 :マロン名無しさん :2007/09/05(水) 15:53:16 ID:???
いつ消えたか覚えてない

66 :週刊少年サンデー 1993年 32号 :2007/09/05(水) 23:23:07 ID:???
第239話 にっくき侍(サムライ) の巻 1/3

刃の妹と名乗った少女 ・ 鉄 諸羽(くろがね・もろは)。
刃たちが思わぬ衝撃を受けていると、不意にノックの音が聞こえた。
諸羽はお母様が来たと言い、ひとまず刃たちをベッドの下へ隠した。
諸羽の話が本当なら、彼女の母親は刃の母でもある。
刃らは天蓋付きのベッドの下でかたずを飲んで見守った。
果たしてドアを開けて部屋に入ってきたのは――
フリフリのエプロンドレスを着た、ガタイのいいおばちゃんだ!!

(あ、あれがオレの… 母ちゃん!?)

思わず目を見開く刃だが、おばちゃんはこの家のメイドさんであった。
おばちゃんにつんけんと応対する諸羽を、ふと優しげな声がたしなめる。
声の主は穏やかな笑みを浮かべた抜群の美女―― 諸羽の母親だった。

「お母さん、仕事で2、3日家を空けるから、お留守番お願いね…」
「わかってるわよ… ガキじゃあるまいし…」

諸羽の母は、娘のきつい物言いにも少しも動じない。
ただ軽く苦笑しただけで、彼女は部屋を出て行こうとした。
しかし床に転がっていた竹刀袋を目にした瞬間、その表情が変わる。
彼女は娘の頬を激しく平手で打った。

「あんたって子は、何度言ったらわかるの!?
 あれほど剣道なんかに首を突っ込んじゃいけないって言ったでしょ!?」

67 :週刊少年サンデー 1993年 32号 :2007/09/05(水) 23:26:28 ID:???
第239話 にっくき侍(サムライ) の巻 2/3

諸羽の母は一転した口振りで、剣と 『侍』に対する憎しみの言葉を叫ぶ。
あの人がいなくなり、一人残された身で諸羽を育てた。
この家を、この鉄(アイアン)グループをも盛り立ててきた。
そんな苦しい思いを語る彼女に、諸羽は言い返す。
自分なら父と兄とを奪った男を決して許しはしないと。
娘のその言葉に母は自嘲するような笑みを浮かべた。
あの人のことも、刃(あのこ)のことも、もうあきらめたと。

「あなたも早く忘れることね…
 侍という時代錯誤の夢にとりつかれた人達のことなんて…」

執事の田中に竹刀を燃やすように命じ、諸羽の母は出かけていった。
ベッドの下から抜け出た刃は、改めて諸羽の説明は嘘っぱちだと叫び、
真相を確かめるべく剣十郎に会うと言い出した。
しかし、あの風来坊を見つけるアテなどあるはずもない。
すると諸羽が言った。もうすぐ 『織田信長 御前試合』で剣十郎に会えると。
彼女の口から出た試合の名に、ムサシが驚いた顔を見せる。

「ま、まさか今でも続いていたとは…」「知ってるのかムサシ…?」

織田信長御前試合とは、戦国の闘将・信長をたたえて350年前に始まった大会だ。
12年に一度、天下一の侍を目指して日本中の剣豪が集まった。
しかし侍が腕を競う戦いとは名ばかりで
実体は各地の大名たちが大金を賭け合う賭博試合に過ぎなかった。
そう詳しく語る宮本武蔵こそが、実は第一回大会の優勝者。
御前試合はその後、徳川幕府の崩壊と共に廃止されたのだった。
しかし金を賭ける大名が各地の富豪となって姿を変え、
36年前に復活したのだと諸羽が説明を引き継ぐ。

68 :週刊少年サンデー 1993年 32号 :2007/09/05(水) 23:27:58 ID:???
第239話 にっくき侍(サムライ) の巻 3/3

試合の日時や場所、出場者の噂は、諸羽の鉄家にも伝わってきている。
その中には剣十郎の名前もあった。
諸羽はすでに刃の参加登録を済ませてしまっていた。
あなたにあの男が倒せるかと彼女は問う。

「どーなの… お兄ちゃん?」

そのとき突然、窓の外にヘリコプターが現れた。
ヘリにはなんと重機関銃が積み込まれており、至近距離から銃撃を開始する。

―― ドバババ! ダダダダダ! キュンキュンキュン!

窓と窓枠とを粉微塵に破壊し、ヘリはあっという間に飛び去っていった。
部屋のがれきの中にひとひらの手紙が舞い落ちる。
それは刃に出場辞退を迫る、何者からかの脅迫状であった。

69 :マロン名無しさん :2007/09/06(木) 00:25:24 ID:???
刃に母ちゃんいたのか
俺はジャングルで拾われた子供なのかと思ってたよ

70 :マロン名無しさん :2007/09/06(木) 01:54:07 ID:???
母親&妹さん 刃に全然似てNEEEEEEEEEEEEEEE!!!
諸羽はお母さん似ダネ…

御前試合とやらで剣十郎と勝負か
あの超インフレ魔王・鬼丸の後に登場とはおやじ、そんなに強いのか

71 :マロン名無しさん :2007/09/06(木) 07:44:31 ID:???
350年前の大会で優勝と言うことは
ムサシは当時50歳くらいか?
さすが元気いいな・・・

72 :マロン名無しさん :2007/09/06(木) 20:38:53 ID:???
刃はどう見ても剣十郎似だし、血縁がないとは考えられんよなぁ
諸羽と異父兄弟とかだったらドロドロ展開じゃねーか

73 :マロン名無しさん :2007/09/06(木) 21:02:33 ID:???
>>72
待て待て、その考えは危険だ。
この世界では金玉やプラズマの変装のように本物としか思えない変身方法があるんだから。

74 :マロン名無しさん :2007/09/06(木) 22:30:56 ID:???
ヘリで銃撃とか豪快すぎるw

75 :マロン名無しさん :2007/09/07(金) 05:24:10 ID:???
魔法剣ばかりだった世界観から
普通の剣術漫画に変わるのか・・・?

76 :マロン名無しさん :2007/09/07(金) 19:24:49 ID:???
>>70
超インフレ剣がないのでどうなるか

77 :マロン名無しさん :2007/09/07(金) 20:30:01 ID:???
物干し竿最強の予感

78 :マロン名無しさん :2007/09/07(金) 20:58:06 ID:???
ここで忘れられていた水魔の太刀が活躍を……するわけないか

79 :第240話 刃を止めろ! の巻 1/3 :2007/09/07(金) 23:07:13 ID:???
諸羽によって織田信長御前試合に出場登録をされた刃は、
謎のヘリコプターからの銃撃を受けた。
実は彼の名が登録されたのは、期限ぎりぎりの三日前。
そのときにはすでに試合への賭けは締め切られていた。
そこで他の出場者に賭けている大金持ちが、
突然現れた優勝候補を排除しようとしているのだ。

織田信長御前試合は、ムサシが知る頃よりもはるかに大規模となっていた。
世界各国から腕利きの戦士が集まり、200兆もの金が動く。
利益に目のくらんだ富豪たちがどんな手を使ってもおかしくない。

諸羽は大会の開催は明日であると告げた。
刃が出場するものと決めてかかっている諸羽だが、
そんな危険な大会に出場させてなるかとさやかは反対する。
ムサシもあんな賭博試合に出る価値なしと同意見だ。
さやかは刃の手を引っ張って屋敷から出て行こうとした。
諸羽は刃の背に呼びかける。

「いいの? あの男も出るのよ…
 私達の父を殺し、その名を騙ってのうのうと生きている男…
 鉄剣十郎を名乗る、あの男も出るのよ!!」

刃は躊躇の表情を見せるが、さやかたちは諸羽を相手にしなかった。
剣十郎は少しHではあるが人殺しをするような人間ではない。
そう言って出て行くさやかたちを見て諸羽は笑った。
どうせここへ戻ってくることになると。

80 :週刊少年サンデー 1993年 33号 :2007/09/07(金) 23:09:20 ID:???
第240話 刃を止めろ! の巻 2/3

屋敷の外に出たさやかたちは、すぐにその言葉の意味を思い知らされた。
門の前にはギャングの車、路地の奥にはマシンガン、
電柱の上には特殊部隊が陣取り、ゴミバケツの中からはバズーカ砲が現れる。
もはや外では、世界中の人間が刃の命を狙っていた。
ひっきりなしの襲撃から必死に逃げ回った刃らは、
結局、諸羽の屋敷の前に帰ってきてしまった。
待ち構えていた諸羽が、改めて刃に出場を迫る。
さやかは先程と同じように断ろうとしたが、刃はそれを遮って言った。

「オレはでるぞ…」

ただしそれは父親と戦うためではない。
剣十郎に会って事の真相を確かめるためだ。
ともあれ、これによって刃の御前試合出場が決まった。
一行は身の安全のために諸羽の屋敷に泊まることとなった。

さやかは家に連絡を入れようと電話を借りに行き、
諸羽・刃・ムサシは屋敷の奥へと歩いていく。
すると突然、黒ずくめの男たちが刃めがけて襲いかかった。
この前と同じ使用人たちかと思いきや、どこか様子が違う。
刃はそれには気付かないまま、男たちをいともたやすくやっつけた。
彼はしとめそこねた一人を追って廊下を走っていく。

諸羽がやられた男のふところを調べてみると、
そこには白銀(プラチナ)グループのマークあった。
彼らは鉄(アイアン)グループに肩を並べる大企業の手の者。
鉄家のガードマンたちとすり替わって刃を亡き者にしようとしたのだ。
プラチナグループは数年前から超強化人間の研究を進めているらしい。
おそらくその殺人マシーンを大会に出して、大儲けする気なのだろう。

81 :週刊少年サンデー 1993年 33号 :2007/09/07(金) 23:10:57 ID:???
第240話 刃を止めろ! の巻 3/3

その頃、何も知らないさやかは家の母親へと電話をかけていた。
心配そうな母を必死になだめていたさやかだが、その声が不意に止まる。

「あら… 諸羽のお友達? 見なれない制服ね…」

静かに靴音を立てながらさやかの横を通り過ぎたのは、
なんと諸羽の母親だった。
出かけのいざこざにより大事な書類を忘れてた彼女は、
それを取りに家へと戻ってきていたのだ。
彼女は娘の部屋の銃撃のあとも、やられた刺客たちもすっかり見てしまった。
さらに、母親の存在に気付かぬまま諸羽が口走ってしまった、
『天下一の侍』との言葉を聞きつけ、彼女は娘を厳しく問い詰める。

そのとき、敵を見失った刃がぶつぶつとぼやきながら廊下を戻ってきた。
彼の声を聞いて、諸羽の母は弾かれたように振り返る。
二人は互いの姿を呆然と見つめ合った。

82 :マロン名無しさん :2007/09/08(土) 01:29:10 ID:???
今更だが
この漫画内における銃刀法違反者の数は異常

現代の日本が舞台とは思えん(´・ω・`)

83 :マロン名無しさん :2007/09/08(土) 01:56:00 ID:???
早い話、今シリーズのテーマは天下一武闘会なのか

84 :マロン名無しさん :2007/09/08(土) 18:09:40 ID:???
白銀にプラチナってルビはおかしいよな
それを言うなら白金じゃないのか

85 :マロン名無しさん :2007/09/08(土) 22:20:05 ID:???
ホワイトシルバーって感じ?

86 :マロン名無しさん :2007/09/08(土) 23:29:19 ID:???
今度の敵は強化人間か・・・
鬼はいなくなっても普通にバケモノばっか出てきそうだな

87 :マロン名無しさん :2007/09/09(日) 00:21:52 ID:???
>>84
「白銀グループなど所詮は私が操る末端組織にすぎない」とか言いながら白金グループ総帥のソルジャーが出てくる伏線

88 :マロン名無しさん :2007/09/09(日) 10:57:15 ID:???
今度は現代科学で作った剣がでてきたりして
・・・ス○ールセイントみたく

89 :マロン名無しさん :2007/09/09(日) 17:09:23 ID:???
白銀グループの科学力は世界一チィィィィィ!!!とかやんのかね

90 :週刊少年サンデー 1993年 34号 :2007/09/09(日) 21:59:20 ID:???
第241話 父の形見? の巻 1/3

「や、刃…  刃なのね…
 帰ってきてくれたのね、刃… 私のもとへ…」

諸羽の母は刃へと近付き、彼の顔に手を伸ばした。

「私よ… 私があなたの… 母さんよ…」

だが自分を抱きしめるその腕を、刃は怒って振りほどいた。
おやじを人殺しよばわりするような女が、
自分の母親でなどあるはずがない。
刃は彼女に織田信長御前試合への出場を告げ、
そこで剣十郎に会って諸羽たちのウソを証明すると叫んだ。
あんな野蛮な大会になど出るなと諸羽の母は止めるが、
熱くなっている刃には通じなかった。

「わ、私の言うことが聞けないの?」
「誰がてめーの言うことなんか聞くか、バーロォ!!」

彼女は刃の頬を平手で打った。
しかし刃もすぐさま相手の顔を叩き返す。

諸羽の母は、執事の田中に人を集めるように言い、
刃たちがこの屋敷を出て行けないよう、
大量のヘリとガードマンとで見張らせることにした。
憎まれ口を叩く刃に彼女は言った。

「ゆ… 許しませんよ、刃…
 もう、私の前からいなくなることは……
 絶対に許しませんからね!」

91 :週刊少年サンデー 1993年 34号 :2007/09/09(日) 22:01:05 ID:???
第241話 父の形見? の巻 2/3

こうして刃たちは諸羽の部屋に閉じ込められる形となった。
廊下にも家の前にも黒服の男たちがひしめき、
上空ではヘリが旋回して刃らを監視している。
大会の開始は明朝七時。今夜の内に出発せねば間に合わない。
刃は諸羽の母の去り際の姿を思い出していた。
涙を浮かべ、自分を引き止めようとする彼女の顔を。

とは言え刃も、出場をあきらめる気は毛頭なかった。
刃はこっそり呼び寄せた庄之介を、部屋のベッドに隠していたのだ。
刃・さやか・ムサシ・諸羽の四人は、
庄之介の背に乗って屋敷の庭へと抜け出した。

諸羽の母は自室へと帰り、刃の仕打ちを思い返していた。
その部屋の窓から不意に風が吹き込む。
窓辺に立っていたのは刃だった。
黙って出て行くのは性に合わないと、わざわざ声をかけに来たのだ。
必死に止めようとする相手に刃は言う。
大会へ出場する理由は、剣十郎のことだけではなく、
サムライとして自分の腕を試すためでもあるのだと。

92 :週刊少年サンデー 1993年 34号 :2007/09/09(日) 22:02:35 ID:???
第241話 父の形見? の巻 3/3

刃の言葉を聞き、諸羽の母は彼の意志の固さを悟った。
彼女はクローゼットから一本の木刀を取り出し、刃に渡す。
それは刃の父親のものであるという。
つかには 『剣十郎』と名が刻まれていた。
これを持って真実を確かめてきなさいと、彼女は厳しい表情で刃を送り出す。

刃たちが庄之介に乗って飛んで行ってしまうと、
田中が慌てて部屋へと駆け込んできた。
諸羽の母は刃たちを見逃すように言い、
更にヘリを一台家の前につけることを命じる。

「私も行くんですよ! その大会が行われるという… ヨロイ島に!!」

ヨロイ島は、大富豪たちが莫大な金を使って作った人工の島だ。
普段は人工に霧に覆い隠され、地図にさえも載っていない。
海上を飛ぶ刃たちは、その近くで小さな舟影を見つけた。
なんと乗っているのは、剣道大会で戦ったトリカブト権三ではないか。
しかしトリカブトは、刃も出場者だと知るとビビって逃げ出してしまった。

刃たちの前にヨロイ島がその姿を現す。
それは骸骨がカブトをかぶった形の、不気味な岩の固まりであった。
ヨロイ島は刃たちを飲み込むと、そのまま海の中へ沈み始めた。
地図にも載らず、誰の目にもつかない理由はこれだったのだ。
もはやここからは引き返せない。ヨロイ島での刃の戦いが幕を開ける。

93 :マロン名無しさん :2007/09/09(日) 23:41:29 ID:???
トリカブトワロスw
でもまあ賢明な判断だと思うぜ

94 :マロン名無しさん :2007/09/10(月) 14:56:57 ID:???
刃は相変わらず情が深くて男らしいな
しかし木刀か…せめて水魔の太刀使おうよ

覇王剣があったら列島崩壊級の強さだったろうにw


95 :マロン名無しさん :2007/09/10(月) 22:56:42 ID:???
普通の剣で覇王剣に勝てる奴はいないだろ


96 :マロン名無しさん :2007/09/10(月) 23:05:50 ID:???
木刀を使うにしても、普通の人間で刃の相手になるんだろうか
ドラゴンボールで言えば悟空にヤムチャが挑戦するようなもんじゃないの?

97 :マロン名無しさん :2007/09/10(月) 23:51:24 ID:???
熱血系のおバカでも精神面での成長が伺えるキャラってのはいいもんだ。
しかしこれだけドラマチックに盛り上げた以上、諸刃ママは
刃の実母じゃないと肩透かしもいい所だな。こんな美人で…未亡人?で…
早くうち解けるようにならないとな…

もろはは「あなたとお風呂に入るのも久しぶりね。幼いあなたはお風呂でも
      おっぱいを欲しがって聞かなかったのよ。懐かしい…」
やいば「や、やめろよ〜母ちゃん、俺は赤ん坊じゃねえっつーの!
  (む、胸デケエ!超やわらけえ!ぱふぱふ!)…ニョホホ〜(*´Д`) 」
もろはは「あらあら、この子ったら顔が赤いわ。恥ずかしがってないで
      諸刃も早く入ってらっしゃい?お兄ちゃんのぼせちゃうわよ?」
もろは「じょ・冗談じゃないわよ!何でこの年で家族でお風呂入らなきゃいけないのよ!?」
もろはは「裸のつきあいって言葉があるでしょ。私達と刃が早く家族らしく
      なれるよう、隠し事のない関係になろうってことよ。…ね?」
もろは「わ…わかったわよ。…はいお兄ちゃん、はだかの諸刃だよ…」

こうして織田何とか試合に優勝した刃は、美貌の母とツンデレな妹と毎日
オープンな付き合いをしつつ、学校では女子にちやほやされたり
さやかたんにセクハラしながら幸せに過ごしましたとさ。めでたしめでたし。

98 :マロン名無しさん :2007/09/11(火) 01:18:18 ID:???
>>97
ちょっと刃の食事に毒盛ってくるよ

99 :マロン名無しさん :2007/09/11(火) 01:18:47 ID:???
それやったら俺は青山見限るぜ

100 :マロン名無しさん :2007/09/11(火) 01:23:30 ID:???
小次郎涙目w

101 :マロン名無しさん :2007/09/11(火) 15:08:55 ID:???
>>97
今後の展開が楽しみだ

102 :マロン名無しさん :2007/09/11(火) 15:18:38 ID:???
>>97
近親親子丼はまずいだろ、常考ww
オヤジはどこ行ったんだよw

103 :マロン名無しさん :2007/09/11(火) 19:38:11 ID:???
あの(ギャグキャラである)剣十郎が人殺しとは思えない
となると、夫が剣十郎に殺されたということも含めて
すべては諸羽ママの妄想の産物なのでは・・・((((;゜Д゜)))

104 :マロン名無しさん :2007/09/11(火) 20:28:13 ID:???
折角かっこよく刃との別れをキめたのにそんな駄目母は嫌だw

105 :週刊少年サンデー 1993年 35・36号 :2007/09/11(火) 20:58:37 ID:???
第242話 情け無用! の巻 1/3

織田信長御前試合の舞台・ヨロイ島は海の中へと沈んだ。
刃らは入り口に庄之介を待たせて奥へと進む。
すると一本の細い道の前で、数人の出場者が立ち往生していた。
その道には様々な罠が仕掛けられており、容易には通り抜けられない。
脇の暗がりには罠にやられた出場者たちが累々と横たわっていた。
いわばここは出場者の足切り。だが刃にとってみれば簡単な試験だ。
突き出るヤリを木刀でなぎ払い、刃は道の向こうへと降り立った。

「ナンバー8188、合格ダ!! 大会出場ヲ許可スル!!」

どこからか聞こえる機械音声が刃らに先を促した。
声は会場の洞窟に入る前に好きな武器を持っていくよう告げたが、
刃は人殺しをしに来たのではないと言って断った。
刃は例の木刀一本を腰に差して先へと進んだ。

ムサシによればこの御前試合は、
トーナメント状に掘られた洞窟の中で行われるという。
穴を抜けて次の試合場に着くまで、相手の顔も手の内も知れない。
侍とはいつなんどき戦場に駆り出され
どんな相手と戦うか分からないもの―― というのがその理由だ。
しかしムサシが優勝した頃とは、形こそ似ていても中身がまったく違う。
この先どんな仕掛けがあるか知れないとムサシは警告を発した。

洞穴の先で刃を待っていたのは、底なし沼の試合場であった。
刃と対戦相手の男が沼に足を踏み入れると、
天井から格子が降りて二人を試合場に閉じ込めた。

106 :週刊少年サンデー 1993年 35・36号 :2007/09/11(火) 21:00:05 ID:???
第242話 情け無用! の巻 2/3

「フッ… 待ちかねた相手が… こんなハナたれボウズとはな…」

男は刃の風体を見て、興をそがれたように言う。
男は軽々と泥の上を跳び、刀をかざして刃に襲いかかった。
ムサシによれば、男の技は水心一刀流・空(くう)の太刀。
身を空にして水上を舞う―― これを会得するとは相当の強者である。
とは言っても、今の刃と比較すれば到底及ぶものではない。
刃はいとも簡単に相手をかわし、脳天に一撃を打ち込んだ。

「よーし、一回戦突破!!」

男は沼に倒れ、刃は喜びの声を上げる。

「次いってみよっかー!!」
「なにしてるの、お兄ちゃん、まだ勝負はついてないわ!!」

不意に諸羽が叫んだ。刃が振り返ってみれば、
沼から立ち上がった男が刃に突きを繰り出そうとしていた。
刃は驚かされはしたものの、難なく男をあしらい再び沼に沈めた。
今度こそ倒したと思い、笑って出て行こうとした刃だが、
男は泥にまみれた体を起こし、刃の足首をつかんだ。

「オ、オレはこの日のために… ち、血のにじむような
 修練を積み重ねて、や…やっとここまでたどり着いたのだ…
 それをきさまに…… きさまごときに… 断たれてたまるか!!」

107 :週刊少年サンデー 1993年 35・36号 :2007/09/11(火) 21:01:13 ID:???
第242話 情け無用! の巻 3/3

すでに刀も折られたというのに、男は斬りかかるのをやめない。
何度も打たれ、口から血を流しながらも、倒れるたびに立ち上がる。
その鬼気迫る姿に、刃はいつしか沼の端まで追い込まれていた。

「オ、オレは… なるんだ…  て、天下一の… 侍… …に…」

その言葉を最後に力尽きた男は、刀を握ったまま気絶した。
会場の機械音声はこれをもって試合の決着とし、
勝者となった刃は男の体をかついで外に出た。
その刃に向かって諸羽は「甘い」と言い放つ。

「一撃で倒せたのに、どーして手加減しちゃうのよ!?
 全力を尽くさないのは、相手に対して失礼よ!!
 持ってる力を全部使い果たしたその人の方が、よっぽど侍らしわ!!」

「うるせー、オレはオレのやり方でやるんだ!!
 オメーは、口出しすんじゃねー!!」

岩の壁が開いて次なる道が現れる。
剣道選手権のときとはまるで違う、後味の悪さ――。
二回戦の試合場へ進みながら刃はそれを感じていた。

(勝ったのに、ちっともうれしくね――!!)

刃のその姿を、モニターを通じて見ている者がいた。
黒いスーツを着て葉巻をくわえた年配の男だ。
彼もまた刃の甘さを指摘し、その欠陥を克服しない限り、
勝ち抜いていくことは出来ないだろうと笑みを浮かべる。

「この大会は、スポーツではないのだからな…」

108 :マロン名無しさん :2007/09/11(火) 21:23:52 ID:???
黒幕っぽいのキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!
こいつが諸羽パパの死に関係してるんだろうな

109 :マロン名無しさん :2007/09/11(火) 21:55:45 ID:???
うわ…名無しの雑魚とはいえ同じ天下一をめざして修行した男か、
切ないわあ…武蔵に認められたのもむべなるかな。
今までの人外の刺客と違って抱えているものが等身大なだけに
刃も勝ってあっぱれだけではすまされない苦い戦いが増えそうだ。

110 :マロン名無しさん :2007/09/11(火) 22:57:09 ID:???
なんかつまんなくね?
大会途中に火星人とかが襲ってくる展開なんだろうか?

111 :マロン名無しさん :2007/09/12(水) 00:30:33 ID:???
>110
月のウサギ、地底人と来て次は火星かよww
この漫画だと本当にやりそうだから困るw

まぁでも今回の話だけ見ると
わりと普通の(人間レベルの?)戦いになりそうだよな
例の強化人間というのがどの程度の強さかにもよるが

112 :マロン名無しさん :2007/09/12(水) 00:53:03 ID:???
相手ただの人間だしな〜
しかもオロチに吸収されてた程度の剣の達人だろうしなぁ…
あのヤマタノオロチや鬼丸やジュエルやかぐや様を倒した刃が木刀とはいえ負けるとは思えん

木刀は地味だな…ある意味斬新

113 :マロン名無しさん :2007/09/12(水) 01:02:40 ID:???
>>112
小次郎と十兵衛を馬鹿にするな!!

114 :マロン名無しさん :2007/09/12(水) 17:16:12 ID:igHfVIp3
剣十郎って名前だけに大会終了とともに弟の剣七郎が登場

115 :マロン名無しさん :2007/09/12(水) 21:47:10 ID:???
鬼丸決戦の後に普通のバトルとな・・・
こーいうのは鬼丸が風人権を手にする前にやるべきだった

116 :マロン名無しさん :2007/09/12(水) 22:11:29 ID:???
刃には刃の物語があるけど
相手にも相手の物語があるんだよな
人生ってこんなもんだろうけど、少し切ない

117 :マロン名無しさん :2007/09/13(木) 18:50:05 ID:Kx2m7797
武蔵の時代だったらさらにその先の未来まで奪うしな

しかしここにきて武士道がなんなのかを勝ち取っていくのがテーマとは
いよいよYAIBAとのお別れが近いのかもしれん・・・・・

118 :週刊少年サンデー 1993年 38号 :2007/09/13(木) 21:00:23 ID:???
第243話 侍(サムライ) VS. 騎士(ナイト) の巻 1/3

一回戦を勝ち抜いた刃は、洞穴を抜けて二回戦の場へと歩を進めた。
今度の試合場は、六面を鉄格子で作られた大きな箱―― まるで鳥かごだ。
天井の四隅につながった鎖が試合場を宙につり下げており、
下には深い谷が待ち受けている。落ちれば一巻の終わりである。
やがて対岸に現れた相手は、白い馬に乗った外国人であった。

「わたしの名はフレデリック・ルーサーIII世!!
 人呼んで 黒き男爵(ブラック・バロン)!!」

派手な帽子をかぶり、口ひげを生やしたその男は、
鉄格子の試合場に入ると、まず刃と握手を交わした。
そして、騎士道と武士道―― 互いの道をけがさぬように
正々堂々戦おうと言い、腰のサーベルを抜いた。

男は細身の剣をしならせ、散弾のごとき突き技によって刃を攻撃する。
しかし、凄腕ではあっても彼もまた刃の敵ではない。
刃は目にも留まらぬ突きを木刀で受け止め、相手の剣をへし折った。
バロンはその拍子に足を滑らせ、格子に片足を落ち込ませてしまう。
足を痛めたようだが気遣いは無用と、試合の続行を求めるバロン。
そんな彼を見て刃は迷うことなく手を差し伸べた。

「おお… かたじけない… これが武士の情けというものか…」

だが刃の行動を見た諸羽は、信じられないといった様子の声を上げた。
次の瞬間、バロンの袖口から、くさび付きのロープが飛び出し、
刃の木刀に刺さってそれを奪い取った。
更にバロンは手錠を投げつけ、刃の足首を鉄格子につないでしまう。

119 :週刊少年サンデー 1993年 38号 :2007/09/13(木) 21:02:14 ID:???
第243話 侍(サムライ) VS. 騎士(ナイト) の巻 2/3

「き、きたねーぞ!!」
「一回戦で倒した、日本(ジャポン)の侍もそう言っておったわ…」

思わず怒りの声を上げる刃をバロンはせせら笑った。
それでもナイトかと叫ぶ刃に、彼は激しく言い返す。

「バカめ!!! なにが騎士(ナイト)だ!!
 なにが侍(サムライ)だ!! 笑わせるな!!!」

この時代に侍など必要ない。正々堂々と戦ったところで、
負ければ何一つ手に入らないのだ。
彼はこの大会に優勝すれば、自分に賭けられた配当金の
十分の一をもらえることになっていた。
金のためならばどんな手でも使うと彼は言う。

「わかるか、時代おくれのサムライボーイ!!
 勝利こそ正義なのだ!!!」

隠し持っていた長剣を抜いたバロンは、
自由のきかない刃に容赦なく斬りかかる。
木刀は遠くの床に転がされてしまい、
足をつながれたままでは触れることすら出来ない距離だ。

120 :週刊少年サンデー 1993年 38号 :2007/09/13(木) 21:03:40 ID:???
第243話 侍(サムライ) VS. 騎士(ナイト) の巻 3/3

鉄格子をも刻むバロンの攻撃に、刃は次第に追い詰められていく。
だがそのとき、天井の角にしがみついた刃は、
試合場が揺れて床が傾き、木刀がわずかに動くのを見た。
何事かひらめいた刃は、そのままの位置でバロンに攻撃を仕掛けさせる。
直前で刃が身をかわすと、まんまと利用されたバロンの剣は、
試合場をつるす鎖の留め具を鉄格子ごと切り取った。
支えの一つを失った鉄かごは、当然ぐらりと傾き、
床の上の木刀は刃の方へと転がり落ちる。

(よし! もらったあ!!!)

すかさずバロンの腹に木刀を打ち込み、刃は勝利を手にした。
刃が鉄かごを出て、気絶したバロンを白馬に背負わせていると、
頭上から道が降りてきて次の試合場への通路となった。
進もうとする刃に諸羽が言う。
戦いに優しさや情けなどいらないことが、今の戦いでわかっただろうと。
さやかはそれに反論した。確かに負ければ殺されてしまうが、
勝利だけが戦いのすべてではないはずだ――。

「こんな戦い、 続けても意味ないよ!
 このままじゃ、刃、ダメになっちゃうよ…」

もう戻ろうとうながす彼女に刃は言った。

「オレはおりねーぜ、さやか…」

彼は三人を置いて歩き出す。

「知りたいんだ… 本当の侍ってなんなのか…
 本当の強さってなんなのか…… しりたくなったんだ!!」

121 :マロン名無しさん :2007/09/13(木) 21:54:42 ID:???
えっらいシリアスだなあ…考える刃

122 :マロン名無しさん :2007/09/13(木) 22:31:11 ID:???
連載開始以来「鉄刃、サムライだ!」と名乗り続けてきた刃が
ここへ来て初めて、侍という言葉の意味を問われているのか
・・・・これ本当にYAIBA?

123 :マロン名無しさん :2007/09/13(木) 22:48:54 ID:???
YAIBAというよりYABAIだな

124 :マロン名無しさん :2007/09/13(木) 23:40:28 ID:???
ジャンプなら間違いなく打ち切られる展開
サンデーでよかった!

125 :マロン名無しさん :2007/09/14(金) 01:11:23 ID:???
なんか対象年齢上がってる?
幼かった刃が大人になり成長していき、今度は内なる精神的な闘いがテーマなのかね

YAIBAの中でも異色のシリーズである事は間違いないな


126 :マロン名無しさん :2007/09/14(金) 21:07:22 ID:???
>>123
誰がうまいことを(ry

ブラックバロンは確かに卑怯な奴だったが、
卑怯さではムサシも負けていないことを思い出した

127 :マロン名無しさん :2007/09/14(金) 21:37:27 ID:???
>>124
ある意味ジャンプっぽいトーナメント展開なのにな

128 :マロン名無しさん :2007/09/15(土) 01:35:57 ID:???
まあ覇王剣持ったままで、相手も水神剣とか火神剣とか使ってくるビックリ大会になるよりはマシじゃないか

129 :マロン名無しさん :2007/09/15(土) 01:55:29 ID:???
いや、でもエクスカリバーとか草薙の剣とかの使い手と戦う展開ってのもそれはそれで面白そうだぞ

130 :マロン名無しさん :2007/09/15(土) 05:17:51 ID:???
天下五剣とか出てきそうだよな

131 :週刊少年サンデー 1993年 39号 :2007/09/15(土) 20:59:08 ID:???
第244話 ゴズマのパワー の巻 1/3

三回戦の試合場は、支柱と三本のロープに囲われた、
一見ごく普通のリングであった。
そして刃を待ち受ける対戦相手はターミネーt……いや、
サングラスをかけて大きな剣を持った筋骨隆々の大男である。
二人がリングに上がると、周囲の床が突然動き出し、
リングの四方は断崖絶壁と化した。
ロープには電流が流され、崖下では地雷が爆発する。
そのとき、リングを挟んだ向こう側にいる男が諸羽に声をかけた。

「おやおや、これはこれは…
 鉄(くろがね)のお嬢様ではないですか…」

白服の部下たちを引き連れたその男は、
くだんの白銀(プラチナ)グループの総帥、
白銀額蔵(しろがね・がくぞう)であった。
何を隠そう、この三回戦の対戦相手こそが、
白銀グループの作り上げた超強化人間・ゴズマだったのだ。

試合が始まり、ゴズマは巨体にそぐわぬ素速さを見せる。
だが戦い慣れていないため、その動きには無駄が多い。
百戦錬磨の刃にしてみれば簡単な相手であるかに見えた。
しかし、刃が打ち込んだ一撃は相手のサングラスを砕いただけ。
ゴズマにはダメージを受けた様子は少しもない。

132 :週刊少年サンデー 1993年 39号 :2007/09/15(土) 21:00:26 ID:???
第244話 ゴズマのパワー の巻 2/3

白銀総帥によれば、ゴズマの体からは痛覚が除かれている。
更に体の各所に埋め込まれたマイクロユニットが筋肉を刺激して、
人間をはるかに超えた能力を生み出すことが出来るのだ。
なんとそのスピードは刃を追い抜き、跳躍力でも彼を上回った。

「今だ、ゴズマ! ナイアガラクラッシャーを敢行せよ!!」
「OK… ボス…」

刃の上へ跳んだゴズマは、両手で持った剣を左右に振り始める。
超スピードにより分身した無数の腕が、刃めがけて振り下ろされた。

「ナイアガラ… クラッシャー!!」

鉄塊を投げ落としたような破壊力に、キャンバスが大きくえぐれる。
刃はすんでのところで身をかわし、わずかな傷を負うにとどまった。
ゴズマはと言うと、あれだけの攻撃をして息一つ乱していない。

ただの攻撃ではダメージを与えられない相手に、
刃は電流ロープを利用する策を思いついた。
ジャンプで上空に向かうかに見せかけ、コーナーポストに降り立つ。
つられて飛び上がったゴズマは意表を突かれる形となったが、
それには構わずナイアガラクラッシャーの構えに入った。
ゴズマの腕が無数に分裂を始めるが、それはまだ予備動作の段階だ。
刃は敵のスピードが乗り切らぬうちに
うまく剣の間をすり抜け、ゴズマの更に上へと跳び上がった。

133 :週刊少年サンデー 1993年 39号 :2007/09/15(土) 21:03:31 ID:???
第244話 ゴズマのパワー の巻 3/3

刃の木刀がゴズマの後頭部に打ち下ろされる。
まともにくらったゴズマは、落下して電流ロープへと叩きつけられた。
強烈な電気が火花を上げてゴズマの体に流れ込む。

「フン… 体を超人的に鍛え上げた戦士より、
 戦いの場数を踏んだ刃の方がまさったということか…」

ムサシが語るように、戦いの雌雄は決したかに思われた。
しかし、体に電流を帯びながら、ゴズマは平然とした顔で立ち上がる。
電気はゴズマに埋め込まれたマイクロユニットのエネルギー源。
つまり電気を吸収すればするほど、ゴズマの能力はアップするのだ。

「なにが、百戦錬磨の侍だ!?
 戦いとは能力が上まわっている方が勝つに決まっておるのだ!!」

白銀総帥は勝ち誇ったように笑い声を上げる。
彼の命令に従い、ゴズマは無表情のまま刃に迫り寄った。

「OK… ボス…」

134 :マロン名無しさん :2007/09/16(日) 05:39:20 ID:???
どう見てもシュワちゃんです。本当に(ry

135 :マロン名無しさん :2007/09/16(日) 07:09:32 ID:???
ターミネーターワロタ

136 :マロン名無しさん :2007/09/16(日) 11:43:36 ID:???
ハスタラビィスタベイビー(地獄で会おうぜベイビー)
と言いながら地雷源に落ちていく展開に100兆円

137 :マロン名無しさん :2007/09/16(日) 16:42:45 ID:???
すげー小物臭がプンプンしやがるぜ

138 :マロン名無しさん :2007/09/16(日) 20:43:29 ID:???
>電気はゴズマに埋め込まれたマイクロユニットのエネルギー源。
>つまり電気を吸収すればするほど、ゴズマの能力はアップするのだ。

何コイツ?
乾電池の性能上げたらスピード上がるミニ四駆?

139 :マロン名無しさん :2007/09/16(日) 21:28:46 ID:5Wi5Cd8C
かぐや様エロい

140 :マロン名無しさん :2007/09/16(日) 23:34:21 ID:???
>>138
的確な例えにワロタww

141 :マロン名無しさん :2007/09/17(月) 11:44:03 ID:???
確かに一般人がミニ四駆改造する感覚で改造人間作ってる感じだねー。
ごずまんも大変だね

142 :マロン名無しさん :2007/09/17(月) 20:34:33 ID:???
スピードを上げるために

143 :マロン名無しさん :2007/09/17(月) 20:35:42 ID:???
・・・シャーシに穴空けたりしてんのか

144 :週刊少年サンデー 1993年 40号 :2007/09/17(月) 20:57:03 ID:???
第245話 超強化人間の反乱 の巻 1/3

ゴズマはリングの電流を吸収し、マイクロユニットの力を増幅させた。
パワーアップしたゴズマは強烈な蹴りを放ち、刃から木刀を奪い取る。
白銀総帥は、更に出力を上げてとどめを刺すようゴズマに命じた。

「OK、ボス…」

白銀の命令に従い、再び電流を吸収し始めるゴズマ。
それを見たムサシは諸羽に向かって言う。

「フン… 丸腰の相手にさらにパワーアップか…
 あいつは、まるでおぬしの言う、情け無用の侍のようじゃのう…」

「そうよ! それが真の侍の、条件よ!!!」

即座に言い返す諸羽だが、試合を見つめる表情はどこか苦しげだ。
リング上のゴズマは、更にその能力を上げて刃に襲いかかる。
刃が攻撃をよけるたび、白銀総帥はゴズマにパワーアップを命じた。
電流を吸収するごとにゴズマのスピードは上がっていくが、
刃は相手の強襲をしぶとくかわし続ける。
それでもとうとう刃がゴズマの速さに対応しきれなくなったとき、
ゴズマのマイクロユニットは限界を迎えた。
体中のユニットが爆発を起こし、昏倒したゴズマは、
リング下の地雷原へと滑り落ちそうになる。

刃はゴズマを助けるためにとっさに手を伸ばした。
どうにかゴズマの腕をつかんだが、このままの体勢では引き上げられない。
刃は落下を食い止めるために目の前のリングロープをつかんだ。
刃の体には当然ながら強烈な電撃が流れ込む。
感電のショックに耐えながら、刃はゴズマの体をリングに投げ上げた。
目を覚まして立ち上がったゴズマは、しびれて動けない刃に無言のまま迫った。

145 :週刊少年サンデー 1993年 40号 :2007/09/17(月) 20:59:16 ID:???
第245話 超強化人間の反乱 の巻 2/3

「だ、だから言ったじゃない!!
 戦いに情けや優しさなんかいらないって… なのにどうして…
 どうして、それがわかんないのよ!? お兄ちゃん!!」

涙を浮かべて諸羽が叫ぶ。
しかし、刃にとどめを刺すかに思われたゴズマは、
総帥の命令にも応じず、ただ刃を見下ろして口を開いた。

「おまえのような奴は初めてだ…」

初めて言葉らしい言葉を発したゴズマが語る。
彼はこの大会に優勝するために、物心ついたときから訓練を受けてきた。
みなしごだった自分を拾ってくれたボスに報いるため、
地獄のような特訓に耐え、全身には強化ユニットを埋め込まれた。
その人生の中で彼が求めてきたものはただ勝利のみであり、
訓練の中で戦ってきた相手もみな同様だった。

「おまえのような戦士は、一人もいなかった…
 敵を助けるような… 甘っちょろい戦士はな…」

小さく笑みを浮かべ、ゴズマは刃に木刀を投げ渡す。
そして、そろそろ体も動くようになっただろうと勝負の再開をうながした。
望むところと答え、刃が木刀を構えて立ち上がると、
ゴズマはナイアガラクラッシャーの体勢に入った。
今度はフェイントは通用しない。足のしびれもまだ残っている。
刃はナイアガラクラッシャーに真っ向から立ち向かい、
その奔流のごとき剣筋を見切って、ゴズマに一撃をくわえた。
ゴズマはリングに倒れ、機械音声が刃の勝利を認める。

146 :週刊少年サンデー 1993年 40号 :2007/09/17(月) 21:00:49 ID:???
第245話 超強化人間の反乱 の巻 3/3

刃がナイアガラクラッシャーを見切れたのは、
ユニットの半壊によりゴズマの能力が落ちていたためだ。
それを聞いたゴズマは、ユニットに頼りすぎていたと自分の敗因を認めた。

「フッ… 今度戦うときは、ユニットなしでお前に勝ってみせるぞ!!」
「おう! そんときは、またぶっ倒してやら――!!」

―― あれが刃のやり方だ、とムサシは諸羽に教えた。
刃がゴズマを助けなければ、あの時点で勝負は決していた。
しかしは刃はその勝利を選ばなかった。
どちらの勝利が正しいかは自分にも分からないが、
諸羽も黙って刃の戦いを見守っていてはどうかと。

敗北を喫した白銀グループは、ゴズマを残して引き上げていく。
無情にもゴズマを切り捨てた白銀額蔵は、
奴に賭けていた金は総資産の半分だけだと部下たちに告げる。
彼が残り半分の資産を賭けた選手の名は「沖田」。
刃などでは遠く及ばない、底知れない才の持ち主であるという。

そんな話など知らず、刃とさやかはベスト8進出を喜んでいた。
そろそろ剣十郎とあたるかも、と楽しそうに語る刃。
そのかたわらで諸羽の表情だけは晴れない。
刃は彼女の不安そうな様子を察し、声をかけた。

「心配すんな、諸羽!! オレは負けねーよ!!
 オレはオレのやり方で超えてみせる!!
 オメーのいう真の侍ってヤツをな!!!」

147 :マロン名無しさん :2007/09/17(月) 21:28:13 ID:???
あーあ、やりすぎちゃったよ、ターミネーター
刃がなかったら充電しすぎで死んでたな

沖田といったら沖田総司だよな?!
ようやく本当に強そうな敵のお出ましか

148 :マロン名無しさん :2007/09/17(月) 21:52:42 ID:???
武蔵超えてるのに、今更沖田って言われても……。

149 :マロン名無しさん :2007/09/17(月) 21:56:38 ID:???
「今度戦うときは〜」ってつまり、「I'll be back」ということか?

150 :マロン名無しさん :2007/09/17(月) 22:16:26 ID:???
強化人間もう終わりか。今章の敵キャラの目玉だと
思ってたんだがな。でもゴズマがいいヤツなのはよかった。
(つーか世代的にゴズマと聞くとチェンジマンの敵集団を思い出すw)
しっかしゴズマが人工超人という理屈付けがなされたのに対し、
刃の超身体能力は最初から「そういうものなのですよ」的扱いで
何のフォローもないのな。w

ネガ発言ばかりだった諸羽も大分しおらしくなってきたな。よしよし。

151 :マロン名無しさん :2007/09/17(月) 22:56:21 ID:???
斎藤一や山南敬助、永倉新八、土方歳三、近藤勇、伊東甲子太郎
たちも登場しそうだな。これは面白くなってきた

152 :マロン名無しさん :2007/09/17(月) 23:08:45 ID:???
>>151
出て土方が精一杯だろ、サンデー読む年齢層でそれ以外の名前知ってるやつは普通いねーよw

153 :マロン名無しさん :2007/09/17(月) 23:30:15 ID:???
近藤勇くらいは流石に知られてるんじゃないか?
つか齢100超の新撰組とか斬新過ぎるだろw

154 :マロン名無しさん :2007/09/17(月) 23:40:50 ID:???
総資産をギャンブルにつぎ込むとか豪快すぎるぞ

155 :マロン名無しさん :2007/09/18(火) 10:17:23 ID:???
ゴズマっていいミニ四駆だな

156 :マロン名無しさん :2007/09/18(火) 13:09:27 ID:???
実は沖田は生きていたって、ムサシと同じパターンじゃないか

157 :マロン名無しさん :2007/09/18(火) 16:57:20 ID:???
最新技術を駆使して沖田の魂を蘇らせたんだよ

158 :マロン名無しさん :2007/09/18(火) 18:26:28 ID:???
普通に考えて生まれ変わりだろ

159 :マロン名無しさん :2007/09/18(火) 22:29:02 ID:???
あんなボスに恩を感じるなんて、ゴズマも律儀な奴だな
沖田総司?は、燃えよ剣に出てきたのは覚えてるけど、
どんな奴だったか忘れた

160 :マロン名無しさん :2007/09/18(火) 22:55:42 ID:???
沖田…なんだって?

161 :マロン名無しさん :2007/09/19(水) 01:10:09 ID:???
>>158
YAIBA的に普通に考えたら
・本人が長生き
・ゾンビになって蘇る
・魂を動物に入れて蘇る
の3択に決まっているじゃないか

162 :マロン名無しさん :2007/09/19(水) 01:22:30 ID:???
そこで物干し竿のバック・トウ・ザ・フューチャーですよ


163 :マロン名無しさん :2007/09/19(水) 03:38:27 ID:???
沖田は死に際が有名すぎるからムサシ的なことはないだろ、多分……

164 :マロン名無しさん :2007/09/19(水) 09:13:56 ID:???
>>161
鬼丸さんがまた暗躍してるのかよw

165 :マロン名無しさん :2007/09/19(水) 09:40:09 ID:???
いやいや普通に子孫だろ
史実では子供はいないけどYAIBA歴史だから問題ない
沖田○○だとはったりがきかないから第○代目沖田総司とか

166 :マロン名無しさん :2007/09/19(水) 10:41:27 ID:???
斬鉄剣の人かよw

167 :マロン名無しさん :2007/09/19(水) 11:55:38 ID:zd7aepwD
何代だから別に沖田総司の子孫じゃなくても
親族でもいいんじゃない?襲名すれば

168 :マロン名無しさん :2007/09/19(水) 20:30:21 ID:???
そういえば沖田の姉の一族は残っているんだっけ?

169 :マロン名無しさん :2007/09/19(水) 20:56:09 ID:???
意表をついてただの新撰組オタクの沖田さんがくるとみた

170 :週刊少年サンデー 1993年 41号 :2007/09/19(水) 21:53:03 ID:???
第246話 秘技・無限の位 の巻 1/4

刃らがやって来た次なる戦いの舞台は、巨大な滝であった。
ごうごうと流れ落ちる水が足場をひたし、
更にその足場の端は、また滝となって闇へと続いている。
そして、そこに姿を現した対戦相手は―― 柳生十兵衛 光厳であった。

彼は、代々将軍家に仕えた柳生の剣の力を、
再び天下に知らしめようとこの大会に出場していた。
また、彼が噂に聞くところによると、小次郎も出場者の一人らしい。
女遊びを控え、一心不乱に鍛錬を積み重ね、
その剣は修羅のごとく研ぎ澄まされたというが――。

「へー、あの小次郎がねー…」 「し、信じられん…」

……けげんな反応を返す刃とムサシであった。
ともあれ刃と十兵衛は剣を抜き、水上でしかと向かい合う。
幾度か戦ったことのある二人だが、ちゃんとした決着をつけるのは初めてだ。

「いくぜ… 十兵衛!!」 「参る!」

水を蹴立てて二人は同時に仕掛けた。
最初の一撃は相討ち。しかしさやかは疑問に思う。
刃の武器は木刀で、十兵衛の方は真剣だ。
相討ちならば刃が斬られるはずなのに、彼には血を流した様子がない。
するとムサシが彼女に教えた。十兵衛は峰を返しているのだと。
十兵衛は相手より有利な条件で勝利を得ようとは考えなかった。
もし立場が逆だったなら、刃も同じことをしただろう。

171 :週刊少年サンデー 1993年 41号 :2007/09/19(水) 21:54:06 ID:???
第246話 秘技・無限の位 の巻 2/4

ムサシの言葉を聞いていた諸羽は、そんなのは見せかけだと反論した。
十兵衛はきっと、刃を油断させておいて隙をつくつもりだと。

「あの人が、本当に強い真の侍なら、きっとそうするはずよ!!」

そんな諸羽にムサシは言った。

「では、みてみよ… あやつらの顔を…
 あれが、木刀の不利を嘆いている顔にみえるか!?
 あれが、策をろうしておる顔に思えるか!?」

激しく剣を交える二人の顔は、その戦いとは裏腹にどこか楽しげだ。
強い相手と剣の技量を競い合う――、
彼らにとってはそのこと自体が勝利よりも価値のあることなのだろう。

「で、でも… それで負けちゃったら…
 相手の不利に合わせて負けちゃったら… バカじゃない…」

諸羽の漏らした言葉にムサシが答えた。

「そうじゃよ諸羽殿…
 しょせん侍とは、バカな男どもの集まりなんじゃよ…」

172 :週刊少年サンデー 1993年 41号 :2007/09/19(水) 21:56:15 ID:???
第246話 秘技・無限の位 の巻 3/4

―― その頃、ヨロイ島のいずこかでは、葉巻の男がモニターを眺めていた。
複数の画面の中には、準々決勝の戦いの様子が映し出されている。
彼は出場者たちの戦いぶりを見ながらつぶやいた。
強者ぞろいの大会だが、天下一の侍となるのはこの男だろうと。
その選手の名は―― 『 NO.0444 S.OKITA 』。

刃と十兵衛の一戦は、一進一退の激しい攻防が続いていた。
次々に繰り出される、柳生新陰流の絶技の数々。
それをことごとく防ぎきって反撃する刃。
十兵衛は弾き飛ばされた刀を拾うと、
こうなればあの技を出すほかないかと笑みを浮かべた。
再び剣を構えた十兵衛は、転(まろばし)と呼ばれる
相手に沿うような足さばきによって、刃を追いつめ始めた。
しかし、これは相手を斬ろうとしないからこそ出来る技。
とどめの一撃がなくては刃を倒すことはできない。

ムサシが疑問に思ううち、刃はとうとう足場の端まで追いつめられた。
これ以上後退すれば滝つぼに真っ逆さまである。
そのとき突然、十兵衛は構えを解いて、刀を持つ手を下ろしてしまった。
これではまったくの隙だらけで、打ってくれと言っているようなものだ。
そのままの格好で十兵衛は刃に向かって足を進める。
どうしようもなくなった刃は、思い切って十兵衛に対し打ち込んだ。
その瞬間、十兵衛は鏡像のような動きで相手の剣に剣を当て、
刃の木刀を弾き飛ばした。そのまま振り抜かれた刀が刃の体を打つ。
ムサシは驚愕の色を浮かべて叫んだ。

「や、やはりあれは柳生新陰流 秘伝の奥義、無限の位(むげんの・くらい)!!!」

173 :週刊少年サンデー 1993年 41号 :2007/09/19(水) 21:57:52 ID:???
第246話 秘技・無限の位 の巻 4/4

どんな達人であっても、攻撃を仕掛けようとするときには一瞬の隙が生じる。
その一瞬をついて攻撃に転じ、剣と剣を合わせて
相手の武器もろとも弾き飛ばすのが 『無限の位』である。
刃の剣は、追いつめられてやむなく出した、いわば死んだ剣。
十兵衛の方は力をためて繰り出す生きた剣。どちらが勝つかは言わずもがなだ。
もちろん、相手はどんな動きをしてくるか分からないのだから、
その剣に自分の剣を重ねることなど常人には不可能である。
しかしそれをなし得たならば、攻撃・防御ともに完璧な秘剣が完成する。

十兵衛は刃の目・手・足……あらゆる動きから攻撃を予測し、
目標を相手の切っ先一点に集中して、渾身の力を込め刀を振り下ろす。
刃の木刀はまたしても弾かれ、真剣の先が刃のひたいを切った。
流れた血が彼の右目をふさぎ、刃は遠近感を失ってしまう。

「さあ、刃殿、いさぎよく降参されよ…」

戦う二人の息は荒い。
刀を持つ手を下ろしたまま、十兵衛は笑みを浮かべて刃に迫る。

「それとも、我が秘剣、もう一度受ける気でござるか…」

174 :マロン名無しさん :2007/09/19(水) 22:12:32 ID:???
十兵衛ここに来て急に目立ったな。
秘伝の奥義をここで見せるのか。
正直、刃に勝ち目が無い気がするんだが・・・

175 :マロン名無しさん :2007/09/19(水) 22:14:12 ID:???
新撰組で騒いでる場合じゃなかった
ここで十兵衛が来るとは・・・・

176 :マロン名無しさん :2007/09/19(水) 22:23:43 ID:???
この分だと小次郎も強いんだろうなぁ
魔剣が無くなった途端、脇役の強さが目立ち始めたな

177 :マロン名無しさん :2007/09/19(水) 22:27:59 ID:???
小次郎も物干し竿封印してくるかも知れんな
っていうか、過去にムサシに成りすましたとき雷神剣無しじゃ勝てなかったよな……

178 :マロン名無しさん :2007/09/19(水) 22:31:24 ID:???
小次郎は普通に物干し竿使ってきそうだw

179 :マロン名無しさん :2007/09/19(水) 22:38:40 ID:???
十兵衛がこんな前面に出てるのって初登場以来じゃないか?
あのとき刃は手も足も出てなかったよな。
小次郎はなんか、小次郎だったし。

180 :マロン名無しさん :2007/09/19(水) 22:49:33 ID:???
何か普通の剣術マンガっぽいなw
完璧なカウンター技か やりづらいね
こういう場合マンガのパターンだと
@覇王剣のような強力な力技で身も蓋もなくぶち破る
A第三者の介入
Bこちらもカウンターに徹底して持久戦
Cカウンター技の構えをどうにかして崩す
Dカウンター技の弱点を見つけ反撃
E主人公新能力覚醒の踏み台

BDE辺りが本命?

181 :マロン名無しさん :2007/09/19(水) 23:17:54 ID:???
逆に考えるんだヤイバ
「落ちてもいいや」と

182 :マロン名無しさん :2007/09/19(水) 23:37:58 ID:???
>>180
「おれは鉄平」だと最初は3だったな。
結局敵の昔の技を使って勝利してたけど。

183 :マロン名無しさん :2007/09/19(水) 23:52:23 ID:???
>>179
しかし、十兵衛と小次郎も決着自体はついてないからな。
十兵衛と小次郎の連戦はきつくないか?ラスボスが沖田だし。
玉無し系の必殺技だと、風車・かみなり斬り、あと鬼丸が使ってた横一文字か。

184 :マロン名無しさん :2007/09/20(木) 00:09:45 ID:???
横一文字は居合いだから木刀じゃ無理なんじゃないか?

185 :マロン名無しさん :2007/09/20(木) 00:09:58 ID:???
ラスボスが沖田なら、オヤジはどこで出るんだろう‥‥?

あ、そうか。オヤジが沖田なのか。

186 :マロン名無しさん :2007/09/20(木) 00:10:54 ID:???
うおお、十兵衛対刃か!こういうのを待ってたんだよ!

187 :マロン名無しさん :2007/09/20(木) 00:27:03 ID:???
>>185
となると剣十郎というのはやっぱり偽名で、
オヤジの本名=沖田という展開かな

188 :マロン名無しさん :2007/09/20(木) 00:54:00 ID:???
これまで剣十郎に対して抱いてきたイメージが
一気に崩れそうで何か凄い嫌だw

189 :マロン名無しさん :2007/09/20(木) 04:21:20 ID:???
>>180
7.酒を飲ませる

190 :マロン名無しさん :2007/09/20(木) 10:10:45 ID:???
酒か
そんな設定すっかり忘れてた

191 :マロン名無しさん :2007/09/20(木) 10:53:00 ID:???
>女遊びを控え、一心不乱に鍛錬を積み重ね、

オレたちの小次郎は死んだ!!!

192 :マロン名無しさん :2007/09/20(木) 11:39:37 ID:???
小次郎は滅びぬ、何度でも蘇るさ!!



193 :マロン名無しさん :2007/09/20(木) 12:57:56 ID:???
>>191
んで天下一の侍となった暁には女子遊び三昧と続くから大丈夫だ

194 :マロン名無しさん :2007/09/20(木) 18:07:53 ID:4AvfGNuZ
鬼丸も出てると予想!

と言いたいが無理があるか…

195 :マロン名無しさん :2007/09/20(木) 18:38:00 ID:???
「しょせん侍とは、バカな男どもの集まりなんじゃよ…」
おお、これは名台詞だ

196 :マロン名無しさん :2007/09/20(木) 19:12:10 ID:???
小次郎が女絶ちするほどの魅力がこの試合にはあるのか?
それとも何か別の理由が?

197 :マロン名無しさん :2007/09/20(木) 19:32:36 ID:???
ムサシが第一回優勝者だから対抗意識でも燃やしてるんじゃないかな

198 :マロン名無しさん :2007/09/20(木) 20:47:06 ID:???
>>196
そらやっぱ>>193の理由に尽きるでそ
金に名声に女に贅沢三昧じゃないか

199 :マロン名無しさん :2007/09/20(木) 22:49:34 ID:???
美女「小次郎様・・・優勝したらチューしたげる
こじ「まかせなされ!この佐々木小次郎、その大会で優勝してみせる!

美女「これで優勝賞金は私のモノ ふふふ

こんな感じで参加してたり


200 :マロン名無しさん :2007/09/21(金) 00:26:10 ID:???
急に小次郎が強敵に見えなくなってきたが……大丈夫か?
奴も真の侍であると信じたいが

201 :マロン名無しさん :2007/09/21(金) 16:17:34 ID:???
>>200
タイムスリップの時に女遊びしながらもメチャクチャ強かったことは
実証されてるからいいんじゃね。
むしろ女のために女断ちして修行する方が小次郎らしいぜ。

202 :マロン名無しさん :2007/09/21(金) 17:11:34 ID:???
そもそも十兵衛はどこで小次郎の女断ちの噂を知ったのか…
山ごもりの修行でもしてる際に地元の人に聞いたとか?

203 :マロン名無しさん :2007/09/21(金) 21:21:30 ID:???
そういえば鬼丸城戦がテレビ中継されたこともあって
結構有名人なんだよな
確かに噂を聞いてもおかしくはないな

204 :週刊少年サンデー 1993年 42号 :2007/09/21(金) 23:47:12 ID:???
第247話 幻の秘剣 の巻 1/4

十兵衛の 『無限の位』により滝のふちに追いつめられた刃。
その片目をひたいから流れ落ちた血がふさぐ。
片目が見えないということは遠近感を失ったということだ。
刃は十兵衛との間合いをはかれず、
相手が遠くにも近くにもいるように見えてしまう。

十兵衛の 『無限の位』は、いかなる攻撃にも正確に刀を合わせ、
攻撃を無効化するとともに反撃をたたき込む奥義だ。
ならば、もっとも打撃面積の狭くなる「突き」を使えば――。
そう考えた刃だが、十兵衛はその針の穴をうがつような突きにも
完全に切っ先を合わせてみせた。

なすすべを失った刃は闇雲に刀を振るが、
片目をふさがれた状態では攻撃は空を切るばかりだ。
そこで刃は、目に頼るからいけないのだと思い直し、
両目をつぶって心眼で十兵衛の姿をとらえようとした。
ところが彼がまぶたを閉じても、そこに見えるものは一つもない。
十兵衛は完全に殺気を殺し、明鏡止水のごとく構えている。
今の十兵衛は、心眼でとらえることすら不可能だった。

隻眼の侍、柳生十兵衛――。
片目という点においては今の刃と同じ状況に思えるが、
彼は幼少の頃に左目を失って以来、
長い年月と鍛錬を積み重ねてその苦境を乗り越えてきた。
今はその視力は常人以上に研ぎ澄まされている。
技・身体能力・置かれた状況、すべてが刃の不利を指し示していた。
刃は十兵衛には勝てない。―― 奇跡でも起こらない限りは。

205 :週刊少年サンデー 1993年 42号 :2007/09/21(金) 23:48:48 ID:???
第247話 幻の秘剣 の巻 2/4

飛びかかっては打ち据えられる刃に、諸羽は思わず「もうやめて」と叫んだ。
しかし刃は即座に答える。やめてたまるかと。
この大会の先には父親が待っている。
剣十郎に会って真実を確かめるまでは、刃は負けることなどできない。
その必死の姿を見て十兵衛は腹を決めた。

(もはや仕方あるまい… 次に我が間合いに入ったが最後…
 少々骨が砕けるやもしれぬが、 刃殿!!
 覚悟されぃ!!!)

飛びかかる刃のその木刀めがけ、十兵衛は刀を振り抜いた。
その剣筋は、寸分のたがいもなく相手の攻撃をとらえんとする。
しかし次の瞬間、十兵衛の片目は信じがたい光景を見た。
刃の木刀がその気配のみを残してにわかに消え失せるのを――。

十兵衛の刀は空を切った。
その隙を突くように現れる刃の一撃。
したたかに打ち据えられた十兵衛はその場にどうと崩れ落ちた。

『ナンバー8188ノ勝利ヲ認メル… 準決勝ニ進ムガヨイ…』

予想だにしない結果にムサシが驚く中、無機質な音声が刃の勝利を告げる。
刃はただ必死になって打ち込もうとしただけだったが、
その剣は十兵衛の眼前で確かに消えたのだ。
まるで陽炎(かげろう)のように――。

206 :週刊少年サンデー 1993年 42号 :2007/09/21(金) 23:50:30 ID:???
第247話 幻の秘剣 の巻 3/4

「では、刃殿!! それがしの分まで頑張ってくだされぃ!!」
「おう! 絶対優勝してやっからよー!!」

幻の剣という謎を残しながらも、二人の戦いは決着した。
十兵衛はいつものように深く編み笠をかぶると、
その下からわずかな笑みだけをのぞかせて、刃たちに背を向けた。
静かに去っていく十兵衛を見ながら、諸羽が不思議そうにつぶやく。

「あの人、負けて悔しくないのかしら…?」

その言葉にムサシが答えた。

「悔しくないわけがなかろう…
 武士にとって、敗北は死にもまさる屈辱じゃ…」

諸羽にしてみれば、十兵衛はカッコつけて峰を返して戦い、
結局負けて悔しがっているバカな侍のように思えた。
だが、カッコをつけたわけではない、とムサシが語る。
勝利のみを求め相手の弱味を突こうとすれば、それはおのずと自分の隙を呼ぶ。
そうならぬよう、自分を戒めるために十兵衛は峰を返した。
刃とて同じこと。強い自分におごらぬように木刀で戦っている。
そして、そんな侍として刃を育て上げたのがあの剣十郎なのだ。
ちゃらんぽらんではあるが筋の通った男―― その彼が本当に、
諸羽の言うような悪党なのだろうか?
ムサシに静かに疑問を呈され、諸羽は思い悩むように下を向いた。

207 :週刊少年サンデー 1993年 42号 :2007/09/21(金) 23:52:53 ID:???
第247話 幻の秘剣 の巻 4/4

準々決勝の試合は、これで四つのうち三つまでが決着した。
葉巻の男が眺めるモニターに、準決勝進出を決めた三人の名が映る。

『 Y. KUROGANE 』 『 S. OKITA 』 『 H. HATTORI 』

そして、最後の一試合――。
流れ落ちる水の上に、敗者が無様に倒れ込んだ。
平陣笠を目深にかぶった男が、小さく笑ってきびすを返す。

『ナンバー0203ノ勝利ヲ認メル……… 準決勝ヘ進ムガヨイ』

悠々と滝の奥に消えゆく相手を、
佐々木小次郎は伏して見送ることしかできなかった。

208 :マロン名無しさん :2007/09/21(金) 23:58:53 ID:???
ちょwwww小次郎wwwwwww

209 :マロン名無しさん :2007/09/21(金) 23:59:48 ID:???
小次郎かませwww

210 :マロン名無しさん :2007/09/22(土) 00:14:32 ID:???
こ、小次郎――ッ!!!

211 :マロン名無しさん :2007/09/22(土) 00:57:16 ID:ycSuwB1C
小次郎オワタwwww

212 :マロン名無しさん :2007/09/22(土) 00:58:41 ID:rDYBcfpN
刄のこととかはどうでもいいのか

213 :マロン名無しさん :2007/09/22(土) 01:03:59 ID:???
最後の一ページでいろんなものが吹っ飛んだ

214 :マロン名無しさん :2007/09/22(土) 01:10:30 ID:???
だが待って欲しい
最後のページで倒れたのは小次郎であって物干し竿ではない


つまり!小次郎が敗れた相手というのは物干し竿が人間化した侍なのだよ!!

215 :マロン名無しさん :2007/09/22(土) 01:12:32 ID:???
>>212
どう見てもマグレ勝ちだしなあ。
滝の水が変な風に反射して幻影が見えたとかそんなとこだろ。


216 :マロン名無しさん :2007/09/22(土) 01:20:34 ID:???
あーん!小次郎様が死んだ!
小次郎さまよいしょ本&小次郎さまF.Cつくろー!って思ってたのに…
くすん…美竿薄命だ…

・゚・(ノД`)・゚・うっうっう…ひどいよお…ふえーん!!
この間「今、時代は物干し竿だ!」の葉書きを出してまだ2週間じゃないですか!
どーして、どーして!?あれで終わり!?嘘でしょ!?
信じられないよおっあんな笠男ごときに殺られるなんてっ!!
ムサシと差がありすぎるわっ!!生き還りますよね?ね?ね?
……泣いてやるぅ・゚・(ノД`)・゚・

私はあのおそろしく使えない彼が(たとえド女たらしでもさ!ヘン!)大好きだったんですよっ!!
小次郎さまあっ!死んじゃ嫌だああああああっ!!
先生のカバッ!!え〜ん・゚・(ノД`)・゚・


217 :マロン名無しさん :2007/09/22(土) 01:29:32 ID:???
さすが小次郎

218 :マロン名無しさん :2007/09/22(土) 01:39:03 ID:???
>>216
勝手に殺すな
…と思ったが元々ゾンビだっけ

219 :マロン名無しさん :2007/09/22(土) 01:39:13 ID:???
おかしいな。何度今週号をみても、準決勝進出者の中に「K.SASAKI」の字が無いんだ……

220 :マロン名無しさん :2007/09/22(土) 02:14:21 ID:???
地味に服部半蔵がいるけど、まぁどうせ笠かぶってるやつにやられるからどうでもいいな

221 :マロン名無しさん :2007/09/22(土) 02:17:29 ID:???
そろそろ十兵衛の話もしてやれよw

222 :マロン名無しさん :2007/09/22(土) 02:53:22 ID:???
小次郎おおおおおおおおお!

223 :マロン名無しさん :2007/09/22(土) 03:39:13 ID:???
>>216
美竿wwwwww

224 :マロン名無しさん :2007/09/22(土) 08:14:07 ID:???
あいつである可能性の残ってるのは
沖田、剣十郎、鬼丸くらいだよな
殺気むんむんな鬼丸があんな落ち着いてるわけねーし
沖田もイメージ的に違う
剣十郎か?

225 :マロン名無しさん :2007/09/22(土) 08:35:43 ID:???
普通に剣十郎だろう
トーナメント表見ると刃の次の相手が沖田で
小次郎を倒した奴は決勝の相手になるはず

226 :マロン名無しさん :2007/09/22(土) 11:06:04 ID:???
>>214
な なんだってー!?
>女遊びを控え、一心不乱に鍛錬を積み重ね、
その剣は修羅のごとく研ぎ澄まされた

この設定はつまり物干竿本体の事で使い手は修行してなかったという事なのかキba(ry

冗談はともかくひでえ扱いだな
これまでの活躍も小次郎の活躍というより物干し竿の活躍という感じだしな…
負けるにしても3ページくらいの尺で真・燕返しとか披露してあげてもいいとオモタ(´・ω・`)

227 :マロン名無しさん :2007/09/22(土) 11:31:58 ID:???
物干し竿のない小次郎なんてシロップのかかってないカキ氷みたいなもんだ

228 :マロン名無しさん :2007/09/22(土) 16:57:53 ID:???
これ、主人公補正で刃が勝ったけど
剣の腕では十兵衛>>>刃だよな
あんな目立たなかった脇役が主人公より強いとは

229 :マロン名無しさん :2007/09/22(土) 17:20:45 ID:???
>>227
シロップのないかき氷でも涼はとれる。
しかしシロップだけでは舐めても甘味が強すぎるだけで役に立たない。
よってかき氷にかかってないシロップというべきだ。

230 :マロン名無しさん :2007/09/22(土) 22:52:07 ID:???
もうカキ氷のカップでいいよ

231 :マロン名無しさん :2007/09/22(土) 23:04:13 ID:???
勝利のみを求め相手の弱味を突こうとすれば、それはおのずと自分の隙を呼ぶ。
そうならぬよう、自分を戒めるために小次郎は物干し竿を伸ばすコトを禁じた。
しょせん侍とは、バカな男どもの集まりなんじゃよ…

232 :マロン名無しさん :2007/09/22(土) 23:26:46 ID:???
欲望のみを求め相手の弱みを突こうとすれば、それはおのずと自分の隙を呼ぶ。
そうならぬよう、自分を戒めるために小次郎は物干し竿を伸ばすコトを禁じた。
しょせん侍とは、バカな男どもの集まりなんじゃよ…

なんだろう、勝利を欲望に変えただけでなんだか卑猥な文に見えてきた

233 :マロン名無しさん :2007/09/22(土) 23:45:33 ID:???
ここで流れを読まずに、小次郎敗北は予想通りだと言ってみる。
だって、小次郎と十兵衛、両方と戦うとは思えなかったし、
十兵衛が対戦相手で、小次郎が出場していると伝えた時点でこんな役割かな、と。


ただ、やられるなら噂の沖田が相手だと思ってたんだけどね。
ここまで煽っといて、姿を全く出さないって事は、
もしかすると既存のキャラだったりするんだろうか。

234 :マロン名無しさん :2007/09/23(日) 00:03:07 ID:???
そうかな?
今回の御前試合編は
諸刃、母、十兵衛、剣十郎……と刃にとって親しい人物、切って切れない人物との戦い(実戦闘に限らず、主義主張の戦いも含めて)
を乗り越えて、刃に侍としての確固たる精神を誕生させるのが話の流れだと思うんで
一緒に戦った仲間を倒して成長していくのはアリだと思っていた。
仲間になった順番も小次郎が先で十兵衛が後だから、より親しい小次郎を後にもってくるのは自然だし

235 :マロン名無しさん :2007/09/23(日) 00:12:23 ID:???
>>232
伸び縮みする物干し竿ってチ○コかw

236 :マロン名無しさん :2007/09/23(日) 00:57:12 ID:???
女遊びを控え、一心不乱に鍛錬を積み重ね、
その剣は修羅のごとく研ぎ澄まされた

(´・ω・`)

237 :マロン名無しさん :2007/09/23(日) 00:59:06 ID:???
女遊びを控えたのが敗因じゃねーの?
横島だってシリアスになったら途端に霊力落ちたじゃん。
絶体絶命の時は煩悩全開で戦わないと小次郎もダメなんだよ。

238 :マロン名無しさん :2007/09/23(日) 03:57:54 ID:???
刃は何故イナヅマきりを使わないのだろう?

239 :マロン名無しさん :2007/09/23(日) 04:20:49 ID:???
爽やかに去ってく十兵衛だけど
実は死ぬほど悔しがってるんだってところがなんか良かった
そういやこれって兄弟弟子対決だったんだな

240 :マロン名無しさん :2007/09/23(日) 11:06:17 ID:???
何このスレの伸び具合w小次郎大人気じゃないかw
魔剣や玉といった非現実要素を廃した故の敗北ならばあきらめもつくか。

その一方で刃VS十兵衛のガチの剣術対決もよかった。
流石人気投票では実質男性キャラ2位の男、鮮やかな幕引きだったぜ。
謎の秘剣に敗れたってだけで剣術の腕自体はまだ刃に勝ってそうなのが良い。


241 :マロン名無しさん :2007/09/23(日) 12:59:48 ID:???
>>237
むしろ小次郎はガチでやれば結構強いんだけど
シリアスな戦闘中に「ところで、日本一の美女とお知り合いになりたくないかい?」
とか吹き込まれて隙だらけになったところをやられるイメージの方がぴったりくる。
某シバラク先生のように。

242 :マロン名無しさん :2007/09/23(日) 20:43:40 ID:???
武蔵戦 じらし作戦にかかって敗北。
十兵衛戦 乗せられて刀伸ばしすぎて敗北。
大和撫子戦 竹刀が伸びないのを忘れて敗北。

結論: 小次郎はアホなのですぐ自爆する

きっと今回もそうだったんだよ…

243 :週刊少年サンデー 1993年 43号 :2007/09/23(日) 21:02:23 ID:???
第248話 天与の才 の巻 1/3

「OH〜〜 ミスター小次郎が…」 「ま、負けた…」
「たかが十億円、土地の二、三個売っぱらえば済むことだ…」
「グハハハ!! どーだ、ワシの言ったとーりじゃ!!」

侍たちが熾烈な戦いを繰り広げている頃、
ヨロイ島の奥では、世界中から集まった富豪たちが観戦に興じていた。
ギャンブルは白熱し、人々は大金の行方にざわめく。
薄暗い洞窟とは正反対のその華やかな会場を、
胴元である葉巻の男は、ほくそ笑みながら見下ろしていた。

準決勝に臨む刃たちは、次なる試合場である竹林の中を歩いていた。
長い下草をかき分けて進むうち、刃は誰かの足に蹴つまずいてしまう。
その足の主こそが、準決勝の対戦相手だった。

「かんにん かんにん…
 あんたを寝っころがって待っとったら、熟睡してもうたわ…」

大きなあくびをして、まだ年若い少年が身を起こす。
シャツにズボンにスニーカーという出で立ちだが、上には古風な羽織を着ている。
少年は刃を見ると、よく似た格好の男を島の入り口で見かけたと言った。
おそらくその男とは剣十郎のことだろう。
ひょうひょうとした調子の少年は、刃から構えるようにせかされると、
鞘に収まったままの刀をおもむろに肩に担いだ。
およそ戦う気があるとは思えない姿だが、これが彼の構えだという。

「ガキ相手やと気い進まへんけど… いっちょもんでやろか!!」

244 :週刊少年サンデー 1993年 43号 :2007/09/23(日) 21:05:23 ID:???
第248話 天与の才 の巻 2/3

余裕たっぷりの対戦相手に、刃は気合いを込めて斬りかかった。
目にも留まらぬ速さで背後に回り、木刀を繰り出す。
しかし少年はほとんど身動きもせずに、ツカでその一撃を受け止めてみせた。
はね返された刃は、再び少年のそばを高速で跳び始める。
一見刃が少年に手出しをしていないように見えたが、実際はその逆だった。
刃は幾度も剣を繰り出しているのに、少年がそれを
流れに逆らわないごく自然な動きでかわしてしまっているのだ。
しかもかわすと同時に、いとも簡単に打ち込んでいる。
まるで使い慣れたおもちゃを扱うように――。
二人のこの優劣は、決して基本的な能力の差から生まれているのではなかった。

「才能じゃ… 奴は剣の才能だけで、戦っておる…
 あれほどまでの恐ろしい才能、この宮本武蔵、今まで見たことが…」

そう口に出しかけたムサシは、幕末に見た一人の剣士のことを思い出す。
動乱の時代に維新志士たちを震え上がらせた新選組、
その一番隊組長―― 沖田 総司だ。
ムサシが沖田の名を出すと、少年は途端に驚いた様子を見せた。

「なんや、急に人の名前呼びよって!」

そう、少年の名は総司―― 六代目・沖田総司であった。
沖田が着ている、背に 『誠』の字が入った羽織は、
彼の祖父が無理に持たせた新選組・初代のもの。
実は沖田は剣術にはちっとも興味がなく、家が道場だからと仕方なく続けていた。
優勝したらやめてもいいと祖父から言われ、そこでこの大会に出場したのだ。
それほどの才能があって楽しくないのかと驚くムサシに、沖田は答える。

「こんなもん、おもろないわ… そやかてみんな弱いんやもん…」

245 :週刊少年サンデー 1993年 43号 :2007/09/23(日) 21:06:49 ID:???
第248話 天与の才 の巻 3/3

天下一の侍なんてまっぴらごめん、
侍では食っていけないし、やりたいことは他にもある。
そうあっけらかんと語る沖田に刃はカチンと来た。
侍の本当の凄さを教えてやると言って刃は斬りかかったが、
先程と同様、沖田に軽くあしらわれてしまうだけだった。

そこで刃は、未完成のある技に勝負をかけることにした。
居合いの構えから放たれるのは、かつて鬼丸の使った横一文字。
さしもの沖田も驚愕の表情を見せるが、横一文字は敵の目前で消えてしまった。
残念ながら練習不足。情けない弟子の姿にムサシはこけた。
一方の沖田は刃の横一文字に感心し、見よう見まねで同じ構えをしてみせた。
彼が気を集中させて鞘ごと刀を振るうと、なんと猛烈な真空が刃を襲ったではないか。
沖田の横一文字は刃の頬をかすめ、その背後の竹林をごっそりと斬り倒した。

「すげー、見たか今の!!」

無邪気に喜ぶ沖田を前に、刃は呆気に取られるよりほかになかった。
ムサシもまたその光景を見て息を飲む。

(こ、これがもって生まれた天性の才能か!?)

沖田は刃にそろそろ降参したらどうかとうながした。
刃が言下に拒絶すると、沖田はおもむろに刀の鞘に手をかけた。

「ほんならぼちぼち… この名刀・菊一文字の世話になろか……
 さあ、降参するなら今のうちやで!!」

246 :マロン名無しさん :2007/09/23(日) 21:18:44 ID:???
>「OH〜〜 ミスター小次郎が…」 「ま、負けた…」
>「たかが十億円、土地の二、三個売っぱらえば済むことだ…」
>「グハハハ!! どーだ、ワシの言ったとーりじゃ!!」

ミスター小次郎もちょっとは期待されてたんですね!

てか、沖田ありえないだろ。いきなり横一文字か。
六代目のくせに初代より全然強いじゃないか。

247 :マロン名無しさん :2007/09/23(日) 21:36:13 ID:???
沖田はやっぱ子孫だったか
てか、めちゃくちゃ強いな
才能だけで刃を圧倒するのか

248 :マロン名無しさん :2007/09/23(日) 21:38:22 ID:???
はて? 沖田は男は知っていても女は知らないまま死んだはずだが?

249 :マロン名無しさん :2007/09/23(日) 21:45:48 ID:???
>>248
武蔵が生き続けてる漫画になにを言ってるんだ

250 :マロン名無しさん :2007/09/23(日) 21:52:42 ID:???
OH〜!\(^o^)/ミスター小次郎が

251 :マロン名無しさん :2007/09/23(日) 23:18:35 ID:???
沖田強すぎワロタw
ここまで簡単にコピーするとは


戦う順番が違っていたら燕返し、ナイアガラクラッシャー、無限の位とか取得してて即あぼんだったろう
カミナリ斬りや風車も簡単にコピーしてサファイアもビックリだ!
自動ラーニング機能搭載で刃を苦しめるが(・∀・)イイ!

252 :マロン名無しさん :2007/09/23(日) 23:41:43 ID:???
ギャンブルらしく青山の好きなバニーちゃんがモブにいるね

253 :マロン名無しさん :2007/09/24(月) 02:17:10 ID:???
たしかにこんだけ強けりゃ相手がいなくて退屈なのも納得w
まさしく才能の無駄使い

254 :マロン名無しさん :2007/09/24(月) 09:32:20 ID:???
>>253
この才能が金を稼げるスポーツならそのまんまでいられたかもな。

255 :マロン名無しさん :2007/09/24(月) 10:22:48 ID:???
要人のSPでもやりゃいいじゃない、と思ったけど剣の腕だけ良くてもダメだわな。

256 :マロン名無しさん :2007/09/24(月) 12:22:43 ID:???
本人のやりたいことと才能が一致してないって地味に悲惨だよな。
しかもその才能が圧倒的であればあるほどに。

257 :マロン名無しさん :2007/09/24(月) 22:53:55 ID:???
横一文字にまた出番があるとは思わなかった

258 :マロン名無しさん :2007/09/25(火) 15:57:00 ID:???
もうここは幻の剣しかない

259 :マロン名無しさん :2007/09/25(火) 18:23:18 ID:???
私服+新撰組の羽織と日本刀という沖田の
いでたちはお手軽な奇抜さと存在感があっていいな。
コイツ主人公で一作漫画作れそうだ。

260 :週刊少年サンデー 1993年 44号 :2007/09/25(火) 22:27:47 ID:???
第249話 戦いの申し子 の巻 1/3

天性の才により刃を圧倒する沖田が、ついに刀の鞘を払う。
刃は試合場の竹林に目をつけ、
竹のしなりを利用して高速で沖田に飛びかかったが、
それも簡単にかわされてしまった。
底の見えない沖田の才に、見ているムサシもうなるほかない。

「さすが六代目 沖田総司!!
 奴こそ、まことの剣の… 天才じゃ!!」

刀のツカで相手を軽くあしらった沖田は、
なおも立ち向かってくる刃にため息混じりに言った。

「なー、もうやめよーや…
 こんな所で命落としたら、シャレにならんで…」

しかし刃は聞き入れず、そちらからも攻撃してみろと沖田に挑みかかった。
沖田は渋々といった感じで剣を構え、刃に向かって突きを繰り出す。
その突きはなんと一太刀にして、刃の体にいくつも傷をうがった。
あれは初代・沖田の 『三段突き』だとムサシが驚く。
三段突きとは、一瞬にして相手の眉間・喉・胸を突く恐るべき早業。
そのあまりの速さゆえ、はたからは一発の突きにしか見えない。
しかも今沖田がやってみせた技は、初代の三段に加え、
相手の両肩をも突いている。いわば 『五段突き』だ。
ともすれば沖田の才は、新選組の初代をも超えているかもしれない。

261 :マロン名無しさん :2007/09/25(火) 22:29:04 ID:???
天才すぎる奴が主人公だとあまり面白くならないような気がするけどなあ。
どんな敵が出てきてもはいはいワロスで終了しちまうし。

262 :週刊少年サンデー 1993年 44号 :2007/09/25(火) 22:29:45 ID:???
第249話 戦いの申し子 の巻 2/3

寸止めするつもりだったのにお前が動くから、と慌てる沖田に、
刃は今の技をもう一度出せと迫った。
剣幕に押されて沖田が繰り出した突きを、刃はなすすべなく浴びる。
しかし回を重ねるごとに、刃はその五段突きを防ぎ始めた。
沖田が剣の天才ならば、刃は戦えば戦うほどに強くなる戦いの申し子。
戦いの中で相手の強さを吸収し、ついにはそれを上回ることができるのだ。
とは言え、沖田はまだ手を抜いている。
本気を出されれば刃に勝ち目はないだろう。

(おもろい、おもろいやないか!!
 なんや知らんが、わくわくしてきよったで!!
 こんなん剣術やってて初めてや!!)

とうとう五段突きを防ぎきった刃を見て、沖田の顔に笑みが浮かぶ。
彼はここまでやった刃に、とっておきの技を見せてやると言い、刀を逆手に握った。
助走で勢いをつけた沖田は、後方へ思い切り振り上げた刀を、
下からすくい上げるようにして振り抜いた。
刀の先端が地面をえぐり、そしてすさまじい爆風と共に刃を襲う。
技をまともにくらった刃は、胸から肩へを斜めに斬り裂かれ、
そのまま吹き飛んで地べたに倒れた。
傷口からは大量の血があふれ、地面と下草を濡らす。
刃の目は焦点を失い、もはや身動き一つかなわないかに思われた。

263 :週刊少年サンデー 1993年 44号 :2007/09/25(火) 22:33:41 ID:???
第249話 戦いの申し子 の巻 3/3

しかし、冷たい機械音声が刃の敗北を告げようとしたとき、
沖田がその言葉を遮った。
先程までの軽さが消えた顔で、沖田は前方に刃を見据える。
血を流し、ボロボロになりながらも、立ち上がって剣を構えるその姿を。
たいした奴だと沖田は言った。

「でも、そのへんでやめんと、ほんまに命を…」

そのとき沖田は、突然背後に刀の気配を感じ、
驚いた顔で防御の手を振り上げた。
だが、そこには斬りかかる者など誰もいない。
沖田は驚きと戸惑いの色を浮かべて刃の方を見た。

(ま、まさか… こいつが…)

264 :マロン名無しさん :2007/09/25(火) 22:51:21 ID:???
>>261
あーいや、単にキャラデザが主役やれそうな程度に
格好良くて特徴があるなって思っただけだから。

それにしてもこの手の超インフレキャラを描くのって
作者としては結構楽しいだろうなあ。
それまで主人公と共にあくせく築いてきたものを一気にぶっ壊すんだから。

265 :マロン名無しさん :2007/09/26(水) 10:52:40 ID:???
あの木刀は折れたりしないのかな
五回も真剣(しかも名刀)の攻撃止めるとか刃スゴス

しかしくどいようだが
沖田は強すぎる…これだけ戦ってまだ無傷かよ

266 :マロン名無しさん :2007/09/26(水) 20:15:03 ID:???
沖田の逆手技を見てたら
キャプテン翼が頭をよぎった

267 :マロン名無しさん :2007/09/26(水) 22:19:53 ID:???
また「背後に刀の気配」か。
十兵衛もそんなこと言ってたし、これは新技なんじゃないか?

268 :週刊少年サンデー 1993年 45号 :2007/09/27(木) 21:01:50 ID:???
第250話 幻の太刀 の巻 1/3

見えざる太刀の気配に戸惑う沖田。
その沖田の背後から、今度は剣の気配が三つ同時に襲いかかった。
思わず刀を振って防ごうとするが、気配は霞のように消えてしまう。
得体の知れない攻撃にさらされ、沖田の表情が変わった。
いち早く勝負を決しようと、彼は刃めがけて逆手に剣を振り上げる。

地面から噴き上がる爆風。刃の胸を斬り裂く一撃。
祖父との練習中に偶然できたというその技は、
かわす隙すら与えずに刃を吹き飛ばした。
刃は地面に倒れて血を流し、その体はがくがくと痙攣する。
沖田は早く手当てをしてやれと、さやかに向かって叫んだ。
しかし、駆け寄ろうとしたさやかが驚きの表情を浮かべて立ち尽くす。
刃はまたも立ち上がっていた。深手を負い、大量の血を流しながら。
その鬼気迫る姿を見て、ムサシはうめくように言った。

「ち、ちがうのじゃ…
 剣術をやめたくて、嫌々この大会に出ておるおぬしと、
 天下一の侍を目指し、父の潔白を晴らそうとしておる刃とでは、
 背負っている物がちがうのじゃ!!!」

刃は木刀を構え、力を振りしぼって沖田に飛びかかった。
動きの取れない空中であの技をくらえば、今度こそ命が危うい。
しかし、沖田が逆手の刀を振り抜こうとしたそのとき、
またしてもあの不可視の気配が彼を襲った。
今度は二つ三つどころではない。無数の剣の気配が沖田を取り囲む。
狼狽して刀を振り回す沖田に、刃の木刀が迫った。
攻撃をツカで防ぎ、相手を弾き飛ばした沖田だが、
その表情は先程までの余裕のあるものではない。

269 :週刊少年サンデー 1993年 45号 :2007/09/27(木) 21:03:24 ID:???
第250話 幻の太刀 の巻 2/3

(なんなんや!?
 回を重ねるごとに、剣の気配が増えていきよる…
 こいつはいったい… なんなんや!?)

なおも斬りかかろうとする刃に、沖田は待ったをかけた。
そしてあっさりとした調子で口にする。

「負けや負けや、オレの負けや!!」

なんと沖田は自分の敗北を認めてしまった。
彼はどこかで見ているのだろう審判にも声をかけ、
試合の勝敗を確定させる。

『ナンバー0444ノ 試合放棄ニヨリ… ナンバー8188ノ 勝利ヲ認メル…』

このまま戦い続ければ、あの幻のような太刀に
今度こそやられてしまうだろうと沖田は言った。
刃はいったい何のことか分からず首をひねる。
そこへムサシが口を挟んだ。十兵衛や沖田が感じたのは 『闘刃』だろうと。
闘刃(とうじん)とは、剣の道を極めた者が極限状態で発する、幻の刃だという。
闘争本能の生み出した幻ゆえ、実体はなく気配だけが相手を襲う。
そのため、見るより先に気配を察する達人ほど、
闘刃に惑わされて本物の太刀を見失ってしまうのだ。

270 :週刊少年サンデー 1993年 45号 :2007/09/27(木) 21:06:11 ID:???
第250話 幻の太刀 の巻 3/3

「ほな、決勝戦がんばりやー!!」

沖田の声を背に、刃たちはリフトに乗って決勝の舞台へと向かった。
初めて出会ったわくわくする相手を見送り、沖田は満足げに笑う。

「剣術も… 捨てたもんやあらへんな…」

リフトによって上階に着いた刃らは、予想外の大歓声に取り巻かれた。
そこは豪華で広大な、地下スタジアムの真ん中。
賭けに出資している世界各国の富豪たちが、刃を見て歓声を上げる。
小さな少年が一番人気の沖田を破ったとあって、注目もひとしおだ。

そして競技場の中には、一つの堂が丸々しつらえられていた。
中には屏風(びょうぶ)と南蛮甲冑が置かれている。
『織田信長御前試合』――。
その決勝の舞台は、信長が最期を迎えた本能寺というわけだ。
派手な演出に刃たちが驚いていると、一人の男が刃に声をかけた。

「フフフ… まさか決勝の相手が、おまえとはな…」

剣道着にハカマ。肩に担いだ酒どっくり。そして刃とそっくりのツンツン頭。
そこにいたのは、刃の父 ・ 鉄 剣十郎その人であった。
刃は父親の顔を見て喜びの声を上げる。

「決勝の相手は、おやじか――!!」

271 :マロン名無しさん :2007/09/27(木) 21:43:35 ID:???
おやじキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!

・・・って驚くほどのもんでもないけど一応

272 :マロン名無しさん :2007/09/27(木) 22:30:24 ID:???
まあ予想道理ですな

273 :マロン名無しさん :2007/09/27(木) 22:47:57 ID:???
謎の秘剣の正体はいわば相手が錯覚して勝手に自滅する技なのか。
なんか肩透かしだなー。これが剣士としての成長に関係すんのか?

274 :マロン名無しさん :2007/09/27(木) 23:37:30 ID:???
沖田はどう見てもいい人です
本当にありがとうございました

漫画のパターン的に決勝の親父はあの沖田より強いんだろうな・・・
どう見ても人間じゃありません 本当にありが(ry

275 :マロン名無しさん :2007/09/27(木) 23:40:25 ID:???
>>273
次の段階では闘刃が実体化するようになります

276 :マロン名無しさん :2007/09/28(金) 00:02:19 ID:???
剣十郎はキャラ的に沖田と結構かぶってる感じがするな
ひょうひょうとした戦い方しそう

277 :マロン名無しさん :2007/09/28(金) 01:56:41 ID:???
ついに剣十郎のお出ましか!
どんな戦いか楽しみだ。

闘刃は・・・まさか、このままじゃ終わらない・・・よな?

278 :マロン名無しさん :2007/09/28(金) 05:40:50 ID:???
新技ショボいww

種が割れてりゃシカトするだけで無効化出来るな。

279 :マロン名無しさん :2007/09/28(金) 10:55:12 ID:???
>>278
そして本当の攻撃までうっかり無視w

280 :マロン名無しさん :2007/09/28(金) 13:08:08 ID:???
>>278
確かに正体はしょぼかったけど
達人ほど惑わされてうんたらかんたらってのはちょっと納得。
まさに>>279な状態だわな

281 :マロン名無しさん :2007/09/28(金) 17:22:16 ID:???
消化不良もいいとこだろ・・・

282 :マロン名無しさん :2007/09/28(金) 17:27:46 ID:???
親父は地味に小次郎以上の達人になったわけだが
こういう後付けで作品が終わるのは悲しい

283 :マロン名無しさん :2007/09/28(金) 18:28:55 ID:???
沖田は剣術をやめる理由がほぼ消滅したから棄権したわけか

でも試合は最後までやってほしかったな
できれば沖田を一回戦の侍並にフルボッコにして欲しかった

284 :マロン名無しさん :2007/09/28(金) 19:37:39 ID:???
でも、闘刃あっても沖田に勝てるかどうかは微妙みたいだけど

285 :マロン名無しさん :2007/09/28(金) 20:25:15 ID:???
親父が前に出てきたときは
カマキリ男とかと戦ってたんだよなぁ

286 :マロン名無しさん :2007/09/28(金) 20:28:18 ID:???
八鬼じゃ一番目立たずに終わっちまったな>カマキリ
人気投票した号のプロフィールに「カマキリ拳法の使い手」なんて
書いてあった時はいつ使ったよ!?とツッコまずにはいられんかったぞ

287 :マロン名無しさん :2007/09/29(土) 00:19:16 ID:???
カマキリなんていたっけ?って真剣に考えてしまった…

288 :マロン名無しさん :2007/09/29(土) 01:35:04 ID:???
そういやカエルとかナマコはどうなったんだろう。
出てこないよな?

289 :マロン名無しさん :2007/09/29(土) 11:23:14 ID:???
闘刃ってようするにフェイントでしょ
うーん決勝では本当にあたるようになるのかな

290 :マロン名無しさん :2007/09/29(土) 20:32:41 ID:???
さあ、いよいよ…決勝戦です!

291 :週刊少年サンデー 1993年 46号 :2007/09/29(土) 20:55:32 ID:???
第251話 父との再会 の巻 1/3

御前試合の決勝という場で、刃と剣十郎はついに再会を果たした。
刃はさっそく剣十郎に、例の濡れ衣のことを話そうとしたが、
それより早く諸羽が割って入った。

「この人殺し!! とうとう見つけたわ!!」

父のかたきへ向けられる諸羽の怒りに、剣十郎は驚いた顔をした。
しかし、諸羽が刃のことをお兄ちゃんと呼び、
更に刃が 『剣十郎』の名の入った木刀を持っているのを見ると、
彼の表情は変わった。

「刃… その話、誰から聞いた…?」

刃が、諸羽の母に会い、事の次第を聞かされたのだと言うと、
剣十郎はただ静かに笑った。

「フッ… その女が… そう言うのなら…
 そういうことだ…」

(お、おやじ…!?)

292 :週刊少年サンデー 1993年 46号 :2007/09/29(土) 20:58:09 ID:???
第251話 父との再会 の巻 2/3

愕然とする刃に、剣十郎は更に意外な事実を告げた。
実は剣十郎は選手の付き添いであり、決勝の相手は別にいるという。
刃の視線を受けて、離れたところにいた陣笠の男が腰を上げた。
その背格好を見て、刃、ムサシ、そしてさやかは気がついた。
決勝の相手が自分たちのよく知る男であることを。

「久し振りだな… 鉄 刃…」

陣笠を脱いで現れた顔は―― 鬼丸 猛。
イギリスに留学したはずの鬼丸は、実は日本にとどまっていた。
そして剣十郎を捜し当て、彼のもとで剣の腕を磨いていたのだ。
死んでも刃を倒したという鬼丸の熱意を買い、
剣十郎は自分の剣のすべてを鬼丸に教えたという。
その修行の総仕上げとして選んだのが織田信長御前試合だった。
それがこの形の決勝となり、手間が省けたと剣十郎は語る。

「刃よ…
 真実を知りたければ、そして、オレを超えたければ…
 その男を倒すんだな!!」

―― 最後の戦いがいよいよ始まろうとしていた。
さやかたちは観客席に退き、鬼丸と刃は本能寺に足を踏み入れる。
観客の下馬評は、一番人気の沖田を倒したこともあって、刃優勢だ。
鬼丸の方は今までの試合を見る限り、大して強くはないという。
しかし鬼丸のその戦いの裏には、隠されたハンデがあった。
彼はなんと、人間十人分もの重りをつけて戦っていたのだ。
強すぎる力を抑えてきたその重りを、
鬼丸は刃との戦いを前にして次々と外していく。

293 :週刊少年サンデー 1993年 46号 :2007/09/29(土) 20:59:40 ID:???
第251話 父との再会 の巻 3/3

「両者、構エテ!!」

上下墨色の剣道着を着た鬼丸が、本能寺の中で刃と向かい合う。
刃が構える剣を見て、奇遇だなと鬼丸は笑った。
鬼丸が取り出した武器もまた、刃と同じ木刀であった。
画面を通じて戦いを眺める剣十郎は、
武器に頼れば心に隙ができると言い、とっくりの酒をあおった。

「達人は得物を選ばん…」

本能寺の扉が閉まると、鎧兜を着た男たちが建物の周りを取り囲んだ。
そして燃えさかる矢を次々と放ち、本能寺に火をつける。
炎はすぐに広がり、堂全体を飲み込んでいった。

「なるほど… 勝ってここから脱出せねば、
 優勝できんということか…」

「らしいな…」

信長の最期を見取ったのと同じその光景の中で、
御前試合決勝の戦いがついに幕を開けた。

294 :マロン名無しさん :2007/09/29(土) 21:38:45 ID:???
鬼丸キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!
正直ここで登場するとは思わんかった・・・さすがもう一人の主人公

刃の敵はやはり鬼丸じゃないとね!

295 :マロン名無しさん :2007/09/29(土) 21:48:29 ID:???
鬼丸きたか!!
個人的には剣十郎の戦いも見たかったが、これはいい展開。
本当のラストバトルという感じだな!

296 :マロン名無しさん :2007/09/29(土) 21:49:13 ID:???
やられた
親父と戦うという展開に何の疑問も持ってなかった

297 :マロン名無しさん :2007/09/29(土) 22:24:59 ID:???
>>269
>『ナンバー0444ノ 試合放棄ニヨリ… ナンバー8188ノ 勝利ヲ認メル…』

先週のこれを見て、
刃のナンバーは「818(ヤイバ)」って語呂合わせで
沖田は「444」=全部4=総4(総司)って事かと気付いたんだが、
ここで改めて小次郎がやられた回を見てみると、

>>207
>『ナンバー0203ノ勝利ヲ認メル……… 準決勝ヘ進ムガヨイ』

0203・・・・オニ丸サン!?

298 :マロン名無しさん :2007/09/29(土) 22:39:29 ID:???
× 死んでも刃を倒したという鬼丸の熱意
○ 死んでも刃を倒したいという鬼丸の熱意


299 :マロン名無しさん :2007/09/29(土) 22:40:49 ID:???
人間十人分もの重りをつけて戦っていた鬼丸に敗れた小次郎…

300 :マロン名無しさん :2007/09/29(土) 22:47:30 ID:???
>>299
シッ!体重が10倍以上の鬼丸のが強いとか言ってはいけません

小次郎の扱いは鳥兜以下な希ガ(ry

301 :マロン名無しさん :2007/09/29(土) 22:54:02 ID:???
今までの試合を見ると強くない=けっこう苦戦した
つまり小次郎は鬼丸といい勝負だったんだよ

重りをつけた鬼丸と

302 :マロン名無しさん :2007/09/29(土) 22:59:27 ID:???


小次郎もまた、人間10人分の重りをつけて戦っていたと何故考えない!!

303 :マロン名無しさん :2007/09/29(土) 23:07:52 ID:anEf1WHl
かぐや
ttp://www.asahi.com/science/update/0929/TKY200709290227.html

304 :マロン名無しさん :2007/09/29(土) 23:37:24 ID:???
女遊びを控え、一心不乱に鍛錬を積み重ね、その剣は修羅のごとく研ぎ澄まされた

(´・ω・`)

(´・ω 。 .・゚・・゚.・

(´。 ゚.゚・・゚.・.・

 .    ゚  ・

305 :マロン名無しさん :2007/09/30(日) 00:05:55 ID:???
小次郎アワレとしか言いようがない

306 :マロン名無しさん :2007/09/30(日) 00:06:24 ID:???
多分来週フォローがあるよ、きっと。
「流石は鉄刃、この大会で本気を出せる相手は準決勝の男と貴様ぐらいだ」的なセリフを鬼丸が言ってくれるさ。
そうでなければ小次郎があまりにも可哀想だ。

307 :マロン名無しさん :2007/09/30(日) 00:13:58 ID:???
いやはや、もう決勝か。この試合終わったら次はあるんだろうか…

308 :マロン名無しさん :2007/09/30(日) 00:19:36 ID:???
そういえば鬼丸って記憶無いんだっけ?
クモ男とのやり取りはもう見れないのか

309 :マロン名無しさん :2007/09/30(日) 00:26:23 ID:???
>>306
タケちゃんの準決勝の相手はハンゾー

310 :マロン名無しさん :2007/09/30(日) 01:05:05 ID:???
初見で伸びる燕返しをよけるのは不可能だと思うんだけどなw
「お〜、鬼丸ではないか
 おぬしもこの大会に…」
「知らぬわ」
グシャ……という流れかもしれん

311 :マロン名無しさん :2007/09/30(日) 01:31:40 ID:???
 そ れ だ 

312 :マロン名無しさん :2007/09/30(日) 02:00:19 ID:???
やっぱり小次郎はそうでなきゃな

313 :マロン名無しさん :2007/09/30(日) 03:11:42 ID:???
鬼丸逮捕されてなかったんだな

314 :マロン名無しさん :2007/09/30(日) 04:20:09 ID:???
精神病か何かで無罪判決が下ったんだろうな
弁護士GJ

315 :マロン名無しさん :2007/09/30(日) 06:41:42 ID:???
ああ見えてまだ中坊だしな

316 :マロン名無しさん :2007/09/30(日) 11:26:22 ID:???
>>297
すごいな・・・全然気付かなかったわ・・・
既に伏線があったのか

317 :マロン名無しさん :2007/09/30(日) 15:10:14 ID:???
剣十郎の微妙な反応は何なんだろう
誰かをかばってるとか?

318 :マロン名無しさん :2007/09/30(日) 20:31:48 ID:???
鬼じゃなくなっても鬼丸は強いのか。
初登場の頃はただの剣道の上手い中学生だったと思ったが
鬼でいた間の修行で普通に強くなってたって事?

319 :マロン名無しさん :2007/09/30(日) 23:24:21 ID:???
肉体は鬼のままとか

320 :マロン名無しさん :2007/10/01(月) 01:11:02 ID:???
「体が勝手に反応する!?」

321 :マロン名無しさん :2007/10/01(月) 16:01:08 ID:???
「フッ… その女が…そう言うのなら…そういうことだ…」

はたして、『剣十郎』の名入り木刀は誰のもの?

322 :マロン名無しさん :2007/10/01(月) 22:47:22 ID:???
>319
角がなくなっただけだし…

323 :マロン名無しさん :2007/10/02(火) 19:18:26 ID:???
確かに角がはえたのと超能力を抜かせば
普通の人間の範疇だったな
変身やら巨大化やらしたわけでもないし

324 :マロン名無しさん :2007/10/02(火) 20:55:17 ID:???
そうだな
ただ星を潰せる魔剣を持ってただけでなく根が努力家なのかもね
風神剣に飲み込まれた時の素振りや竜巻斬り横一文字魔王満月剣等の魔剣の開発

そして今回の修行と意外なほど努力してる

325 :週刊少年サンデー 1993年 47号 :2007/10/02(火) 21:00:13 ID:???
第252話 最強の師 の巻 1/3

試合場の本能寺に火が放たれ、二人の周囲を炎が囲む。
木刀を構えて刃と向き合いながら鬼丸は言った。

「不思議だ…
 きさまとは剣を二、三度交えただけなのに…
 もう長い間戦ってきた気がする…」

刃は言葉には出さずに思った。
風雷の因縁に始まり、自分たちは幾度となく戦ってきたのだと。
しかし鬼だった頃の記憶は、今の鬼丸には残っていない。

(忘れちまったんなら、思い出させてやら――!
 あの燃えるような戦いをよお!!!)

二人は勢いよく飛び出し、互いの木刀で打ち合う。
鬼丸にケガの影響を指摘される刃だが、
ひとまず距離を取ると、沖田戦でも見せた横一文字を放った。
あのときは失敗に終わったが、今度は完璧な一撃だ。
しかし鬼丸はその不可視の太刀をとっさの動きでかわしてみせた。
初めて見ると言いながらも、体は自分の技を覚えているようだ。
刃は続けざまに横一文字を放ったが、
ことごとく相手にかわされ、最初の一撃以外はかすりもしない。
逆に間合いに踏み込まれ、鬼丸に剣を打ち込まれてしまった。
その剣筋は、打ち込むと見せかけて止まり、
消えたかと思うと現れる、とらえどころのないものだった。

(こ、こいつ… おやじの剣にそっくりだ!!)

326 :週刊少年サンデー 1993年 47号 :2007/10/02(火) 21:02:47 ID:???
第252話 最強の師 の巻 2/3

とっくり片手に試合の映像を見ている剣十郎に向かって、
諸羽は、負けるのを恐れ他人に戦わせるなど卑怯だと言った。
しかし剣十郎はその言葉を否定する。
鬼丸に自分のすべてを教えた以上、鬼丸が敗れることがあれば、
それは自分の剣の敗北でもあると。

鬼丸がその師―― 剣十郎を捜し当てた場所は、とある森の奥だった。
のんびりと釣り糸をたれる剣十郎に対し、
鬼丸は刃に勝つため、おまえの剣を教えろと乱暴に迫った。
最初はあくびまじりにあしらっていた剣十郎だが、
自分に欠けているものを知りたいと必死に求める鬼丸を見て態度を変えた。
弟子を取る気はないが「ぬすむ」のは勝手だと剣十郎は言う。
近付いてきたウサギをひょいと抱きかかえる剣十郎を見て、
鬼丸は自分もと手を伸ばしたが、
ウサギは鬼丸の視線におびえて逃げていってしまった。

『ハハハ… まずは、そのみなぎる殺気を消すことだ…
 憎しみからは、なにも生まれん!!』

327 :週刊少年サンデー 1993年 47号 :2007/10/02(火) 21:04:59 ID:???
第252話 最強の師 の巻 3/3

その日以来、鬼丸は剣十郎と同じ環境で生活し、その行動を真似つづけた。
釣り糸をたれ、月下に眠り、ハヤブサと憩う――。
そんな日々の中で鬼丸は見つけた。自分が欠いていたものを。
木刀で刃を弾き飛ばした鬼丸は、刃の取り落とした剣を拾い、
あっさりと相手に投げ渡した。

「おまえに対する憎しみはもう… うせた…
 今のオレにあるのは… おまえと戦い、おまえに勝ち、
 剣の頂点を極めたいという気持ちだけだ…
 おまえはこの世でただ一人… オレが認めた男だからな…」

目の前に立つ鬼丸を見上げ、刃はその威圧感に息を飲む。
そこにいる男は以前の鬼丸とは違う。
ギラギラとした殺気は失せ、代わりに静かな凄みが満ちていた。
強い。刃が知る鬼丸よりも、ずっと。
そのことを悟った刃は、鬼丸を倒しうる最後の手段として、
十兵衛や沖田を倒したあの闘刃を思い出した。
これしかないと必死に闘志を高めるが、闘刃は一つも現れない。

「でねぇじゃねーかよ!! 闘刃がよ――!!」

刃の叫びを聞いて鬼丸はふと笑みを浮かべた。

「闘刃…?
 フフフ… それは…  これのことか…」

鬼丸が事もなげに言うと、なんと彼の体から無数の闘刃が発せられた。

328 :マロン名無しさん :2007/10/02(火) 21:35:11 ID:???
なんという実力差・・・

329 :マロン名無しさん :2007/10/02(火) 21:53:29 ID:???
タケちゃん強すぎ

330 :マロン名無しさん :2007/10/02(火) 22:44:52 ID:???
・鬼丸も闘刃を使えた
・闘刃は達人であればあるほど惑わされる

つまり小次郎は闘刃にやられたんだよ!!

331 :マロン名無しさん :2007/10/02(火) 23:24:10 ID:???
今の鬼丸は覇王剣があっても勝てんわ

332 :マロン名無しさん :2007/10/02(火) 23:51:55 ID:???
>>330
な、何だってー!?


次回は二人とも闘刃全開で斬り合って、闘刃が多すぎてコマに二人の姿が見えない展開に総資産の半分

333 :マロン名無しさん :2007/10/03(水) 00:55:46 ID:???
>>330
たぶんそうだな

334 :マロン名無しさん :2007/10/03(水) 07:44:18 ID:???
センターカラーキターーーーーッ!!
鬼丸をここまで悟らせてしまった点を見るに、何か今回が
最後のカラー回、ひいては「YAIBA」最後の戦いになって
しまいそうで怖いわ。まだまだ続くよねこの漫画!?

剣十郎に抱きかかえられた兎はこの後食われたんだろうなあ…

335 :マロン名無しさん :2007/10/03(水) 23:52:55 ID:???
そろそろまとめに入ってる感じもするんだよなぁ
今シリーズボスが親父だったらまだしも、鬼丸だからな・・・
未消化の話とかまだ残ってたっけ? クモ男?

336 :マロン名無しさん :2007/10/04(木) 18:06:45 ID:???
メメタァ

337 :週刊少年サンデー 1993年 48号 :2007/10/04(木) 20:50:52 ID:???
第253話 侍の誇り の巻 1/3

奥の手である闘刃も通じず、逆に鬼丸の闘刃に翻弄される刃。
幻ではオレは斬れないと言って、鬼丸は刃を追いつめる。
兄である刃の窮地を目の当たりにし、諸羽は思わず立ち上がった。
しかし試合を止めに行こうとする彼女を、剣十郎が厳しい口調で止めた。
侍同士の戦いに水を差す奴はオレが許さないと。

「な、なによ、侍、侍(さむらい)って!! 偉そーに!!
 刀ぶら下げて、カッコつけてるだけじゃない!!
 今の時代に侍なんて、なんの意味があるのよ!?」

声を荒らげる諸羽にムサシが言った。

「侍とは生き方じゃ…
 時代が変わっても失ってはならん、男の誇りじゃ…」

誇りを懸けて戦っている二人を止めてはならない。
そのことはもう諸羽にも分かっているだろうとムサシはさとした。
涙を浮かべ試合を見る諸羽の手を、さやかが強くにぎった。

「大丈夫… 刃は負けないわ!! 絶対…」

本能寺の炎は次第に勢いを増し、天井は今にも焼け落ちんばかりである。
そろそろ決着をつけようと、鬼丸は木刀の先に力をため始めた。
彼を取り巻いている炎が、風に当てられたように揺れおどった。
鬼丸は満身の力を込め、刃めがけて木刀を振り下ろす。
刃はそれを自分の刀で受け止めようとしたが、
相手の剣の異様さを察し、とっさに身をかわして逃れた。

338 :週刊少年サンデー 1993年 48号 :2007/10/04(木) 20:52:27 ID:???
第253話 侍の誇り の巻 2/3

激しい衝撃が巻き起こり、板張りの床がクレーター状にひしゃげる。
刃の左腕を攻撃の余波が襲い、二の腕の骨を簡単に砕いた。
鬼丸が振り下ろした剣の下では、信長の鎧がぺちゃんこにつぶれている。
鬼丸は斬ったのではなく押しつぶしたのだ。
切っ先に気の結界を作り、その中に何万トンもの重力を発生させ、
その巨大なパワーを大地に叩きつけるという恐ろしい剣だ。
とても人間わざとは思えないが、心・技・体、
すべてを兼ね備えた鬼丸は、その絶技を可能にした。

(か、勝てねー… オレはこいつに、勝てねー!!!)

激しいおびえが刃の心を支配した。
彼は鬼丸に背を向け、無様に逃げ惑う。
今彼を襲っているのは 『恐怖』だった。
あまたの強敵をがむしゃらに打ち破り、実力を上げてきた刃だが、
いまだに本当の恐怖というものを知らなかった。
侍ならば誰もが突き当たる壁。
これを乗り越えられねば、刃は二度と剣を持てなくなるだろう。

鬼丸の剣は再び刃を襲い、その左足の骨を折った。
もはや逃げることも立つこともかなわない刃に鬼丸が迫る。
刃の目には、鬼丸の姿は得体の知れない化け物のように見えていた。

(おまえは誰だ!? なぜ、オレを痛めつける…!?)
(も、燃えている… オレは、こんな所で何やってんだ…!?)

(あ、あつい… 疲れた… 早くさやかん家に帰りてー…)

339 :週刊少年サンデー 1993年 48号 :2007/10/04(木) 20:54:48 ID:???
第253話 侍の誇り の巻 3/3

自分を苦しめる敵。燃えさかる炎。
刃は自分がなぜここにいるのかも忘れ、
力無く座り込んだまま呆然と前を見つめた。

(もうすぐ帰るからよー…
 うまいもんたっぷり食わせてくれよ… なあ… さやかよお…)

「刃ぁー!!!」

その呼び声に、虚ろだった意識が再び頭をもたげた。

(さやか…)
(そうだ、さやかを守んなきゃ…)

(オレは男だから… サムライだから…)

(あいつを守んなきゃ…)

顔を上げた刃の目が、鬼丸の姿をはっきりととらえた。
その瞬間、彼はすべてを思い出す。
鬼丸との戦い。その先に待つ天下一のサムライという夢。
刃は口元にいつも通りの笑みを浮かべた。

(みてろよ、おやじ!!!)

刃が次に取った行動を見て鬼丸は言った。
ついに覚悟を決めたか、と。
刃は右手に木刀を構え片膝をついたまま、鬼丸に完全に背を向けた。

340 :マロン名無しさん :2007/10/04(木) 21:14:50 ID:???
なぜ後ろ向き?
次回で決着するかな

341 :マロン名無しさん :2007/10/04(木) 22:14:42 ID:???
後ろ向きっていったら刃の一番最初の戦闘フォームだ。
いよいよ決着で間違いないと思う。

てか何万トンもの重力ってなによ・・・

342 :マロン名無しさん :2007/10/04(木) 22:30:13 ID:???
刃は今までガムシャラに〜のコマにバットマンが
懐かしい

343 :マロン名無しさん :2007/10/05(金) 00:09:25 ID:???
いつもながらムサシの解説は素晴らしいな
どんなにインフレしても
刃の師匠として剣の達人として独特の存在感がある

344 :マロン名無しさん :2007/10/05(金) 02:00:04 ID:???
うむ、ただのエロジジイじゃないとこがいいよな

345 :マロン名無しさん :2007/10/05(金) 02:19:43 ID:???
あれだけむちゃくちゃに見えた沖田が今の鬼丸の前では雑魚に見えるから困る

346 :マロン名無しさん :2007/10/05(金) 11:08:45 ID:???
>>343-344
ムサシは基本的に頭脳担当のキャラだからねえ。
普段はエロエロしてるがこういう時には欠かせない。
実にいいキャラだ。

347 :マロン名無しさん :2007/10/05(金) 17:22:27 ID:???
殺気など・・・・・無いっ

348 :マロン名無しさん :2007/10/05(金) 20:46:27 ID:???
鬼の時より間違いなく強くなってる

349 :マロン名無しさん :2007/10/06(土) 01:18:05 ID:???
「刃は負けないわ!絶対…」のコマのさやかがすごくイイ顔してるわ(´∀`*)

350 :マロン名無しさん :2007/10/06(土) 10:42:34 ID:???
あらら、宿命のライバルとの再戦は実質3週で終わりか?
まあ単純なバトルは鬼になってる間に何度もやったし、
今回の鬼丸はあくまで刃の精神的な障壁の役目なんだろうな。
闘刃真っ向否定の超ド級技など、実力面でも普通に超人だがw
刃の怖じ気づく姿は初めて見たが、それに打ち勝った
会心の笑顔はこれまでで一番頼もしいぜ。

涙を流し、兄を見ていられなくなった諸羽と押し留めるさやかの姿に
これまでの積み重ねられてきた絆の差を見た。ムサシもな。

351 :マロン名無しさん :2007/10/06(土) 14:05:20 ID:???
どう考えても沖田より鬼丸の方が強いな

352 :マロン名無しさん :2007/10/06(土) 14:18:58 ID:???
>>351
そりゃ作品最後(と思われる)相手がその前の敵より弱かったら盛り上がらないだろw

353 :マロン名無しさん :2007/10/06(土) 14:24:34 ID:???
沖田があまりに強すぎるイメージだったから
え、次が鬼丸?って感じだったけど
フタを開けてみたら沖田よりぶっ飛んでたという感じだ

354 :週刊少年サンデー 1993年 49号 :2007/10/06(土) 20:57:27 ID:???
第255話 天下一の侍 の巻 1/5

織田信長御前試合・決勝―― 刃は鬼丸に対して背を向けた。
会場の観客たちは鬼丸の勝利を確信し、賭け金の話を始める。
師匠であるムサシもさすがに驚きの色を隠せない。

「あ、あの刃が、相手に背中を見せるとは…
 刃の奴、鬼丸の恐怖に負けて、ついに血迷ったか…」

しかし、彼より長く刃を見守ってきたさやかは言った。

「ちがうわ!! わたし、見たことがある!!
 わたしが初めて戦ってる刃を見たときも、あの構えをしていたわ!!」

さやかは思い出していた。
ジャングルからやって来た破天荒な少年が、
しゃにむに竹刀を振り回していた頃―― そんな物語の始まりを。

「刃はまだ勝負をあきらめてない!! そうよ…
 刃はいつだって、奇跡を起こしてきたんだから!!」

刃を前にした鬼丸は、木刀の先に強大な力をためていく。
例の技をまともにくらえば、刃は一巻の終わりだろう。

(あせるな! 落ち着け!!
 どーせ技も力も精神力も、鬼丸の方が一枚も二枚も上だ!!)

今自分にできるのは、精神を集中し、闘気を上げて上げて、
とびっきりの一撃をぶつけることだけ――。
そう考えて構える刃の体から、いくつもの闘刃が現れ始めた。
闘刃は徐々に数を増していくが、幻をいくらあびても鬼丸は動じない。
ついに鬼丸は、力をためきった木刀を刃めがけて振り下ろした。

355 :週刊少年サンデー 1993年 49号 :2007/10/06(土) 21:02:00 ID:???
第255話 天下一の侍 の巻 2/5

そのとき、舞いおどる無数の闘刃が、刃の木刀へと降り始めた。
剣の中に吸い込まれるように、闘刃は木刀と一つになっていく。
刃の剣がまばゆい光を放った。
刃は瞬時に振り返り、鬼丸に向かって剣を振るう。

ぶつかり合う二本の太刀。
その衝撃とともに本能寺が崩れ落ちる。
やがて、静まりかえった瓦礫(がれき)を押しのけ、鬼丸が姿を現した。
彼はいまだ木刀を握る刃を、瓦礫の中から引っぱり出すと、
右手につかんだその体を地面へと放り投げた。
そして鬼丸は笑みを浮かべ、刃の最後の一撃の威力を認める。

「さすが我が最強の好敵手だ…」

その言葉とともに、鬼丸は口から血を流して倒れ込んだ。
彼の左手に握られた木刀は、よく見れば根元からへし折られていた。
そう、最後の一撃を相手に打ち込んだのは――。

『勝者!! 鉄 刃!!!』

織田信長御前試合は、鉄刃の優勝という形で終幕を迎えた。
長かった大会の結末を、観客たちも拍手でたたえる。
タンカで運ばれていく鬼丸の姿をさやかは心配そうに見つめる。
大丈夫、あれぐらいでくたばるような奴じゃない、と刃は笑った。

(そうだよな、鬼丸…)

356 :週刊少年サンデー 1993年 49号 :2007/10/06(土) 21:04:48 ID:???
第255話 天下一の侍 の巻 3/5

あの鬼丸の剣に刃がどうして勝利することができたのか――。
刃本人やムサシの疑問に剣十郎が答えた。
刃は恐怖にうち勝ち、後ろ向きになることによって、
防御を捨てて攻撃だけに集中し、精神力を極限まで高めた。
それが今までの戦いで磨いてきた彼の力と技と合わさり、
実体のない闘刃からすさまじいパワーを生み出したのだ。

「刃よ… 強くなったな……」

剣十郎は刃の頭に手を置いて笑った。
ライバルに勝ち、父親にも認められた刃を、さやかたちが祝福する。
「やったね、刃!!」 「さすが、ワシの愛弟子じゃー!」
「オメーは、そればっかじゃねーか…」

そんな中、一つの影が刃親子のもとへと歩み寄る。
確かに刃は強くなった。あなたが刃を連れ去ったおかげで――。
そう言って現れたのは、諸羽の母親であった。
彼女を前にした剣十郎は、刃に対して告げた。
諸羽の母は本当に、刃の母親でもあるのだと。
「だって、オレの母ちゃんはライオンに食われたって…」
「ありゃー、ウソだ!!」

ただし自分は刃をさらったのではなく、
刃が荷物にまぎれ込んでいただけなのだと剣十郎は語った。
そんなのらくらした剣十郎に、諸羽の母は厳しく詰め寄る。
それでも家族をバラバラにしたのは確かだ、
あとに残された自分、まだお腹の中にいた諸羽、
そしてあなたがいなくなって私がどんな思いをしたか――。

「わかってるの!? あなた!!!」

357 :週刊少年サンデー 1993年 49号 :2007/10/06(土) 21:07:52 ID:???
第255話 天下一の侍 の巻 4/5

なんと剣十郎と彼女は実の夫婦であった。
しかし、家族を失った悲しみは、やがて怒りへと変わり、
いつしか彼女は侍すべてを憎むようになった。
幼い諸羽が偶然父の写真を見つけたときにも、
それは家族から父親を奪った愚かな男だと教えてしまったのだ。

なぜ家を出たのかと問い詰める彼女に、剣十郎は静かに答えた。
自分は不器用だから、侍という生き方しかできなかった、
家にもお前にも不満は何もなかった、と。
夫の答を聞いて、彼女は思わず叫んだ。

「だ、だったらどーして… どーしてわたしも、連れてってくれなかったのよ――!!」

耐えきれず泣き出した妻を前に、剣十郎は返す言葉に詰まる。

「なーんじゃ… つまりみーんな…
 おまえが悪いということかー!!!」

ムサシが話を総括し、剣十郎の尻を蹴り飛ばした。
こうしてすべての真相と責任の所在は明らかになった。
剣十郎は刃を持ち上げて肩車し、家に帰るぞと告げた。
刃が生まれた家に戻るのだ。母や妹と一緒に。

会場を後にする刃には、観客から次々と祝福の声がかかった。
刃に賭けている者は誰一人としていない。
それなのに彼らは、刃の戦いに感動し、素直に拍手を送っていた。
その様子を見下ろしながら、胴元である葉巻の男はしみじみとつぶやく。
金以外にも大切なものがあることを、あの小さな侍から教えられたと――。
しかし優勝者に誰も賭けていないため、規定によれば賭け金は全額払い戻し。
胴元はたちまち、会場からの金返せの声に襲われるのであった。

358 :週刊少年サンデー 1993年 49号 :2007/10/06(土) 21:09:36 ID:???
第255話 天下一の侍 の巻 5/5

刃一家とさやか、それにムサシは大型ヘリコプターで帰途についた。
仲良く席に座る剣十郎夫妻と刃を見ながら、
心配しどおしだったが本当に良かった、とさやかは漏らす。
そんな彼女にムサシは言った。

「さやか殿はサヤじゃのう…」

刃を抜き身の刀とするなら、さやかはそれを包み込み、
暴走しないように守る鞘。刀にはなくてはならないものだ。
刃自身はまだ気付いていないようだが――。
そのとき突然、機内に平手の音と怒りの声が響いた。

「バーカ!! 私はあなたのこと、絶対に許さないからね!! このクソオヤジ!!」

それは剣十郎の顔をひっぱたいた諸羽の声だった。
刃は父のことをからかいつつ、ちゃっかりと母親に甘える。
すると剣十郎は刃を蹴り飛ばし、これはオレの女だと言って妻のことを引き寄せた。
お前のはそこにいるだろう、と剣十郎が指すのは、刃が飛ばされた先のさやか。
刃は、しばしさやかと見つめ合ったあとに言った。
自分は、まだまだまだ(中略)まだまだまーだ修行中だと。

「だから、オメーみてーなチョンマゲブスに構ってるヒマはねーんだよ!!」

ケケケと笑って馬鹿にする刃に、さやかは思い切りパンチをくらわせた。
「よく言うわよ、このトンガリチビ!!」
「あんだと、オカメブタ!!」
おとなげない言い争いの末、ヘリの外に蹴り出される刃を見ながら、
ムサシは呆れかえった様子でぼやいた。

「やれやれ、確かにあやつはまだ… 修行が足りんわい…」

359 :マロン名無しさん :2007/10/06(土) 21:16:17 ID:???
一件落着…かな。
次の展開が怖い。

360 :マロン名無しさん :2007/10/06(土) 21:23:21 ID:???
なんか、完結ってにおいがプンプンするんだが・・・
残ってる伏線ってあるか?

そういや、日本は逆さまのままだな・・・

361 :マロン名無しさん :2007/10/06(土) 21:25:25 ID:???
>>360

忘 れ て た !

362 :マロン名無しさん :2007/10/06(土) 21:28:28 ID:???
親父と母親の因縁は上手くまとめたなあ。
そりゃ母ちゃんがウソついちゃうのも無理ねえや。

363 :マロン名無しさん :2007/10/06(土) 21:29:58 ID:???
カグヤ編のラストから刃は進歩がないなw
てか今度こそ本当に最終回??

364 :マロン名無しさん :2007/10/06(土) 22:09:02 ID:???
一撃食らって、尚ヤイバ抱えて脱出できる体力あるなら……タケちゃんの勝ちじゃね?

365 :マロン名無しさん :2007/10/07(日) 02:37:50 ID:???
試合で勝って勝負で負けたことで

366 :マロン名無しさん :2007/10/07(日) 07:19:51 ID:???
サブタイが天下一の侍・・・ケロ吉に言ってた夢もついにかなったのか

367 :マロン名無しさん :2007/10/07(日) 08:04:48 ID:???
もう肉体的な強さも精神的な強さもやったから次かその次が最終回だろうたぶん。

368 :マロン名無しさん :2007/10/07(日) 10:09:57 ID:???
最終回のにおいがプンプンするぜッ
親父は今後も放浪癖は治らなさそうだな

369 :マロン名無しさん :2007/10/07(日) 17:57:51 ID:???
次号、まさかの龍神復活

370 :マロン名無しさん :2007/10/07(日) 21:08:53 ID:???
>>97の展開で決まりだな。
で、そこにかぐや様似のセクシー美人教師と
転校生として入ってきた大和撫子たん&ウナギ娘&
白銀グループからスパイとして送られて来た宝石ソルジャー似の
美少女四姉妹+鬼丸との戦いで破損した物干し竿から
ワープして来たおつうさんを加えれば完璧だな。


371 :マロン名無しさん :2007/10/07(日) 21:31:48 ID:???
>370
そこにウナギ娘を入れるお前のマニアックさに感服したぜ・・・

372 :マロン名無しさん :2007/10/08(月) 02:02:44 ID:???
>「さやか殿はサヤじゃのう…」

この一言のためにヒロインの名前つけたのか〜。
なんか深いな。

373 :マロン名無しさん :2007/10/08(月) 03:27:10 ID:???
いや、ただのだじゃれ好きだ

374 :マロン名無しさん :2007/10/08(月) 08:43:11 ID:???
剣十郎って本来は、鉄グループの跡取りだったんだろうか
だとすると、いいとこの坊ちゃん?
家はおろか妻子もほっぽらかして
無言で家出とは、そりゃ不器用にもほどがあるな

375 :マロン名無しさん :2007/10/08(月) 13:29:45 ID:???
刃がくっついてこなかったら不定期に戻りそうではあるな。

376 :マロン名無しさん :2007/10/08(月) 16:31:50 ID:???
>>374
逆じゃね?
いいとこのお嬢様と婿養子という形で入籍したんじゃないかと。


377 :マロン名無しさん :2007/10/08(月) 17:27:33 ID:???
いいとこのお嬢様がそんな怪しい奴と結婚出来ないだろー。
周囲の反対を押し切って結婚したんなら親父の行動が説明しにくいし、多分剣十郎が跡取りだったんだと思う。

378 :マロン名無しさん :2007/10/08(月) 18:45:20 ID:???
ここで金棒博士が世界制服を企てます。

379 :マロン名無しさん :2007/10/08(月) 19:16:02 ID:???
>>377
周囲の反対を押し切って駆け落ち
→婿として認めるから家に帰って来い
→やっぱ俺には無理です

という昼メロならけっこうあったりする

380 :マロン名無しさん :2007/10/08(月) 19:24:26 ID:???
>>67
母ちゃん初登場の回を改めて振り返ってみると、
「もうあきらめたわ、あの人のことも」という言い回しは
夫が死んでるんだったら微妙に不自然だよな
あの人が死んで〜じゃなく、あの人がいなくなり〜という言い方をしてるのも
ちゃんとした伏線だったのかもしれない

381 :マロン名無しさん :2007/10/08(月) 19:26:05 ID:???
>>379
昼メロどころか紀元前からあるぜ

382 :週刊少年サンデー 1993年 50号 :2007/10/08(月) 20:59:04 ID:???
第256話 来るか? の巻 1/4

「おはよー… ゲロ左エ門、ナマコ男… クモ男…」

庭の片隅で、少女は物言わぬ生き物たちに声をかける。
カエル、ナマコ―― それから小さなクモにも。
あれから三年。さやかは高校二年生になっていた。
ポニーテールだった髪は下ろし、制服もあの頃とは変わった。
そして刃のことも、あまり口に出さなくなった。

彼女の近くに刃の姿はない。
彼はムサシ、カゲトラ、庄之介とともに三年前から旅に出ていた。
剣十郎も放浪癖が抜けず、いまだに妻を困らせているようだ。
そんな彼の脱走に、諸羽はこっそり手を貸してやっていた。
またなと言って悪びれずに出て行く父を見ながら、
諸羽は満更でもなさそうに笑っていた。

十兵衛は日本のどこかで風まかせの旅を続けていた。
小次郎は時代劇役者になって女性ファンに囲まれている。
鬼丸は日本剣道選手権大会を三連覇しながらも、
ライバルのことを考え、自分の腕には満足できずにいた。

さやかは、楽しく高校生活を送っていた。
女友達と噂話をしたり、男子のイタズラをこらしめたり、
にぎやかで、平和で、つつがのない毎日。けれど――。

(どうしてだろう…)

(なんかつまんない…)

383 :週刊少年サンデー 1993年 50号 :2007/10/08(月) 21:01:52 ID:???
第256話 来るか? の巻 2/4

学校で元気いっぱいに振る舞いながら、さやかは思った。

(あの頃は楽しかったな…)
(ムサシがいて、小次郎がいて、十兵衛がいて、そして…)

(刃がいて…)

(でも早く忘れなきゃ…)
(だって… 私にはもう…)

(あんな冒険、できないもんね…)

鬼丸との戦い。オロチの復活。月から来た侵略者。
今は遠くなってしまった日々の記憶が一時(いちどき)によみがえる。
水魔の太刀を握って戦いに参加したこともあった。
伸びてくれない物干竿に泣いてすがったこともあった。
龍神の玉を手に入れる試練では、自分の命さえ捨てた。
罠だらけの国会議事堂を、刃と一緒に駆け回りもした。

(あれ…?) 

(どうしたんだろ、わたし… あれ…?)

英語の教科書の上に、ぽたりと涙が落ちた。
授業中だというのに嗚咽がこみ上げる。
さやかは、こらえきれなくなって机に突っ伏した。

(刃… )

(刃ーっ!!!)

384 :週刊少年サンデー 1993年 50号 :2007/10/08(月) 21:04:26 ID:???
第256話 来るか? の巻 3/4

そのとき突然、教室の窓を破って何者かが突っ込んできた。
教室の隅まで騒がしく転がっていったのは、
剣道着に下駄にツンツン頭の――。

「や、刃…?」

特徴はそのままに見違えるように大きくなった刃は、
さやかの姿を見つけ、勢い込んで話し始めた。
ヘンな洞窟でスゲーお宝を見つけたけど、
とんでもねー化け物が守っていて、
ムサシもカゲトラも庄之介もみんなそいつに捕まってしまった、
自分一人では手に負えない――。
どこか楽しげにそう語り、刃はさやかへと言った。

「来るか?」

少しの沈黙のあと、彼女は笑って答えた。

「うん!!」

385 :週刊少年サンデー 1993年 50号 :2007/10/08(月) 21:05:35 ID:???
第256話 来るか? の巻 4/4

答を聞くが早いか、刃はさやかの手をつかんで走り出した。
窓から空中に躍り出て口笛を鳴らすと、
どこからともなく一振りの剣が飛んできた。
沖縄の先っちょで見つけたという魔剣 ・ クサナギ。
刃はさやかとともに、その空飛ぶ剣の上に着地した。

「さやか! ちょっと息ができなくなるけど、心配すんな!!
 光速でとばしてやっからよー!!」

物騒なことを口にする刃に、さやかは尋ねた。

「こ、光速ってあんた… どこにいく気?」

「火星…」

短く返った言葉の意味を、さやかは一瞬とらえそこねる。

「え?」

二人を乗せた魔剣は、地球を見下ろす高さへと向かっていた。



                           ― YAIBA ・ 完 ―

386 :マロン名無しさん :2007/10/08(月) 21:12:57 ID:???
なんていったらいいか……コメントしづらい最終回だな

387 :マロン名無しさん :2007/10/08(月) 21:14:55 ID:???
いい終わり方だったけど、読んでしんみりした
ナマコがカエルより大きいのが、なんかショックだった

388 :マロン名無しさん :2007/10/08(月) 21:21:55 ID:???
お、次回は火星でバトルか!

・・・え?

389 :マロン名無しさん :2007/10/08(月) 21:46:20 ID:???
お、俺バカだからわかんねーんだけど・・・

・・・光速でヒト動いたら死んじゃうよね。

390 :マロン名無しさん :2007/10/08(月) 21:56:18 ID:???
>>389
バカだな、魔剣がそんなのカバーしてくれるよ

391 :マロン名無しさん :2007/10/08(月) 22:55:24 ID:???
>>390
と言うことは火星では剣・刃・さやかは常にセットでないといけないわけだな?

392 :マロン名無しさん :2007/10/08(月) 23:10:13 ID:???
>>391
待つんだ。ついた頃には光速でなくなってる筈だ。
ん? もしかして空気の確保まで考えてる? 
ならセットじゃないとマズいな。

……あ。でも空気の確保にクサナギ必要なら、ムサシたちヤバくね?

それはさておき、ヤイバでか過ぎ吹いたww
日常はまだまだ続くってエンドなんだな。
火星まで突っ込んでくのがヤイバらしい。
ラストはアニメOPが似合いそうだ。

勇気があれば分かるはず、愛を信じる事を♪

393 :マロン名無しさん :2007/10/08(月) 23:13:58 ID:???
馬鹿だなYAIBA世界なんだから普通に火星にも大気あるよ

394 :マロン名無しさん :2007/10/08(月) 23:43:39 ID:???
なんでカエル男たちは元の姿に戻ってしまったのに
小次郎と十兵衛は普通に生活してるんだ?

395 :マロン名無しさん :2007/10/09(火) 00:41:52 ID:???
ダラダラした展開がないのはこの漫画の良い所だが…だが…


 と う と う 終 わ っ ち ま っ た よ チクショーーッ!!!! 


立つ鳥跡を濁さず、いつも通りのサッパリした〆だったぜ。
最後のさやかたんの反応がそこはかとなくバッドエンドっぽいけどまあいいや。
こっちはまだ未練タラタラで当分さびしさが残るな。青山先生お疲れ様。

396 :マロン名無しさん :2007/10/09(火) 00:51:06 ID:???
沖縄の先っちょでクサナギが見つかったて言うのは一応ヤマタノオロチ伝説に引っ掛けてあるんだな
まぁそれならアメノムラクモのほうがいいような気はするけど

397 :マロン名無しさん :2007/10/09(火) 01:10:43 ID:???
>>394
小次郎は死んでたのを蘇らせたから普通に生きてる。
十兵衛は狼の肉体を媒介としているが基本の肉体は人間だからこれまた普通に蘇らせたのとほぼ同じ。
カエル達は所詮カエル。そんなとこじゃね。

398 :マロン名無しさん :2007/10/09(火) 01:42:40 ID:???
日本はひっくりかえったままなんだろうか…
じゃあ北に行ってクサナギを見つけたのか?

399 :マロン名無しさん :2007/10/09(火) 03:40:04 ID:???
>>398
自分もそれ気になったw

しかし、なんかまだ終わったって実感がわかないわ
火星編があったらカグヤ様やゲッコーも出てくんのかな・・・

400 :マロン名無しさん :2007/10/09(火) 06:27:18 ID:???
カグヤ様は今ごろ月の復興に追われてるんだと思うぜ

401 :マロン名無しさん :2007/10/09(火) 07:49:31 ID:???
つまり探査衛星を飛ばせば高確率で陣頭指揮に当たる
セクシーなバニー美女を拝めるのだな。
ニュースでも堂々と「今日のかぐや様」とか言って朝っぱらから
エッチな女王様の映像を流せるというわけだな。

402 :マロン名無しさん :2007/10/09(火) 08:30:34 ID:???
カエルとかナマコは、御前試合編の前には既に
もとの姿に戻ってしまったんだろうか?

403 :マロン名無しさん :2007/10/09(火) 10:58:40 ID:???
そういやヤマタノオロチ編のあとカエル男やナマコ男の出番なかったなあ
やっぱり戻ってしまったのか

404 :マロン名無しさん :2007/10/09(火) 11:24:24 ID:???
喋らなくなったのはチョイとさびしいが峰家で飼ってもらえるなら
幸福って所かな。女子高生に嫌われないクモなんて幸せだぞw
しかしナマコって池で生息できるものなんだろうか。

405 :マロン名無しさん :2007/10/09(火) 15:17:08 ID:???
カエル男たちはそれでいいけど、ヒトデ男とかカマキリ男たちはどうしてるんだろう…
もう死んだかな、食われて

406 :マロン名無しさん :2007/10/09(火) 16:15:10 ID:???
てか、さやか達が見てる前で元の姿に戻ったわけじゃないんだろうし、
今峰家にいるのが本当にゲロざえもん達かどうか分かんないよな

407 :マロン名無しさん :2007/10/09(火) 21:44:40 ID:???
小次郎の時代劇俳優はまさに天職だな


408 :マロン名無しさん :2007/10/10(水) 02:28:27 ID:???
>>405
ミポリンは……

409 :マロン名無しさん :2007/10/10(水) 07:11:31 ID:???
B組の黒羽君とF組の中森さん、できてるんだってー
……って、快斗と青子のことか!?

410 :マロン名無しさん :2007/10/10(水) 07:45:20 ID:???
それ以外にあるまい。

連載終わったし久しぶりに快斗復活かな?

411 :マロン名無しさん :2007/10/10(水) 21:21:43 ID:???
以下、楽屋裏

412 :マロン名無しさん :2007/10/10(水) 22:56:49 ID:???
あらすじ書きさん今まで本当にお疲れ様でした

413 :マロン名無しさん :2007/10/11(木) 00:05:45 ID:???
快斗もやって欲しいなあ
たしかYAIBAが終わった後、サンデー超あたりでのってた気がする

414 :マロン名無しさん :2007/10/11(木) 00:53:33 ID:???
あらすじさんご苦労様でした!
読みやすくて、手許に単行本はもうないのに場面が浮かんできたよ。
こうして見るとさやかはいい女だったなー。


415 :マロン名無しさん :2007/10/11(木) 04:20:31 ID:???
これのスレどうなるの?
1話からやり直すの?

416 :マロン名無しさん :2007/10/11(木) 07:23:48 ID:???
あらすじさんお疲れ様でした。

>>413
快斗に関してはまだ連載終わってない・・一応。

>>415
このまま楽屋裏→dat落ち

417 :マロン名無しさん :2007/10/11(木) 18:15:34 ID:???
天草バニーの回以降、あらすじ書いてた者です。
遅くなったけど、乙してくれた人や住人のみんな、ありがとう。
このスレを始めてくれた、あらすじ玉さんありがとう。
その後に代打であらすじ書いてくれた人、ありがとう。

過疎だった時期もあったが、このスレに参加できて本当に良かった。
このスレで初めて気付かされたこともたくさんあった。
オロチ編ラスト、さやかぐやと刃が落ちたのが天狗岳というのは
言われなかったら一生分からなかったかも知れない。

418 :マロン名無しさん :2007/10/12(金) 16:25:54 ID:???


419 :マロン名無しさん :2007/10/12(金) 17:22:49 ID:???
乙です

420 :マロン名無しさん :2007/10/12(金) 20:16:46 ID:???
今までを振り返って名場面でも上げていかないか

自分が序盤で好きなのは
「また新しい夢でも見つけるさ」

421 :マロン名無しさん :2007/10/12(金) 20:32:13 ID:???
かぐや戦の「好きだぜ、さやか…」かのぅ

422 :マロン名無しさん :2007/10/12(金) 21:22:28 ID:???
龍神が出る頃まで結構やっていた
「にょほほ」って抜作みたいな顔して笑うのが好きだった

423 :マロン名無しさん :2007/10/12(金) 23:12:44 ID:???
本当にお疲れ様でした。

風雷波が好きだな。まさか鬼丸と共に戦うとは思わなかった。

424 :マロン名無しさん :2007/10/13(土) 00:58:48 ID:???
このスレにおける小次郎まわりのチームワークの良さ

425 :マロン名無しさん :2007/10/13(土) 02:33:59 ID:???
名場面というか、かぐや様が入ったさやかにはなんかこう、ぞくぞくする

426 :マロン名無しさん :2007/10/13(土) 09:18:46 ID:???
>>417
乙彼さまです。他の運営者さん達も。
俺にとっちゃ少年漫画の面白さを教えてくれた初めての
作品だったんで考察したりハァハァしたり楽しかったよw
ややマイナーな作品故にこの板にこんなスレがあるとは知らず
途中参加だったがナー。

悪の華宝石ソルジャーズとの人間大の激闘と
大坂鬼丸城戦の描き込まれた破壊描写が大好き。

427 :マロン名無しさん :2007/10/14(日) 00:46:02 ID:???
>>424
確かに、いつのまにか「オレたちの小次郎!」になっててワロタ
いったいどのへんでブレイクしたんだっけ?

428 :マロン名無しさん :2007/10/14(日) 01:50:27 ID:???
全くやる気なかったのがかぐやを放っとくと
バーさんが増えていくという事実を知った途端に
急にかぐや打倒に燃え出したあたりからじゃないか?
それ以前は途中離脱してるせいでイマイチ影が薄かった。

429 :マロン名無しさん :2007/10/14(日) 02:16:06 ID:???
十兵衛にアッサリやられたときじゃなかったかな?第一次小次郎フィーバーは

430 :マロン名無しさん :2007/10/14(日) 03:18:32 ID:???
小次郎は実に良いキャラだったなw
御前試合のひどすぎな扱いでさすがにヘコンだかな?と思ったが
何だか最終回でも幸せそうで良かった

あらすじの方々、乙でしたー
小学生の頃にこの漫画を毎週読んでた俺は今思うと幸せもんだ(;_;)
トラトラウマトラトラウマリビリビド〜♪(リビ・リビ・ド〜♪)
じゃこの辺で

431 :マロン名無しさん :2007/10/14(日) 14:56:55 ID:???
子供の頃は小次郎は単なるヘタレ・役立たずくらいにしか思ってなかったけど
今読み返すと結構いいキャラな気がする。
後半シリアスな空気が強くなってきて重苦しい時もあるんだけど、
小次郎がいると元のギャグ調のふいんきを多少なりとも出してくれるんで
重苦しさを吹き飛ばしてくれるからさ。

432 :マロン名無しさん :2007/10/14(日) 22:12:47 ID:???
たまに侍っぽいとこ見せてくれるのもよかったな
本当に極稀にだけどな

433 :マロン名無しさん :2007/10/14(日) 22:59:34 ID:???
タイムスリップ編で刃を追いつめるところは何気に格好良かった
でも正直、一度はちゃんとしたムサシVS小次郎を見てみたかったなぁ

434 :マロン名無しさん :2007/10/14(日) 23:49:31 ID:???
遅れたけど、
>417
お疲れ。
毎回まとめの上手さに感心してたよ。
単なるあらすじ紹介に終わってないのが良かったです。

435 :マロン名無しさん :2007/10/15(月) 01:00:09 ID:???
>>431
俺は逆に子どもの頃は小次郎そんなヘタレとは思わなかった。
実力は普通に高いし女がいなけりゃクールな表情してるんで
三枚目(二枚目半?)ポジションという印象は薄かったな。
ムサシや十兵衛と違い刃と精神的な交流はなかったけどな。

436 :マロン名無しさん :2007/10/15(月) 09:52:15 ID:???
小次郎が刃と精神的な交流を持ったのって
さやかの裸見たさにムサシ・刃と共に混浴の風呂で
延々と粘り続けた時くらいしかなさそうだもんな

437 :マロン名無しさん :2007/10/16(火) 19:52:04 ID:???
小次郎に比べて十兵衛はほんと地味だったなぁ
それだけに御前試合編の出番は活きてたけど

438 :マロン名無しさん :2007/10/18(木) 15:25:37 ID:???
これが終わってどれくらいしてからコナンが始まったんだろう

439 :マロン名無しさん :2007/10/18(木) 20:47:24 ID:???
wiki見たら「1994年5号より連載が開始」らしい。
YAIBA最終回が93年50号だから、終了後すぐだよな。

440 :マロン名無しさん :2007/10/19(金) 21:29:02 ID:???
眠りの小次郎 でも違和感ないような気がする

441 :マロン名無しさん :2007/10/20(土) 09:44:04 ID:???
「こういう風に・・・・ねっ!!」で死にそうだ

442 :マロン名無しさん :2007/10/20(土) 19:08:01 ID:???
鉄一家の話をコナンでやったら
剣十郎は死体で発見されそうだな

443 :マロン名無しさん :2007/10/20(土) 19:43:18 ID:???
だけど死んだのは実は影武者で
本物が後から呑気に登場したりしそう

444 :マロン名無しさん :2007/10/20(土) 22:16:05 ID:???
ヤイバとコナンとカイトが共演したアニメを見たことがあるが、
ゲロ左衛門はいたのに小次郎の姿はなかったな。
てか、ヤイバとコナンの声優が被っててかなり違和感あったわw

445 :マロン名無しさん :2007/10/21(日) 19:17:40 ID:???
良スレage

446 :マロン名無しさん :2007/10/23(火) 22:26:13 ID:???
コナンの初期かどっかに、
コナンがYAIBAのアニメ見てるコマがあったなぁ
でも刃が覇王剣もっててなんか違和感があった

447 :マロン名無しさん :2007/10/24(水) 00:10:38 ID:???
>>446
確か2巻の最初の事件を解決したときの回だったかな

448 :マロン名無しさん :2007/10/24(水) 22:07:31 ID:???
このスレでは「コナンの作者」と知ってて読んだから
さすが伏線張ってるなぁと感心してしまった

小次郎たちは一緒に電車で来るという会話
→しかし小次郎だけが到着
→物干竿で刃を助けない
→裏切った!?
→実は偽物

これに五、六週もかけてる無駄な丁寧さは凄いと思ったw
先に龍神を出しといて後のカグヤの復活につなげたり、
「お前はその剣を鞘に収めたまま〜」発言があったり、
ダーク〜プラズマのくだりは伏線満載だな

449 :アジカン :2007/10/25(木) 11:21:36 ID:???
↓の板違いスレが創作板に移動するように説得してよ〜(^∧^)
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1175106053/

450 :マロン名無しさん :2007/10/26(金) 18:34:13 ID:???
ウッド様
http://magiccards.info/scans/en/lg/129.jpg

451 :マロン名無しさん :2007/10/27(土) 06:58:47 ID:???
>>444
夢オチの奴だよな

452 :マロン名無しさん :2007/10/27(土) 20:57:32 ID:???
>>451
そうそう。
でも鬼丸とコナンが共演、なんて本当に夢の共演だ。
ストーリーも推理もあったもんじゃないけどなw

453 :マロン名無しさん :2007/10/28(日) 15:15:08 ID:???
>>444
ついでにタケちゃんと服部の声優も被ってるよなw

454 :マロン名無しさん :2007/10/31(水) 21:28:39 ID:???
ヤイバとカイトはなんとなく世界観近いけど、
コナンとヤイバは共存できそうにないな

そう言えばコナンには仮面ヤイバー出てくるんだっけ

455 :マロン名無しさん :2007/11/01(木) 02:30:53 ID:???
>>454
沖田が服部のライバル扱いだった気がする
まぁファンサービスの類だろうけど

456 :マロン名無しさん :2007/11/02(金) 01:10:27 ID:???
>454
龍神剣さえあれば完全犯罪可能だからなあw

457 :マロン名無しさん :2007/11/02(金) 01:18:14 ID:???
ペロ、これは龍神剣

458 :マロン名無しさん :2007/11/05(月) 00:51:38 ID:???
小学生だった頃は、絶対に最終話に続きがあるもんだと思ってたぜ。
まだコミック発売しないの? とずっと疑問だった。

459 :マロン名無しさん :2007/11/06(火) 00:40:05 ID:???
俺もそうだった。つか、そう願わずにはいられなかった。
ハマッてた作品だけに結構な喪失感だったぜ…

460 :マロン名無しさん :2007/11/09(金) 17:42:24 ID:???
で、7週後にコナンが…
そして今に至る

461 :マロン名無しさん :2007/11/10(土) 19:00:05 ID:???
コナンってYAIBAの倍以上やってる?

462 :マロン名無しさん :2007/11/10(土) 19:08:05 ID:???
もう2.5倍ぐらいか

463 :マロン名無しさん :2007/11/13(火) 18:24:19 ID:???
灰原は最初見たとき
エメラルド+諸刃だと思った

464 :マロン名無しさん :2007/11/16(金) 12:48:44 ID:???
+

465 :4番サード連載中 :2007/11/20(火) 21:36:28 ID:???
週刊少年サンデー平成3年1月増刊号から平成5年2月増刊号まで、
「4番サード」という漫画が6回にわたって掲載された。
この漫画について語ろうじゃないか。
この漫画は作者が神様のペンを使用することによって、2日に1度の速度で掲載される。
展開の都合により、初回以外は一話を前後編に分けて載せる予定だ。
なお、時々お金が尽きたりして休載になる事もあるが気にしないでくれ。
このスレの詳しい事は連載中スレの楽屋裏にて。

連載中スレの楽屋裏 第25幕
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1193389271/l50

466 :少年サンデー 平成3年1月増刊号 :2007/11/20(火) 21:38:48 ID:???
第1話 奇跡のバット の巻 1/5

―― 勘違いしないでほしい…
―― オレは名サードでもスラッガーでもない…

『4番…… サード… 長島くん!!』

とある高校のグラウンドで、野球部の試合が行われていた。
ただの練習試合だというのに、大勢の観客が詰めかけ、
右バッターボックスの少年に向かって熱い声援を送っている。
その理由はただ一つ。
彼があのミスタージャイアンツ ・ 長嶋茂雄と同姓同名だからだ。

当の長島少年はそのことについて悩んでいた。
この名前ゆえ(島の字が違うのだが)、彼は入部したときから注目されていた。
長嶋茂雄にちなんで背番号も 『3』だ(一般に高校野球のサードは 『5』)。
しかし4番サードの長島だというのに、彼はまったくもって打てなかった。
今日の試合ではついに50打席連続ノーヒットを記録してしまう。

「オ、オレ! 4番なんて無理です!!」
「バ――カ、おまえを4番に選んだのはオレ達だぜ。
 その4番が打てなかったんだから仕方ないさ、気にするな!」

チームメイトは誰も彼のことを責めはしないが、それでも長島の憂鬱はつのる。
試合は2−0で負け。来週からはいよいよ甲子園予選の始まりだ。

誰もいなくなった暗いグラウンドで、
長島はいつものように自主練習の素振りを繰り返した。
彼だってあの長嶋のように打てるようになりたかった。
みんなの度肝を抜くような、大ホームランを――。
そんなことを考えるうち、どしゃ降りの雨に追われた長島は、
帰り道で古めかしい外見をした奇妙なスポーツ用品店を見つけた。

467 :少年サンデー 平成3年1月増刊号 :2007/11/20(火) 21:41:07 ID:???
第1話 奇跡のバット の巻 2/5

店の名前は『名園(なぞの)運動具店』。
中にいたのは、ヒゲに眼鏡に蝶ネクタイという、うさんくさい風貌の老店主だった。
名前のことに触れられて、あの長嶋みたいに打てたら―― と漏らす長島に、
老人はにわかには信じがたい話を持ちかけてきた。

「ほほう… そんなに打ちたいのなら、ちと値は張るが、いいバットがあるぞ!
 どんな球でも打てる… 神様のバットがね…」

それはユニフォームのポケットにお金を入れることにより、
不思議な力を発揮するバットだという。
しかも金額の大きさによって威力が変わるらしい。

―― ほしければ今夜0時、ここに来なさい…

野球部のジャンパーをはおって、長島は深夜の店に駆けつけた。
しかし扉は閉ざされ、中からは何の反応も返らない。
やはり神様のバットなんてあるわけがなかったのだ――。
あきらめて帰ろうとした長島の背後で、不意に関西弁の声が響いた。

「なんや、閉まっとるやないか〜〜?」

運動具店の前でぶつくさ言う男に、長島は思わず話しかけた。
男は上下のユニフォームにジャンパーを着ており、野球帰りのような服装である。
しかも胸元からのぞいているのは GIANTS の文字だ。
長島のいかにも野球部員といった格好を見て、男は彼にポジションと打順を尋ねた。
4番でサードだという答えに男は感心した声を上げるが、
長島はいくら頑張ってもみんなの期待に応えられないのだと言って顔をうつむかせた。

468 :少年サンデー 平成3年1月増刊号 :2007/11/20(火) 21:45:02 ID:???
第1話 奇跡のバット の巻 3/5

「よし、わかった!! これをやるから元気出しぃ!!」

長島の落ち込んだ様子を見て、男は肩に提げたケースから一本のバットを取り出した。
その使い込まれた木のバットは、元々は店主の老人にゆずる予定だったらしい。
呆気にとられている長島にバットを渡すと、男は冗談のように言った。

「大切にせなあかんで〜〜!! なんせそいつは…
 神様からもろたバットやからな!!」

ハッとした長島が呼び止める間もなく、男は背を向けて駆け出していった。
これが老人の言っていた 『神様のバット』――。
暗闇の中、ひるがえったジャンパーの下に、男の背番号が見えた。

「誰だろ? 巨人に14番なんていたっけ?」

翌日、長島は 『神様のバット』を持ってバッティングセンターへと向かった。
ユニフォームの尻ポケットに100円を入れ、思い切って130キロの速球に挑む。
なんと長島の打球はホームランのプレートに命中し、しかも粉々に砕いてしまった。
どうやらバットの威力は本物だ。お金さえあればどんな球でも打つことができる。
長島は調子に乗って、200円、500円、1000円と試し打ちにはげんだ。
ポケットのお金は空間を超えて、名園道具店にある大きなビンの中へと送られていった。
……長島の財布が空っぽになるまで。

甲子園予選の一回戦当日、長島は母親にこづかいの前借りを頼んだ。
くしくも試合の相手は、先日の練習試合で負けた江古田高校だ。
ベンチで出番を待つ長島は、監督に巨人の14番は誰かと尋ねてみた。
監督はすぐさま、それは沢村栄治だと答えた。
長島はまったく知らなかったが、かつての全日本のエースらしい。
かのベーブ・ルースをもキリキリ舞いさせたことがあるという。
そう、“ 野球の神様 ” ベーブ・ルースを――。

469 :少年サンデー 平成3年1月増刊号 :2007/11/20(火) 21:46:30 ID:???
第1話 奇跡のバット の巻 4/5

こづかいの5000円をうっかり五千円札でもらってしまったため、
今日の試合では神様のバットを使えるのは一回きりだ。
一番いい場面で使おうと考えて長島は試合にのぞむ。
そして、三連続三振のあとの第四打席。最高の場面が回ってきた。
九回ツーアウト二・三塁。一打サヨナラの大チャンス。
今こそ出番と神様のバットを握って打席に向かう長島だが、
なんとバッグの中をいくら探しても五千円札が見当たらない。
これでは神様のバットがパワーを発揮できないではないか。
しょう然としてバッターボックスに向かう彼を、眼鏡のキャプテンが呼び止めた。

「長島!!」

彼は長島のマメだらけの手のひらを指して言った。
オレたちはお前が 『長嶋茂雄』だから4番にしたんじゃない。
お前が一番ふさわしいから4番にしたんだ、と。
彼が誰よりも努力してきたことはチームの全員が知っていた。
キャプテンは長島に強く告げた。

「思いっきり振ってこい!!」

470 :少年サンデー 平成3年1月増刊号 :2007/11/20(火) 21:48:42 ID:???
第1話 奇跡のバット の巻 5/5

皆の思いを受け止め、長島はバッターボックスに入る。
相手のピッチャーが「ニセの長嶋」と言って笑った。

「あ――あ、こーいう時、あの長嶋なら必ず打ったんだよな〜〜〜!!」

観客席からはそんな声も聞こえる。
長島は神様のバットを握り、静かに意を決した。
選んでくれたみんなのためにも、4番らしく、思いっきり三振してやる、と。
構えたピッチャーが長島に対して第一球を投じる。
しかし手元が狂い、ボールは長島の頭部へと向かった。
長島が無我夢中で振ったバットは、次の瞬間、ボールを芯でとらえていた。

弾丸のごとく飛んだ白球は、三塁線の地面をえぐり、ベースをも吹き飛ばし、
フェンスの上のポールをへし折って外野席へと飛び込んでいった。
一瞬の静寂ののち、観客席がわきかえる。まさかのサヨナラホームランだ。
ベースを周りながら長島はようやく思い出した。
朝、母親から五千円札をもらったとき、それを無意識のうちに
ユニホームのポケットへと突っ込んでいたことを。

(五千円のホームランか……… 高け〜〜な〜〜〜)

ナインに迎えられる長島の姿を、あの店の老人が観客席から眺めていた。
店主の抱えた大きなビンの中に、一枚の五千円札が舞い落ちる。
一人の少年をヒーローに変えた“神様の” バット――。

「大事にするんじゃぞ…
 なにせその昔、沢村栄治が三振をとった記念に」

―― ベーブ・ルースからもらったバットなんじゃから…

471 :マロン名無しさん :2007/11/20(火) 22:24:50 ID:???
なんだ?ベーブは金でホームラン打ってたとかそういう話になるのか?

472 :マロン名無しさん :2007/11/20(火) 23:01:02 ID:???
沢村って沢村賞の人?
ベーブ・ルースの時代ってことは
長島が会ったのは幽霊だったってことだよな・・・?

473 :マロン名無しさん :2007/11/20(火) 23:36:33 ID:???
なんでそんな大事なものを老人に渡そうとしたんだ?

474 :マロン名無しさん :2007/11/21(水) 14:20:55 ID:???
この主人公はその内家族の金を取るぜ
まちがいない

475 :マロン名無しさん :2007/11/21(水) 20:58:06 ID:???
これはなんという資本主義漫画

ところで沢村って戦争で肩こわして引退して
そのあと結局、20代で戦死してるんだよな
それを考えるとちょっと切ない話だ

476 :マロン名無しさん :2007/11/22(木) 00:24:24 ID:???
おまけにメリケン相手に好投したのはその1試合だけで
あとはボコボコにされていたりするんだぜ

477 :マロン名無しさん :2007/11/22(木) 10:00:46 ID:???
>476
そうだったのかw
まぁ日本人対アメリカ第一戦の選手じゃなぁ。
三振取りまくりなんて夢の見過ぎか。

478 :少年サンデー 平成3年5月増刊号 :2007/11/22(木) 22:32:14 ID:???
第2話 甲子園に連れてって の巻(前編) 1/3

ベーブ・ルース――。
かつてホームランを予告し、それを成し遂げた唯一のバッター。
その 『野球の神様』のバットを手に入れた少年が、
今、甲子園予選のバッターボックスに立っていた。
……ユニホームのポケットにお金を入れて。

(あばよ! オレの800円!!)

4番 ・ 長島の強烈な打球は、
セカンドベースを吹き飛ばしてセンターへと抜けていく。
長島の所属する港南高校は、これによって予選三回戦の突破を決めた。

問題は金である。
神様のバットを使うためには、とにかく金が必要だ。
日払いバイトの募集を見つけた長島は、
その張り紙のあった喫茶店 『景虎(かげとら)』へと足を踏み入れた。
中へ入ってみると、店は阪神タイガース一色。
壁や天井はポスターと色紙で埋まり、神棚の横には
古びた胴上げ写真のパネルが未練がましく飾られている。
縦縞にエプロンを着た強面(こわもて)のマスターを前にして、
長島は自分の本名を名乗るのが自殺行為であると悟ったが――。

479 :少年サンデー 平成3年5月増刊号 :2007/11/22(木) 22:35:29 ID:???
第2話 甲子園に連れてって の巻(前編) 2/3

「あれぇ〜〜?
 野球部の長島茂雄くんじゃなーい!! どーしたの〜〜〜?」

突然、見知らぬ少女が長島に声をかけてきた。
彼女はマスターの娘で、実は長島と同じ高校に通っていたのだ。

「なにぃ、長嶋茂雄だとお!?
 奴にゃ現役時代、何度煮え湯を飲まされたことか!!」

本家長嶋に対する恨みつらみを爆発させたマスターは、
こき使ってやるから覚悟しろと凄み、即座に長島の採用を決めてしまった。
こうして長島は喫茶 『景虎』でバイトを始めることになったが、
そのきっかけとなった少女―― マスターの娘は、名前をゆたかといった。
フルネームは江夏豊。かつて球界で活躍した大投手と同姓同名である。
女の子らしからぬ名前をつけられ、彼女もまた長島のように苦労しているらしい。
長島は共感を覚えるとともに、プレッシャーに悩む自分を
明るく励ましてくれるゆたかに、ほのかな好意をいだくのだった。

「ホッホッホッ、しっかり稼いで打ちまくるのじゃ!
 そのバットに恥じぬようにのう…」

その頃、喫茶店の屋根の上には怪しい影が腰掛けていた。
あの名園運動具店の老店主だ。
老人の左手には一つのグローブがはめられていた。
もちろん単なるグローブではない。かつての持ち主は、あの沢村栄治である。
今度はこれをどこかの球児に渡すのだ―― 甲子園で世紀の対決を見るために。

480 :少年サンデー 平成3年5月増刊号 :2007/11/22(木) 22:37:40 ID:yQwBXg2i
第2話 甲子園に連れてって の巻(前編) 3/3

バイトで資金を得た長島は、『神様のバット』によって順調に予選を勝ち進んだ。
その一方で長島は、今までにも増してバッティング練習を重ねていた。
練習では相変わらず凡打の山だが、本当の実力をつかもうと彼は必死だった。
そんな長島の姿を見て、チームメイトたちも士気を挙げていく。
予選で活躍する長島の知名度によって、喫茶店の客の入りも上々だ。
……マスターは素直に喜びたくないようだが。

バイトと野球に明け暮れながら、長島は予選決勝の前日を迎えた。
仕事を終えて疲れ果てている長島に、ゆたかがバイト料を渡してくれる。
それと一緒に彼女は小さなお守りを差し出した。
どんな球でも打てる魔法のお守り――。
どこかで聞いたようなフレーズに一瞬びっくりする長島だが、
中味は名選手ゆかりの品でも霊験あらたかなおふだでもなく単なる五円玉だそうだ。
試合前でもバイトを休もうとしない長島に、
そんなにお金を貯めて旅行にでも行くのかとゆたかは尋ねる。
長島は笑ってごまかし、じゃあ今度遊びに行こうかと冗談めかして言った。

「え〜〜〜、ほんと〜〜〜〜!!」

予想外に嬉しそうな反応が返り、長島は少し面食らう。
しかし、ゆたかから次に告げられた言葉に、彼は素直にうなずいていた。

「甲子園! 甲子園に連れてって!!」

481 :マロン名無しさん :2007/11/22(木) 23:07:10 ID:???
これ、実際問題どの位の浪費になるんだろうな。
試合の度に金が飛んで行くんじゃたまった物じゃないが

482 :マロン名無しさん :2007/11/23(金) 00:01:55 ID:???
大事な場面にだけピンポイントで使うなら
1試合1000円もありゃなんとかなりそうな気がするけどなあ。
800円でベース吹き飛ばせるなら300円もありゃクリーンヒット打てそうだし。

483 :マロン名無しさん :2007/11/23(金) 00:06:43 ID:???
テラタッチww

>481
どんなに金をつぎ込んでも満塁ホームランまでだから
4点差以上つけられるとつらそうだ
それを考えると試合の序盤からどんどん金が減ってくんでは…

484 :マロン名無しさん :2007/11/23(金) 05:36:02 ID:???
相手の実力も考慮されるのかな?
甲子園レベルになるとヒット一本一万円とか

485 :マロン名無しさん :2007/11/23(金) 08:59:28 ID:???
一話完結かと思ってたらグローブの伏線とは、
まだしばらく続けるんだろうか
YAIBAもやってるのによく書くな

486 :少年サンデー 平成3年5月増刊号 :2007/11/24(土) 22:28:06 ID:???
第2話 甲子園に連れてって の巻(後編) 1/3

「4番サード… 長島くん!!」

ゆたかとの約束を胸に、甲子園予選の決勝を迎えた長島。
しかし対戦相手は、千円の打球をも止める手強いチームだった。
先攻 ・ 豪商、後攻 ・ 港南、ともに得点できぬまま試合は進む。
ゆたかはその模様を一人スタンドで観戦していたが、
ちょうど八回が終了したところで彼女の父親が姿を現した。
ゆたか父はやって来て早々、港南とその4番のふがいなさに嫌味を言う。
応援しに来たんじゃないのかと文句を言う娘に、ゆたか父は答えた。

「相手の応援だよ、甲子園のバッターボックスに
 長嶋茂雄は二度と立たせたくないからな!!」
「じゃあ向こうのスタンド行けば!」

そうこうする内に始まった、九回表の豪商の攻撃。
ここまで好投を続けてきたキャプテンの有藤が、
疲労から制球を乱し、二死満塁のピンチを作ってしまう。
長島の好守備により事なきを得たが、
もはや有藤は限界、延長に入っては不利と長島は悟った。

九回裏。今度は逆に、港南が二死満塁のチャンスを得る。
バッターボックスには4番の長島。
彼は残りのバイト代 ・ 8千8百59円をポケットに入れ、勝負に挑んだ。
チームのためにも、期待を寄せる観客のためにも、
そして、彼女との約束のためにも―― なんとしても打たねばならない。
向かってきたボールを長島は思いきり引っ張った。

487 :少年サンデー 平成3年5月増刊号 :2007/11/24(土) 22:29:43 ID:???
第2話 甲子園に連れてって の巻(後編) 2/3

ファール。
勢いよく飛んだ打球はポールの左を越えて、スタンドの向こうへと消えていった。

「「お、おっしぃ〜〜〜〜!!」」

重なった声に気付いて、ゆたかは父親の顔を見る。
ゆたか父は顔を赤らめてせき払いをした。

「オ、オホン! もーちょっと詰まってりゃーレフトフライだったな…」

長島その頃、呆然として立ち尽くしていた。
全財産の8千8百59円がファール。
どうやら決意のあまり力みすぎてしまったようだ。
事情を知らないナインは今度こそホームランと応援の声を上げるが、
金がなくなってしまっては 『神様のバット』は使えない。
なすすべなくバッターボックスに立つ長島。
相手ピッチャーの球威はいまだ衰えない。
ツーストライクと追いつめられた長島は、ひとまずタイムを要求した。
とは言え、金がなくてはどうにもならない。
このままでは彼女との約束も果たせなくなってしまう。

『甲子園に連れてって…』

そのとき長島は思い出した。
彼女からもらったお守りのことを。

―― 中味はただの五円玉よ!

488 :少年サンデー 平成3年5月増刊号 :2007/11/24(土) 22:31:57 ID:???
第2話 甲子園に連れてって の巻(後編) 3/3

長島はゆたかのお守りをポケットに入れて打席に戻った。
文字通りの祈るような思いで彼は投球を待つ。

(神様… 少ないけど、どうか…)

(甲子園に ご縁が、ありますように!!)

思い切り振り抜いた長島の当たりは、ボテボテの三塁ゴロ。
虚を突かれた三塁手が慌ててダッシュするが、バックホームは間に合わない。
送球は一塁へ。長島は必死に走り、頭からベースに突っ込む。
塁審の判定はセーフだった。
観客席がわきかえり、長島は胸を撫で下ろす。
ゆたかの父も、娘と一緒になって喜んでいた。

(最後はちょっとかっこ悪かったけど…
 五円だから… しゃーねっか!)

歓喜の渦の中、外野席の一角では、
名園運動具店の店主が満足げにスポーツ誌を眺めていた。

「ホッホッホッ。これで役者がそろったわい。
 沢村とベーブ・ルースの再対決じゃ!!」

紙面には甲子園出場を決めた大金高校の記事と、
その大金のピッチャー、『怪物 稲尾』の写真が掲げられている。
やがて至るだろう因縁の対決のことを、長島少年はいまだ知らない。

489 :マロン名無しさん :2007/11/25(日) 00:14:17 ID:???
親父はいいツンデレだなw
つーか長島VS稲尾だと稲尾の圧勝で終わりそうだがそれでいいのか?

490 :マロン名無しさん :2007/11/25(日) 00:30:55 ID:???
話は楽しいけど元ネタの選手がよくわからん
長嶋の現役時代も知らんし・・・稲尾って有名な人?
この漫画の対象年齢はいったい何歳なんだぜ

491 :マロン名無しさん :2007/11/25(日) 00:51:34 ID:???
長島は今で言えば清原から長打力を少し引いて
打率と足と人気を足した選手。
稲尾は今で言えば斎藤雅樹にタフネスを足した上に
日本シリーズでもちゃんと大活躍する選手。

492 :マロン名無しさん :2007/11/25(日) 08:48:38 ID:???
そうか、最近の子供はもう神様仏様稲尾様も知らないんだな。

493 :マロン名無しさん :2007/11/25(日) 17:00:32 ID:???
あといったいどれほどの金額を費やすことになるのか・・・
恐ろしいな

494 :少年サンデー 平成3年10月増刊号 :2007/11/26(月) 22:34:34 ID:???
第3話 自信をもって の巻(前編) 1/3

ついに甲子園での初戦を迎えた港南高校。
そこは今までとは比べようもない大舞台であった。
4番の長島が打席に入っただけで、満員のスタンドからは大歓声。
ホームランを求める観客の声を聞きつつ、長島は神様のバットを構えた。
この日のために夏休みをつぶしてバイトし続けてきたのだ。

対する梅商学園のピッチャーは、大会屈指の好投手。
ど真ん中へのストレートに見えた初球は、実は落差の大きいフォークボールだった。
予期せぬままにバットを振ってしまった長島だが、
ワンバウンドしたフォークボールを、そのスイングがしかと捉える。
思い切りすくい上げる形になった打球は、伸びに伸びてスタンドの外へと消えていった。
なんと長島茂雄、甲子園の初打席は場外ホームランである。

「うおおおお!! 長島ぁ〜〜〜〜!!」

先制の一点を上げた長島を、先輩の五番打者 ・ 柳田が出迎えた。
熱烈な抱擁で長島を締め上げた柳田は、
今度はオレの番だと気炎を吐いてバッターボックスへと入っていった。
結果はこの上なく豪快な空振り三振。

「柳田〜〜! 気持ちだけはレフトスタンドだったなあ…」

悔しがりつつ戻ってきた柳田を、ベンチのナインが冗談で迎えた。

「チッチッチッ… レフトスタンドなんて、ちーさいちーさい…
 当たれば月まで届いてたぜぇ!!」

柳田の大げさな物言いに、ベンチの皆も笑い声を上げる。
彼はこのチームの良きムードメーカーのようだ。

495 :少年サンデー 平成3年10月増刊号 :2007/11/26(月) 22:36:52 ID:???
第3話 自信をもって の巻(前編) 2/3

『4番サード、長島くん!!』

試合は進んで四回の裏、ワンアウト二塁で長島に打順が回った。
しかし、梅商学園はここで敬遠策。
長島を歩かせて、次の柳田との勝負を選ぶ。
この屈辱に怒りを燃やす柳田だが、打った結果は4・6・3のダブルプレー。
追加得点のチャンスをつぶしてしまった。

「いやー、スマンな、長島!!」
「いえいえ、まともに当たってりゃー、火星まで飛んでましたよ」
「くぬやろ!!」

さすがに少し気後れした様子の柳田に、長島は嫌な顔一つせず冗談で返した。
そんな明るい光景の一方で梅商学園の監督はにやりと笑みを浮かべる。

「この試合、勝てるかもしれんぞ…」

試合は1対0のまま、六回裏の港南の攻撃を迎えた。
二死一塁・二塁のチャンスでバッターは長島茂雄。
しかし梅商学園は、満塁の危険を冒してまで4番の長島を歩かせた。
こうなると治まりがつかないのは柳田だ。

(この柳田の下に、二匹目のドジョウはいねーってことを…)

「わからせてやるぜ!!」

496 :少年サンデー 平成3年10月増刊号 :2007/11/26(月) 22:40:43 ID:???
第3話 自信をもって の巻(前編) 3/3

だが切れのいいフォークを前に、柳田のバットは空を切った。
三球三振。柳田は勢い余って尻もちをつく。

「いやー、今のは当たってたら銀河まで飛んでましたよ!」

塁から戻ってきた長島は、柳田の背中に明るく声をかけた。
しかし、泥だらけのユニフォームで起きあがる柳田に、
いつものあの陽気さはなかった。

「いや… 今のは当たってもピーゴロだったよ… ハハハ…」

長島の頑張りにいっこうに応えられない自分のことを、
柳田は不甲斐なく思わずにはいられない。
だが、その落ち込みがたたって集中力を欠いた柳田は、
9回の表、エラーによって梅商学園を同点に追いつかせてしまう。
勝利を目前にしたこの失態に、ますます落ち込む柳田。
監督はまた長島が打ってくれるさと気にもしていない様子だが、
ベンチに戻った柳田は、無言で顔をうつむけていた。
そんな先輩の姿を見て、なんとかしなくてはと長島は思う。

(なんとかしなきゃ先輩がダメになっちゃう… なんとかしなきゃ!!)

497 :マロン名無しさん :2007/11/26(月) 22:42:25 ID:???
なんかルックスのよくない小次郎みたいなのが出てきたなw

498 :マロン名無しさん :2007/11/26(月) 23:06:46 ID:???
港南の監督使えないな…

499 :マロン名無しさん :2007/11/27(火) 05:31:24 ID:???
これはやられる方はムカつくだろうな

500 :マロン名無しさん :2007/11/27(火) 20:45:38 ID:???
これは対長島だったら敬遠最強だな
他の対戦相手もみんなそうすればいいんじゃね?

501 :マロン名無しさん :2007/11/28(水) 00:05:26 ID:???
青山が野球好きだったなんてショック

502 :マロン名無しさん :2007/11/28(水) 00:14:05 ID:???
>>501
熱烈なジャイアンツファンだぞ

503 :マロン名無しさん :2007/11/28(水) 21:33:24 ID:???
>>497
お前、それは柳田先輩に失礼だろ…

504 :少年サンデー 平成3年10月増刊号 :2007/11/28(水) 22:26:34 ID:???
第3話 自信をもって の巻(後編) 1/3

1対1で迎えた九回の裏。
ランナーを出せぬままツーアウトを取られた港南だが、
ここでバッターボックスに入るのは4番サード ・ 長島茂雄。
ところが梅商学園はこの期に及んでも敬遠策を取る。
あえてサヨナラのランナーを出してまで、5番の柳田との勝負を選んだのだ。
フォアボールの声に、外野スタンドからは大きなため息が漏れた。

「柳田先輩!!」

ネクスト・バッターズ・ボックスでうつむく柳田に、
長島は 『神様のバット』を持って駆け寄った。

「よかったらオレのバット、使ってくれませんか?」

長島はそれを幸運を呼ぶバットだと説明し、柳田に手渡した。
すっかり自信を失っている柳田は元気のない言葉を返すが、
長島はそんな彼を励まし、一塁ベースへと走っていった。
―― 別れ際、柳田のポケットにこっそり千円札を押し込んで。

あとは 『神様』の力で打つだけと、長島は柳田の打席を見守る。
柳田への第一球は、あの大きく落ちるフォークだった。
これをキャッチャーが逸らしてしまい、長島はその間に二塁を踏んだ。
柳田がフォークを苦にしている見た長島は、
ピッチャーのモーションを盗んで三塁ベースへと駆け出した。
頭から滑り込んで、見事に三盗成功。
これで捕逸のリスクがあるフォークは投げにくくなった。

505 :少年サンデー 平成3年10月増刊号 :2007/11/28(水) 22:28:12 ID:???
第3話 自信をもって の巻(後編) 2/3

ワンストライク・ワンボールとなっての第三球、
ピッチャーは柳田に対してストレートを投じる。
しかし長島の思いもむなしく、柳田はバットを振ることができない。
長島が走ってくれたことの意味は分かってはいるが、
今の彼にはどんな球も打てる気がしなかった。
そしてツーエンドワンからの第四球。
ここで思いもかけぬことが起こる。
なんとピッチャーの投げた球がすっぽ抜け、
キャッチャーの頭上を越える大暴投となったのだ。
三塁の長島が一気にホームを駆け抜け、港南高校のサヨナラ勝ち――。
球場の誰もがそう思った。

しかし次の瞬間、観客も双方のナインも呆気に取られていた。
彼らが見たのは、三塁上で微動だにしない長島の姿だった。

(逃げちゃダメです… 先輩!!)
(自信をなくしたままで、終わっちゃいけません!!)

(打ってオレをかえしてください、先輩!!)

506 :少年サンデー 平成3年10月増刊号 :2007/11/28(水) 22:30:10 ID:???
第3話 自信をもって の巻(後編) 3/3

長島の声なき声を柳田は聞く。
彼はしかとバットを握って、ピッチャーへと向き直った。

(しらねーぞ、どーなっても…)

そのとき、一陣の風がバッターボックスに吹き込んだ。
ときならぬ突風にあおられ、柳田のポケットからは千円札が飛んでいく。
思わず青ざめる長島。しかしピッチャーは既に投球フォームだ。
柳田は気合いの声を上げながら思い切りバットを振り抜いた。
打ち損ねの打球が高々と内野に上がる。
飛んだコースが良かった。ボールが向かったのはちょうど野手の間隙。
飛びついた内野手のグラブの先、打球は落ちて内野ヒットを記録した。
港南高校、今度こそサヨナラ勝ち。

「うおーっ、長島あ!! お前のおかげだあ〜〜!!」

ホームインした長島に、柳田が涙を浮かべて駆け寄ってくる。
祝いの紙吹雪と、それにまぎれて飛ぶ千円札を見ながら長島は思った。

(違いますよ、先輩… 打てたのは…)
(先輩の実力ですよ!)

507 :マロン名無しさん :2007/11/28(水) 22:33:35 ID:???
ええ話や…

508 :マロン名無しさん :2007/11/28(水) 22:39:40 ID:???
しかし一プレイヤーとしてはどうなんだろうな、これ

509 :マロン名無しさん :2007/11/29(木) 08:34:28 ID:???
長島はいい奴だな
こんな性格のいい主人公、なかなか見ないぞ

510 :マロン名無しさん :2007/11/29(木) 17:26:12 ID:???
長島はいい奴だが、主人公株が暴落中

511 :マロン名無しさん :2007/11/29(木) 17:43:59 ID:???
これはちょっといい話

512 :少年サンデー 平成4年4月増刊号 :2007/11/30(金) 23:18:21 ID:???
第4話 打倒! 頭脳野球 の巻(前編) 1/4

甲子園の第三回戦へと進んだ港南高校。
長島は今日も3安打5打点の大活躍だ。
チームの勝利のためにも、観客の期待に応えるためにも、
そしてスタンドで応援してくれる ゆたかのためにも、
長島はバイト代をはたいて打ちまくる。
試合は見事に港南高校の勝利。これでついにベスト8だ。

しかし球場からの帰路、長島は何やら考え込んでいた。
試合の中で一度だけ、凡打に終わってしまった打席があったのだ。
確かにポケットに入れたはずのお金も、消えずに残ったままだった。

「右のポケットに入れたからじゃよ…」

首をひねる長島に声をかけたのは、あの名園運動具店の老店主だった。
店主は 『神様のバット』について、一つだけ伝え忘れていたという。
それはお金を入れるポケットのこと。
理屈は分からないが、右バッターは左のポケットと決められているらしい。
長島は例の打席で、いつもと逆の右ポケットを使ってしまっていた。
店主に礼を言い安心して帰る長島。しかし彼は気付いていなかった。
試合中、スタンドから注がれていた視線のことを――。

513 :少年サンデー 平成4年4月増刊号 :2007/11/30(金) 23:20:05 ID:???
第4話 打倒! 頭脳野球 の巻(前編) 2/4

そして準々決勝 ・ 第二試合、超満員の甲子園で
愛出(あいで)学院と港南高校の対決が幕を開けた。
2回の裏、長島は大きな声援を受けつつ最初のバッターボックスに入る。
今日はお金を入れるポケットにも間違いはない。

「ほう… その左ポケットに何かあるのかな…?」

不意に話しかけられて、長島は後ろを振り返った。
眼鏡のキャッチャーが長島を見上げ、からかうように言った。

「お守りか、それとも………
 かわいい女の子の写真かな……?」

いわゆる、ささやき戦術だろうか。
長島は苦笑いでごまかし、打席に臨んだ。
打球は左中間へと向かう鋭い当たり。
いつもの長島の打球なら外野の壁にまでめり込むところだろう。
だが驚いたことに、飛んだボールの先には外野手の全員が集まっていた。
愛出学院は三人がかりで長島の打球をアウトにしてしまう。

514 :少年サンデー 平成4年4月増刊号 :2007/11/30(金) 23:23:16 ID:???
第4話 打倒! 頭脳野球 の巻(前編) 3/4

「ど、どおして……?」 「頭脳野球だよ…」

スタンドで驚くゆたかに、ゆたかの父が説明する。
愛出学院は打者の打つ方向をあらかじめ予測し、
それに合わせてシフトを組んでいる。
この作戦が、あらゆる打球を封じ込めることを可能にしているのだ。
もちろん、シフトの裏をかけばそこはガラ空きだが、
無理をして打ってもフォームが崩れ、凡打の山に終わってしまう。
すべてを仕切るのは愛出のキャッチャー―― 頭脳野球の野村勝哉である。

「ハハハ… こいつはかなり手強いぜ…」

父親の態度とは対照的に、ゆたかは不安げな色を浮かばせた。
ゆたかの不安どおり、港南は得点できないまま6回の表を迎える。
場面はワンナウト二塁。愛出学園の先制のチャンスである。
だが、愛出学園はこの場面でサードへの無謀な盗塁を仕掛け、
せっかくのチャンスをつぶしてしまう。

515 :少年サンデー 平成4年4月増刊号 :2007/11/30(金) 23:26:11 ID:???
第4話 打倒! 頭脳野球 の巻(前編) 4/4

ここで一気に反撃と行きたいところだが、
第三打席の長島はキャッチャーフライに倒れてしまった。
ちゃんとお金も入れたはずなのに、なぜ打てないのか――。
困惑している長島に、愛出のキャッチャー ・ 野村が声をかけた。

「落とし物だぜ、長島くん?」

差し出されたのは、ポケットに入れていたはずの千円札。
なんと長島の左ポケットには大きく穴があいていた。
これでは 『神様のバット』を使うことができない。
ショックを受ける長島の姿を見て、野村はニヤリと笑みを浮かべた。

長島はまだ気付いていないが、実はポケットの穴は
野村の作戦によってあけられたものだった。
6回表のあの盗塁のとき、二塁から来たランナーが
三塁手である長島のポケットをこっそり破いていたのだ。
事情を聞いて、どういうことかと詰め寄る監督に野村は説明した。

バッターの中にはゲンを担ぐ者がいる。
調子がいいときはひげを剃らなかったり、打席には必ず右足から入ったり――。
長島のそれは「左ポケットにお金を入れること」というわけだ。
まだ右のポケットが残ってはいるが、右ポケットを使ったとき
長島が凡打に終わったことを、野村は先日の偵察でしかと見届けていた。

「お、おまえ、そんなことまでして勝ちたいのか!?」
「ああ、勝ちたいね…」

野村は監督の言葉に平然と返した。

「どんな手を使っても………」

516 :マロン名無しさん :2007/11/30(金) 23:35:46 ID:???
野村に訴えられたりしないのかな

517 :マロン名無しさん :2007/11/30(金) 23:59:20 ID:???
ノムさんキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!
てか青山どう見ても野村が嫌いだろww

518 :マロン名無しさん :2007/12/01(土) 05:33:38 ID:???
陰険ってレベルじゃねえぞwwwww

519 :マロン名無しさん :2007/12/01(土) 09:33:27 ID:???
今年はヤクルトどうかなぁ……

520 :マロン名無しさん :2007/12/01(土) 23:42:27 ID:???
愛出=IDか
本家長嶋は天然すぎて
ささやき通用しなかったらしいけどな

521 :マロン名無しさん :2007/12/02(日) 20:24:29 ID:???
テンプレ過ぎる悪役描写に吹いた。
青山露骨過ぎだろw

522 :少年サンデー 平成4年4月増刊号 :2007/12/02(日) 21:15:40 ID:???
第4話 打倒! 頭脳野球 の巻(後編) 1/3

主砲の長島を封じられた港南は、
守備に回っても愛出学院に苦しめられていた。
なんと愛出は初回から34人連続バント。
これに徹底した選球が加わり、既に球数200球を越している有藤は、
疲れから守備を乱して二死満塁のピンチを招く。
そしてとうとう先制の1点を奪われてしまった。

(これでとどめだ!!)

野村はたたみかけるように、バッターにバントの指示を出した。
ピッチャーマウンドの前に転がった打球を、有藤はたまらずこぼしかける。
だが、フォローに入った長島がこれを見事に一塁へ送球した。
アウトを取りピンチを切り抜けた港南高校は、
九回裏を前にして、1点のビハインドという格好だ。

『4番、サード… 長島くん』

ツーアウトながら一塁にランナーを置き、打順は長島に回った。
長島は左ポケットの穴をテープで応急処置していた。
中には五千円札を入れてある。ここで打てば逆転サヨナラだ。
だがそのとき、野村がおもむろにタイムを要求した。
そして長島には気取られぬまま、ふさがれたポケットを破り取ってしまう。

度重なるアクシデントにあせる長島。
やむなく右ポケットにお金を入れて構えるが、
やはり先日のようにバットは空を切るだけだ。

523 :少年サンデー 平成4年4月増刊号 :2007/12/02(日) 21:17:24 ID:???
第4話 打倒! 頭脳野球 の巻(後編) 2/3

「クックックッ すべて計算どおりだよ…」

大きく空振りした長島に、野村が勝ち誇った口調で話しかける。
シフトもバント作戦も、そしてポケットを引き裂いたことも、
すべては甲子園のアイドル ・ 長島茂雄を打ち負かし、
自分の緻密な頭脳野球を世間に認めさせるための作戦だったのだと。
野村は長島の野球を、ただの運まかせと言い、せせら笑う。

「おまえがオレに勝つことは、天地が逆さまになってもありえんよ…」

長島はタイムを要求した。
怖じけづいたわけではない。
野村の 『逆さま』という言葉を聞いて思いついたのだ。

(左ポケットが右バッターなら… もしかして…)

―― 右ポケットは、左。

なんと長島は左のバッターボックスに足を踏み入れた。
右打ちの長島はこんな行動に出るなど、もちろん初めてのことだ。
愛出陣営をはじめ、港南ナインも客席のゆたかも驚きの色を隠せない。
こけおどしと決めつけた野村は外野に前進のサインを出す。
しかしゆたかの近くの席で、誰かがこう言って立ち上がった。

「決まりやな…」

524 :少年サンデー 平成4年4月増刊号 :2007/12/02(日) 21:19:42 ID:???
第4話 打倒! 頭脳野球 の巻(後編) 3/3

そのユニホーム姿の少年が立ち去るのと同時、
長島の引っ張った打球が一塁線を貫いた。
ボールはベースをバラバラに破壊し、がら空きになっていたライトを襲う。
まずは同点のランナーがホームイン。打った長島は迷わずに二塁を回る。

(さ、三塁打か!?)

ボールは中継からサードへと投げられた。
しかし野村の思惑を越えて、長島は三塁さえも駆け抜ける。
サードからのバックホーム。頭から本塁に突っ込む長島。

「野球は、計算じゃね――!!」

野球は、そう―― 筋書きのないドラマだ。
長島はキャッチャーの野村を吹き飛ばしてホームインを奪った。
まさかの逆転サヨナラ ・ ランニングホームラン。
港南高校はついに準決勝進出を決めたのだ。

球場の大歓声を背後に聞きながら、
スタンドにいたあの少年が自信たっぷりの笑みを浮かべる。

「長島… おまえを倒すのは…
 この沢村栄治のグローブを持った… この稲尾や!!」

525 :マロン名無しさん :2007/12/02(日) 21:49:10 ID:???
野村いいとこなしでオワタ

526 :マロン名無しさん :2007/12/03(月) 01:18:20 ID:???
やっぱりこのオチだったか

527 :マロン名無しさん :2007/12/03(月) 15:38:17 ID:???
ノムさん嫌われすぎワロタ

528 :マロン名無しさん :2007/12/04(火) 16:07:07 ID:???
稲尾との対決はたぶん決勝だよな
沢村グローブは球速がすごいとかそんな感じか?
ベーブバットとどっちが有利なんだろう

529 :少年サンデー 平成5年1月増刊号 :2007/12/04(火) 22:10:22 ID:???
第5話 怒りの一打 の巻(前編) 1/4

準決勝第1試合、港南高校とYK(ヤンキー)学院の対決は、
一回裏にさっそく長島のツーランホームランが飛び出した。
バックスクリーンのはるか上に飛んだ打球は、
そこにある時計を破壊するほどの威力であった。

「よう長島、今日はまた一段とスゲー当たりだな――!!」
「は、はい、バイト料 前借りできましたから…」

ぽかんとする柳田を置いて長島はベンチへと戻っていった。
……甲子園が終わったら当分はただ働きである。
長島の健闘に応えるように、キャプテン ・ 有藤のピッチングも絶好調。
観客席では、勝利は確実と喜ぶゆたかに対し、
ゆたか父がまだ試合は分からないと言って意地を張っていた。

そんな四回の表ツーアウトの場面で、YK学院の打者は空振りの三振。
しかし、その拍子にバッターの手から飛んだ金属バットが、
ピッチャー有藤の左のすねに直撃してしまった。
立ち上がって平気そうにベンチへ引き上げる有藤だが、
ゆたかの父はダメージは軽くはないと見破っていた。

「こりゃー雲行きが怪しくなってきやがったぜ…」

530 :少年サンデー 平成5年1月増刊号 :2007/12/04(火) 22:12:17 ID:???
第5話 怒りの一打 の巻(前編) 2/4

「もお、お父さん!! 応援しないんならあっち行ってよ!!」
「ああ、だから。お空の雲行きがね…」

娘の剣幕に、ゆたかの父はタジタジとなってごまかしたが、
確かにその言葉のとおり、空には暗雲が立ち込めつつあった。
守備に向かうYK学院の選手たちがニヤリと笑う。

「さあ… しまっていこうか…」

四回裏の港南高校の攻撃。空からは雨が降り出していた。
この回打席を迎えた長島は、左の脇腹にデッドボールを受けてしまう。
YK学院のピッチャーはここまで既に死球が8個。
いっこうに制球が定まらない様子だが――。

「わるいわるい… 雨で手が… すべっちまってよー…」

五番打者の柳田は、相手ピッチャーの言葉に怒りを燃やし、
ツーアウト一塁でバッターボックスに入った。
打った当たりはボテボテだが、野手の間に転がる面白い打球だ。

531 :少年サンデー 平成5年1月増刊号 :2007/12/04(火) 22:14:25 ID:???
第5話 怒りの一打 の巻(前編) 3/4

全速力で一塁へ走る柳田。そのときYK学院のファーストが、
ベースにかけた足をさりげなく後ろに引いた。
柳田は相手の足につまずいて激しく転倒する。
判定はアウトで、スリーアウト ・ チェンジ。
ランナーの長島からは雨で足を滑らせたように見えたが、
柳田はこのプレーでYK学院の意図を悟った。

「あいつらわざと引っかけやがった…」
「ま、まさかあ…」

五回の表、ピッチャーの有藤は急に調子を落とし、
YK学院に同点に追いつかれてしまう。
やはり左足を痛めたことが影響しているようだ。
なおも一死満塁のピンチだが、続く打者はどうにかゲッツーコース。
しかし、セカンドの山岸がファーストへ送球しようとしたとき、
ベース手前でつまずいた一塁ランナーの足が彼の脳天を襲った。
強烈なかかと落としを受けて、たまらずボールを落とすセカンド。
この間に三塁ランナーが生還して、港南は3対2と逆転されてしまった。
セカンド山岸は立ち上がれずに、そのままタンカで運ばれていく。
柳田は思わず相手ランナーにつかみかかったが、
YK学院の1番は雨のせいだと言い張るばかりであった。

532 :少年サンデー 平成5年1月増刊号 :2007/12/04(火) 22:15:44 ID:???
第5話 怒りの一打 の巻(前編) 4/4

その後も続くYK学院のラフプレーにより、港南には負傷者が続出する。
控えの選手も底をつき、得点差は次第に広がっていた。
こうして7点差で迎えた七回の裏。
ワンアウト一・三塁というチャンスで打順は長島に回った。
このチャンスを逃すわけにはいかないと、長島はポケットに五千円を入れる。
しかし彼を待ち受けていたのは頭部直撃のデッドボールであった。
倒れ込む長島に港南ナインが慌てて駆け寄る。
帽子を取って形だけ頭を下げる相手ピッチャーを前に、
港南ナインたちは我慢の限界を迎えていた。
しかし拳を握る柳田を、長島の声が制止した。

「ダ、ダメです、先輩…
 野球はケンカじゃ… ありません…」

起きあがった長島は、こめかみに血を流しながらも、
他のナインたちへしっかりとした笑みを向けた。

「オレたちだけでもやりましょうよ… 野球を…」

533 :マロン名無しさん :2007/12/04(火) 22:56:53 ID:???
キャプテンが地味にいい投手な件について

534 :マロン名無しさん :2007/12/04(火) 23:10:08 ID:???
>YK(ヤンキー)学院

このネーミングはひどい

535 :マロン名無しさん :2007/12/05(水) 06:51:50 ID:???
ちょww青山は野球嫌いなんじゃないかwww

536 :マロン名無しさん :2007/12/06(木) 13:45:10 ID:???
>>534
PLが元になってそうなところがまた何とも

537 :少年サンデー 平成5年1月増刊号 :2007/12/06(木) 21:48:24 ID:???
第5話 怒りの一打 の巻(後編) 1/4

「オレたちだけでもやりましょうよ… 野球を…」

長島のこの言葉で火がついたように、港南打線は猛反撃を開始する。
そして八回の裏を終えた時点で、ついに2点差まで詰め寄った。

「ヤバイですぜ、このままじゃ…」
「なーに、心配するな。あと一人つぶしゃーいいんだよ…」

YK学院のピッチャーは、ベンチの奥で陰険な笑みを浮かべた。

「野球は8人じゃできねーからよー…」

九回表、YK学院は追加得点を奪えないままツーアウト。
ここでYKの打者は一塁線にセーフティ・バントを試みた。
ファースト柳田はこれをしっかりと抑え、余裕を持ってベースを踏んだが、
そこに猛然と突っ込んできたバッターが柳田の腕に激しい体当たりを見舞った。
なんとかスリーアウトは取ったものの、
このプレーにより柳田は、右腕の骨を折られてしまう。
長島は柳田に肩を貸してベンチへ引き上げながら、
YK学院のあざけりの声に、静かな言葉を返した。

「大丈夫ですよ… 先輩に打順がまわる前に、ウチが勝ちますから…」

538 :少年サンデー 平成5年1月増刊号 :2007/12/06(木) 21:49:24 ID:???
第5話 怒りの一打 の巻(後編) 2/4

九回裏。得点は9対7。YK学院が2点のリード。
港南高校はツーアウトながら満塁のチャンスを迎えた。
バッターボックスに入るのは4番の長島。
既に長島は明日の決勝のことなど考えに入れていない。
残りの持ち金、2万6千8百円をポケットに突っ込み、バットを構える。

次の打者である柳田はとても打席に立てる状態ではない。
ここで試合を決めなければ港南の負けは確定的だ。
しかし、それを見越しているがゆえにYK学院は敬遠策に出た。
押し出しで一点が入っても、次の柳田を打ち取れば問題はない。
だがノースリーからの四球目、長島はなんとバットを振った。
続く五球目に対しても、やはり空振りをしてみせる。

「へっ… なめやがって…」

長島の静かな挑発に、YK学院のピッチャーは口元を歪める。
彼は固くボールを握り、投球フォームに入った。
敬遠のためではなく、長島の頭にもう一度ぶつけるために――。
向かってくるボールに対し、長島はバットを振り上げた。

(野球はケンカじゃない… だけどオレは…
 このチームだけには、絶対…

 負けたくない!!!)

振り下ろされたバットが、弾丸のごとき打球を放つ。
ボールは相手ピッチャーの帽子を引き裂き、センターの壁に突き刺さった。
走者一掃のツーベース。港南高校は逆転のサヨナラ勝ちを決めた。

539 :少年サンデー 平成5年1月増刊号 :2007/12/06(木) 21:50:17 ID:???
第5話 怒りの一打 の巻(後編) 3/4

こうして港南高校は、明日の決勝戦に挑むこととなった。
しかし柳田は腕を骨折、ほかのメンバーも負傷者だらけである。
それでもあと一試合、なんとか頑張ろうと、長島は通路を引き上げる。
だがそのとき、彼は背後から思いもかけない言葉を聞いた。

「そのバットを持っとるくせに…
 あんな無様な試合しかでけへんのか……
 ベーブ・ルースの名が泣くで…」

それは、すれ違いざま、別の高校の選手からかけられた声だった。
相手のはめたグローブに、何か引き合うものを感じる長島。
グローブの持ち主である長身の少年は、驚く長島をよそに、
そのまま準決勝の舞台へと向かっていった。

540 :少年サンデー 平成5年1月増刊号 :2007/12/06(木) 21:52:07 ID:???
第5話 怒りの一打 の巻(後編) 4/4

港南高校 対 YK学院に続く、準決勝の第二試合。
対戦するのは、チーム打率5割を誇る、赤潮打線の百獣工業と、
大会ナンバーワン投手を擁する大金(おおがね)高校だ。
大金のピッチャー ・ 稲尾は、観客の注目の中、第一球を投げた。

『ス、ストラーイク!!!』

スタンドが一瞬静まりかえるほどの剛球が、ストライクゾーンを貫いた。
観客の大歓声を受けながら、稲尾は順調に投球を重ねていく。
大金の一点リードで、試合は九回の裏を迎えた。
一点を追う百獣工業は、すでにツーアウトを奪われ、カウントはツーナッシング。
いつしか球場は奇妙なほどに静まりかえっていた。

『豪打を誇る百獣工業… いまだノーヒット…
 それどころか… ひ、一人のランナーも、出していません…
 つ、つまり… これは……』

最後の一球に、百獣のバットが空を切る。

『パ、パーフェクトゲーム!!!』

なんと稲尾は完全試合によって、決勝への進出を決めた。
スタンドでは、あの名園運動具店の老店主が
金の貯まったビンを抱え、楽しそうにグラウンドを見下ろしていた。

「ホッホッホッ… 待っていたぞ、この時を…
 ベーブ・ルースと沢村栄治が再対決する… この時を!!!」

541 :マロン名無しさん :2007/12/06(木) 21:53:08 ID:???
>「そのバットを持っとるくせに…
>あんな無様な試合しかでけへんのか……

どうしても「この貧乏人めが!」と言われている感が拭えんなw

542 :マロン名無しさん :2007/12/06(木) 23:06:46 ID:???
こんな理由で決勝に出られない柳田先輩・・・
しかも最後の甲子園だよな、長島が2年だから

>541
そうか、それで相手は「大金高校」・・・なのか!?

543 :マロン名無しさん :2007/12/07(金) 05:30:05 ID:???
グローブだと一球毎に金取られるのか?
かかる費用はバットの数十倍か……。

544 :マロン名無しさん :2007/12/07(金) 13:45:35 ID:???
バットの方がファールでも金取られること考えると1球ごとにかかるだろうな。
せめて打者一人ごとにして欲しいよなあw

545 :マロン名無しさん :2007/12/07(金) 18:56:16 ID:???
単価は安くなってると思う。1球100円くらい。

546 :マロン名無しさん :2007/12/07(金) 20:12:23 ID:???
しかし百円玉を百枚単位で用意してマウンドに立つのもどうかと思う

547 :マロン名無しさん :2007/12/07(金) 20:17:15 ID:???
しかしチーム打率5割なんてとんでもない努力の上に成り立ってるだろうに
あっさり金の力に封じ込められるとは哀れでならんな…

548 :マロン名無しさん :2007/12/07(金) 21:11:44 ID:???
>>546
人間貯金箱だなww

549 :マロン名無しさん :2007/12/08(土) 04:29:26 ID:pRUfQe1h
YAIBAって何であそこで終わっちまったんだろうな…。
コナンやマジック快斗なんかよりよっぽど面白かったのに。
クサナギを使って闘うNEXTストーリーがあっても良かったように思う。

それかDBの悟空とチチみたいに、刃とさやかが結婚して息子が出来て
その息子がメチャクチャ剣の才能があるみたいな感じにして、その後の
ストーリーに絡ませるとかね。

龍神剣や覇王剣を使ってた戦いとかでは、もう戦闘レベルがDB並だったんな。
DBの剣豪版みたいな感じにしても良かったと思うんだけど、みんなどう思う?

DBとYAIBAだったら、主人公の髪型も似たような感じだし、主人公の
ライバル(ベジータ、鬼丸)の声も同じ声優がやってるしちょうど良かったと
思うんだけどな。

ただ、ちょっとネタが古いんだけど、からくり剣豪伝ムサシロードはYAIBA
よりも好きだったよ。



550 :マロン名無しさん :2007/12/08(土) 05:31:40 ID:???
>>549
連載中スレの楽屋裏 第25幕
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1193389271/

551 :マロン名無しさん :2007/12/08(土) 05:42:44 ID:???
バーロー、YAIBAならまだまだ連載中だろ!
地底編は終わったが新しいシリーズは始まったばかりだしな!
あと、目下の話題は4番サード一色になってるんだぜ(>465参照)

>549
↓のスレの>1,2,4あたりを読むとこのスレの意味がわかる
連載中スレの楽屋裏 第25幕
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1193389271/l50

552 :少年サンデー 平成5年2月増刊号 :2007/12/08(土) 22:09:20 ID:???
第6話 伝説の対決 の巻(前編) 1/4

『野球の神様』とうたわれたベーブ・ルース。
その彼を三振に切って取った沢村栄治。
人々が興奮と感動にわいた対決から約60年。
二人の戦いは、この甲子園球場で再びよみがえろうとしていた。

高校野球史上ナンバーワンの呼び声も高い、大金高校のエース稲尾。
大会通算打率6割8分を誇る、港南高校の4番サード、長島。
果たして二人の対決は、そして優勝旗の行方はどうなるのか。
期待はいやがおうにも高まり、観客席は超満員にふくれあがっていた。

「ケッ、なーにが長島茂雄だ! 本物の長嶋はとっくに引退してんだよ!!」
「しかたないでしょ! 本名なんだから…」

ゆたか親子も、いつもの調子で観戦に来ている。
予選からずっと応援に来ているゆたかは、
今日はひざの上に何やら長細い箱を置いていた。
中身は長島へのプレゼントで、試合が終わったら渡す予定だという。

球場にサイレンが鳴り響き、二校の試合が幕を開けた。
長島の好守備もあり、大金高校の初回は無得点。
裏の港南高校の攻撃に移ったが、稲尾の恐るべき投球の前に
1番打者から3番打者までバットにかすらせることすらできない。
三者とも三振に倒れ、4番の長島に打順がまわることはなかった。

553 :少年サンデー 平成5年2月増刊号 :2007/12/08(土) 22:11:13 ID:???
第6話 伝説の対決 の巻(前編) 2/4

「フン… ベーブ・ルースのバットか…
 せいぜいそのバットで頑張りや…」

ネクストバッターズサークルで息を飲む長島に、
マウンドから降りてきた稲尾が話しかけた。
驚く長島に、稲尾は自分もまた名園運動具店から
沢村のグローブを譲り受けたことを語った。
無論、沢村のグローブもポケットに金を入れねば力を発揮しない。
だだし稲尾は稲尾財閥の御曹司だ。ポケットにはキャッシュカードを入れ、
投げるたびにそこから金が引き落とされることになっていた。

「オレはこの試合に五千万円 用意しとる…
 そんな大金、ポケットに入れへんからなあ…」

五千万円――。バイトと前借りまみれで戦ってきた長島は、
稲尾の言葉に度肝を抜かれ、目を丸くしたまま立ち尽くした。

(う… うそだろ……)

0対0のまま迎えた二回の裏。ついに稲尾と長島の対決が実現する。
期待にわくスタンドの中には、名園運動具店の老店主の姿もあった。
この顔合わせ、仕掛け人である彼にとっては、
待ちに待った 『ベーブ・ルース 対 沢村栄治』の再対決なのである。

554 :少年サンデー 平成5年2月増刊号 :2007/12/08(土) 22:12:37 ID:???
第6話 伝説の対決 の巻(前編) 3/4

長島は五千円をポケットに入れてバッターボックスに入るが、
相手の資金力はその一万倍。
気圧されて手を出せないままツーナッシングと追い込まれる。
とにかく振らなくてはと構え直した三球目は、際どいアウトコース。
長島はボールと判断して見送るが、
球は鋭くカーブしてストライクゾーンに突き刺さった。

「どや!! 沢村は剛球だけやないんやで!!」

最初の対決は稲尾に完全に軍配が上がった。
試合は投手戦となり、双方0得点のまま五回の裏を迎える。
そして再び巡ってきた長島の打順。
またもツーナッシングと追い込まれた長島だが、
今度はカーブにヤマを張って見事にミート。
打球は三塁線へのファールだったが、長島はいくぶん自信を取り戻した。
さすがはベーブ・ルースのバット、と稲尾は小さく笑みを浮かべる。

(だが… ベーブ・ルースは沢村に…)

(負けたんやで!!!)

稲尾の渾身の一球に、取ったキャッチャーが吹き飛んだ。
もろともに壁際へ倒れ込んだ主審が、バッターアウトを告げる。
これが稲尾の本気の投球だ。
長島は固唾(かたず)を飲んで立ち尽くすしかなかった。

555 :少年サンデー 平成5年2月増刊号 :2007/12/08(土) 22:13:33 ID:???
第6話 伝説の対決 の巻(前編) 4/4

なおも0対0のまま、試合は七回表に進んだ。
昨日の準決勝で負傷者が続出した港南は、ここへ来てナインの疲れが見え始める。
四球とエラーで一死満塁。バッターは3番の稲尾だ。
『沢村のグローブ』から点を取ることが難しい以上、
ここで先制されては港南は圧倒的に不利である。
しかし稲尾はレフトへの犠牲フライを決め、あっさりと一点を先取してしまった。
なんとか後続は断ったものの、ベンチへ戻る港南ナインの足取りは重い。
エースとして、主将としてチームを引っ張ってきた有藤も、落胆の色を隠せなかった。

「あきらめちゃダメです、キャプテン!!」

うつむいていた有藤の背に長島が声をかけた。

「オレ、次の打席…… 必ず打ちますから…
 あきらめないでください!! 絶対に!!!」

必死の眼差しでそう告げ、ベンチに戻る彼を、有藤は驚いたように見つめていた。

556 :マロン名無しさん :2007/12/09(日) 00:25:02 ID:???
キャッチャーが吹っ飛ぶって…

557 :マロン名無しさん :2007/12/09(日) 00:41:07 ID:???
世の中カネか・・・

558 :マロン名無しさん :2007/12/09(日) 08:34:26 ID:???
キャッシュカードと来たかw

559 :マロン名無しさん :2007/12/09(日) 15:53:37 ID:???
沢村のグローブって言っても、
投げる方の手はグローブ関係なくね?

というのは、つっこんではいけない所だろうか

560 :マロン名無しさん :2007/12/09(日) 17:16:24 ID:???
フォーエバー神児くんなんて
もっと関係なさそうなヘルメットかぶることで
スーパーエースになったんだぞ

561 :マロン名無しさん :2007/12/10(月) 00:54:05 ID:???
これが金の力なのか

562 :マロン名無しさん :2007/12/10(月) 06:28:32 ID:???
こいつらプロにスカウトされて毎日試合するようになったら一年で破産するんじゃないか?
年俸が何億あっても足りるまい

563 :マロン名無しさん :2007/12/10(月) 12:37:46 ID:???
落合ですら2億いかねーもんな。
稲尾なんて年30試合登板するとしたら15億かかるぞw

564 :少年サンデー 平成5年2月増刊号 :2007/12/10(月) 23:17:17 ID:???
第6話 伝説の対決 の巻(後編) 1/6

試合は進んで八回の裏。港南の攻撃。
稲尾はここまで一人のランナーも出していないばかりか、
すべてのバッターを三振に打ち取っている。
港南の打順は4番の長島から。
稲尾の調子を考えると、これが最後の対決となるだろう。

両者は静かに構え合った。
どんなバッターでも封じ込める沢村栄治のグローブ。
どんな球でも打てるベーブ・ルースのバット。

(どっちが上か… 勝負!!!)

稲尾の渾身の球と長島のバットが、真正面からぶつかり合った。
瞬間、木製のバットが衝撃に耐えかねて根元から砕ける。
しかし同時に、打球はショートの左へと転がっていた。
飛びついた大金の遊撃手は、ボールを捕らえきれずにはじいてしまう。
その間に長島は一塁ベースを駆け抜けた。
記録はヒット。稲尾にとってこれは、甲子園に来て初めて打たれたヒットである。
稲尾は一塁の長島をにらみ、この屈辱に歯がみしたが、
当の長島はあまりのショックに立ち尽くしていた。

(折れちゃった… ベーブ・ルースのバットが…)

(折れちゃったよ〜〜〜…)

565 :少年サンデー 平成5年2月増刊号 :2007/12/10(月) 23:18:49 ID:???
第6話 伝説の対決 の巻(後編) 2/6

結局、後続の打者が三振に打ち取られ、
港南の攻撃は無得点に終わった。
ベンチに戻った稲尾は、眼鏡のショートに怒りをぶつけ、
止めに入ったキャッチャーにまで暴言を吐く。

「いったい誰のおかげでここまで来れたと思っとるんや? え――?」

稲尾一久には自負があった。
金持ちのボンボンばかりが集まる高校を、甲子園まで連れてきたのは自分だ。
沢村のグローブによって自分は生まれ変わった。
ヘボな守備と貧打戦のせいで負け続けていた頃とは違う。
そう―― 野球は打たれさえしなければ勝てるのだから。

稲尾の鋭い投球は少しの乱れも見せず、
ついに港南高校は、九回の裏ツーアウトまで追い込まれてしまった。
ここまで26三振を奪ってきた稲尾は、港南のベンチに視線をやる。
彼は先程の借りを返すために、最後の三振を長島から取ってやろうと考えた。

『4番… サード… 長島くん!!』

来ないはずの出番を告げられ、ベンチの長島は慌てて立ち上がった。
稲尾はわざと三つのフォアボールを出し、4番の長島まで打順を回したのだ。
しかし長島はベンチの前から動けない。
もう 『神様のバット』はなかった。
ここにいるのは甲子園のスーパースターではない。
打てなくて、名前だけが立派で、
ニセの長嶋と笑われていた4番サード――。

566 :少年サンデー 平成5年2月増刊号 :2007/12/10(月) 23:20:16 ID:???
第6話 伝説の対決 の巻(後編) 3/6

そのとき、内野席にいた ゆたかが立ち上がった。
彼女はひざの上にあった箱を開け、プレゼントの中身を長島に投げ渡す。
それは一本の木のバットだった。
プレッシャーに押しつぶされそうな長島を見つめ、ゆたかは願った。

(自信をもって、長島くん… 勇気を出して…)

(長島くん!!!)


長島はゆたかのバットを握って打席に入った。

―― みんなはオレが、バットの力で打ってたことを知らない…
―― でも… みんなはオレに期待している…

「ストライクワン!」

ナインの必死に応援する声が聞こえる。
観客たちのすがるような叫びが聞こえる。

「ストライクツー!!」

―― ベーブ・ルースのバットはもうないけど…
―― みんなのためにも… そしてオレ自身のためにも…

(この打席、逃げるわけにはいかない!!!)

567 :少年サンデー 平成5年2月増刊号 :2007/12/10(月) 23:21:48 ID:???
第6話 伝説の対決 の巻(後編) 4/6

これまで以上のすさまじさで迫る三球目を、
長島は力一杯に打ち返した。
打球はピッチャーの頭上を襲うライナー。
驚くも稲尾は左手を伸ばす。

「へっ… これでゲームセットや!!」

しかしグローブに収まったかに見えた打球は、
なんと沢村のグローブを突き破り、
センタースクリーンをはるかに超えて、場外のかなたへと消えていった。
ポールをへし折られた日章旗がグラウンドに落下する。

『ホ、ホームラン…… サヨナラホームラーン!!』

港南の応援席は、一瞬にして歓喜にわきかえった。
劇的な幕切れにより、港南高校は甲子園初優勝を決めたのだ。
稲尾はマウンドにがっくりとひざをつく。
なぜ打たれたのか。沢村のグローブを持つ自分が、なぜ――。

「一人でカッコつけるからや!! アホ!!」

眼鏡のショートがぽかりと稲尾の頭を殴りつけた。
マウンドの周りには他のナインたちも集まっていた。

「また来よーや、甲子園… オレたち、まだ2年生やろ?」

チームメイトの言葉を聞いて、稲尾はゆっくりと立ち上がる。
また甲子園に来て長島と戦おうと、彼は心に決めた。
今度は沢村のグローブも、ベーブ・ルースもバットもなしで。

568 :少年サンデー 平成5年2月増刊号 :2007/12/10(月) 23:22:47 ID:???
第6話 伝説の対決 の巻(後編) 5/6

(なんで… なんで打てたんだ…)

ベースを回る長島は、自分自身のバッティングに驚いていた。
そんな彼のもとに、どこからともなく
あの名園運動具店の店主の声が響いてくる。

『おまえの実力じゃよ…』

実は長島がバットの力を借りていたのは、
最初の一、二試合だけのことだった。
あとはすべて長島自身の実力。
人一倍練習していながら、プレッシャーに負けて力が出せない長島に、
『神様のバット』は暗示をかける役割を果たしていたのだ。

「で、でもお金が減ってたぜ?」
『ホッホッホッ… 授業料じゃよ!』
「な、なにぃ〜〜!?」

店主は笑って、長島に胸を張れと伝えた。
前を向いた長島の前に、皆の笑顔が飛び込んでくる。
ホームで4番サードを待つ、仲間たちの姿が――。

569 :マロン名無しさん :2007/12/10(月) 23:24:56 ID:???
第6話 伝説の対決 の巻(後編) 6/6

そんな甲子園の熱戦から三日後、
とある町の古びたスポーツ用品店に、小学生と思しき少年が来ていた。
サッカーボールを抱えた、その泥だらけの少年の願いは、
カズのようにサッカーが上手くなること。
しかしその道は険しい。
悩める少年に店の主人は言った。

「だったら、いいスパイクがあるぞ!!
 かつて伝説のストライカーが愛用しとったスパイクじゃ!!」

それをはけば、風のごとく走り抜け、
雷のごときシュートを打つことができるという。
目を輝かせる少年に対し、老店主は一言付け加えた。

「ただし…… 少々金がかかるがな…」

                          ―― 4番サード ・ 完 ――

570 :マロン名無しさん :2007/12/11(火) 00:10:36 ID:???
こういうラスト好きだわ

571 :マロン名無しさん :2007/12/11(火) 14:39:58 ID:???
良い最終回だった。

……が、バットやボールって公認のものしか使えないルールじゃなかったっけ?

572 :マロン名無しさん :2007/12/11(火) 17:14:34 ID:???
重さ、材質、長さなどに規定はあるけど公認は必要なし。
要はルール違反してないバットなら手作りでもOK。

573 :マロン名無しさん :2007/12/12(水) 05:44:01 ID:???
ゆたかのバットはグレーゾーン?

574 :マロン名無しさん :2007/12/12(水) 21:57:53 ID:???
スパイクの場合だとどうなるんだ?
走るたびに金がかかっていくんだろうか。

575 :マロン名無しさん :2007/12/12(水) 23:07:27 ID:???
稲尾はガチで超人ですか

576 :マロン名無しさん :2007/12/13(木) 21:01:25 ID:???
以下、楽屋裏で

577 :マロン名無しさん :2007/12/14(金) 13:50:48 ID:???
4番サードのチョイスは嬉しかったな
執筆ご苦労様でした

578 :マロン名無しさん :2007/12/14(金) 21:07:11 ID:???
急に4番サード始まってて少し乗り遅れたw

乙でした。

579 :マロン名無しさん :2007/12/14(金) 22:34:36 ID:???
YAIBAが続いてればなあ
どうにでも長くできたと思うが

580 :マロン名無しさん :2007/12/14(金) 23:10:57 ID:???
最後に出てきたスパイク、
「キック力増強シューズじゃね?」と言いたくなった

581 :マロン名無しさん :2007/12/15(土) 16:56:39 ID:???
野球からサッカーへの時代の移り変わりを感じるな…
青山って今はもう巨人ファンじゃないんだろうか

>579
もしもコナン並みの長期連載だったら
「カグヤ編で終わっておけば…」とか言われてた気がするw

582 :マロン名無しさん :2007/12/17(月) 04:43:47 ID:Bi63GHFQ
>>581
DBがナメック星編までにしておけばって言われるみたいにね。
まあ、何かにつけて色々と言いたがる人はいるからね。ただ、YAIBAが
もっと続いていればっていうのは、俺も賛成だ。

クサナギっていう新しい武器を見つけたと思ったらそこで終わりだったからな。
玉を探して旅したり、1番初めの部分でジャングルで借りをしてるところ
だったり、主人公の髪型だったりとDBから多大な影響を受けた事は間違いない
作品だね。

烈火の炎が幽白のパクリって散々言われまくっても、幽白には及ばないものの
そこそこ人気が出たんだから、YAIBAも開き直ってやれば良かったのにって
思う。どっちもサンデー⇒ジャンプの流れなんだし…。そこは関係ねーか。

583 :マロン名無しさん :2007/12/17(月) 22:21:59 ID:???
小学館は昔から編集主導のパクリが多いんだ

584 :マロン名無しさん :2007/12/18(火) 00:19:00 ID:???
YAIBAからはなんとなく、
DBとは違う!という青山の意地のようなものを感じる
カグヤ編の後のデフレとか、ライバルは最後まで鬼丸なとことか

585 :マロン名無しさん :2007/12/19(水) 23:04:07 ID:???
スレで4番サードが始まる前に稲尾氏が亡くなってしまったなぁ…

586 :マロン名無しさん :2007/12/22(土) 18:33:09 ID:???
稲尾はある意味ちょっとタイムリーだったな。
4番サードを読んだときは「誰だ?」って思ってたからな・・・すいません。

587 :マロン名無しさん :2007/12/23(日) 19:36:22 ID:???
VS野村の回は平成4年4月号掲載だが
調べてみると平成四年のセリーグ優勝は野村ヤクルト
青山涙目ww だったんだろうか

588 :マロン名無しさん :2007/12/25(火) 16:55:32 ID:???
知ってる人も多いと思うが一応貼り↓
【コナン】 青山剛昌と高山みなみが離婚
http://ex21.2ch.net/test/read.cgi/wcomic/1197252610/

鉄刃の役でもありましたな……どっちも好きな自分は結構ショック(´・ω・)

589 :マロン名無しさん :2007/12/30(日) 16:55:56 ID:???
あげ

590 :マロン名無しさん :2008/01/02(水) 18:58:50 ID:???
>>588
やはり、不器用だから漫画家という生き方しかできなかったんだろうか

591 :マロン名無しさん :2008/01/05(土) 01:38:15 ID:???
お互い初婚で40超えてたから
1度結婚してみたかったというところだろう

592 :マロン名無しさん :2008/01/10(木) 16:51:08 ID:???
...

593 :マロン名無しさん :2008/01/13(日) 07:25:48 ID:e9uNfl7K
age

594 :マロン名無しさん :2008/01/18(金) 15:45:42 ID:???
...

595 :マロン名無しさん :2008/01/23(水) 15:15:48 ID:???
...

596 :マロン名無しさん :2008/01/27(日) 21:06:21 ID:???
なんとなくまた来てしまった

597 :マロン名無しさん :2008/02/01(金) 16:26:36 ID:???
いいことだ

598 :マロン名無しさん :2008/02/06(水) 13:37:52 ID:???
保守

599 :マロン名無しさん :2008/02/07(木) 16:31:55 ID:kRoutDUS

  ∧_∧  
 ( ・∀・) <保守!   
 ( ∪ ∪  
 と__)__)




600 :マロン名無しさん :2008/02/07(木) 20:14:54 ID:???
最近の読んでないんだが、
まじっく快斗が完結しそうな気配ってある?

601 :マロン名無しさん :2008/02/12(火) 16:29:50 ID:???
( )

602 :マロン名無しさん :2008/02/16(土) 16:52:53 ID:???
先は長い

603 :マロン名無しさん :2008/02/22(金) 19:17:18 ID:???
ああ

604 :自治スレにてローカルルール議論中 :2008/02/26(火) 17:36:07 ID:???
うむ

605 :自治スレにてローカルルール議論中 :2008/03/02(日) 16:15:21 ID:???
保守

606 :マロン名無しさん :2008/03/06(木) 16:30:06 ID:???
保守

607 :マロン名無しさん :2008/03/11(火) 21:28:41 ID:???
保守

608 :マロン名無しさん :2008/03/15(土) 20:12:57 ID:???
部屋で見失った青山短編集をやっと発見した
せっかくスレも残ってるので、需要があればやろうかと思う
↓載ってるのはこの順だが、要望などあれば順序は適当に変えます

・探偵ジョージのミニミニ大作戦 (全部で3話)
・プレイ イット アゲイン (剣道もの)
・えくすかりばあ (野球もの)
・夏のサンタクロース (ノストラダムスネタ)
・ちょっとまってて (タイプスリップもの)
・さまよえる赤い蝶(探偵モノ? 6Pの小ネタ)

609 :マロン名無しさん :2008/03/15(土) 21:35:33 ID:???
では、お願いします

610 :マロン名無しさん :2008/03/16(日) 00:16:10 ID:???
是非お願いします!
まだお気に入りに入れておいてよかったぜw

611 :マロン名無しさん :2008/03/18(火) 11:06:15 ID:???
じゃあスタートは未定だけど、近いうちに始めます
見たらすべて昭和62〜63年の掲載作みたいなので、
発表順にやっていこうかと
(ちょっと→サンタ→蝶→ジョージ三作→アゲイン→えくす)
ペースは二日に一度、投下は十時〜十一時の予定

612 :マロン名無しさん :2008/03/18(火) 19:22:48 ID:???
wktk

613 :マロン名無しさん :2008/03/21(金) 20:14:47 ID:iy/a99Uh
今漫画持ってないので確認できないんだが
ヤイバが小さくなる話あったじゃん?
あれって何が原因で小さくなるんだっけ?
あとどうやって元に戻ったのかもだれか教えてください

614 :マロン名無しさん :2008/03/21(金) 23:46:14 ID:???
>>613
ネズミの秘薬
効果がきれると元に戻る

615 :マロン名無しさん :2008/03/22(土) 01:03:16 ID:???
gugu-dols

616 :マロン名無しさん :2008/03/23(日) 19:49:04 ID:YLKv16aS
あげ

617 :マロン名無しさん :2008/03/27(木) 00:07:01 ID:S7EQvAQU


618 :608 :2008/03/27(木) 19:17:28 ID:???
近いうちと言いつつ遅くなってすまん
短編集あらすじ、日曜日の夜から隔日投下します
基本的に22:00〜22:30投下の予定
最初は青山デビュー作の「ちょっとまってて」から

619 :マロン名無しさん :2008/03/28(金) 21:47:29 ID:e9KZBug9
待ってるぜ!!
期待age

620 :マロン名無しさん :2008/03/30(日) 20:01:57 ID:???
そろそろなので上げとこ

621 :マロン名無しさん :2008/03/30(日) 21:59:38 ID:???
1987年(昭和62年)の少年サンデーで、青山剛昌という漫画家がデビューした。
この作者の読み切り作品について語ろうじゃないか。
なおこれらの作品は、あと7年ぐらいしたら
『青山剛昌短編集』として刊行されるかもしれない。

漫画は原稿が過去へタイムスリップする事により、2日に1本の速度で掲載されるようだ。
たまにトリップアウトが遅れて休載する事もあるが、その時はちょっと待っててくれ。
このスレの詳しい事は連載中スレの楽屋裏にて。


連載中スレの楽屋裏 第25幕
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1193389271/l50

622 :週刊少年サンデー 1987年 4・5号 :2008/03/30(日) 22:01:51 ID:???
ちょっとまってて 1/4

とある高校の校庭が大いに沸いていた。
天才少年こと高井豊が、空中遊泳の実験を行っていたのだ。
小柄なメガネの少年が、リュック状の機械を背負って屋上から飛び降りる。
彼の姿は観衆の視界から一瞬消え、それから地面に降り立った。
見事に実験を成功させた豊は、TVリポーターから取材を受けるが、
若いですねと言われた途端、急に怒り出してしまった。

実は豊は「若い」「年下」と言われる毎日に嫌気が差していた。
原因は恋人との年の差のせいだと彼は考える。
豊の恋人は、同じ高校に通う二つ年上の阿部 麻巳子(まみこ)。
豊は彼女のことを 『阿部先輩』と呼んでいた。

「まったく…… 『先輩』はやめなさいって言ってるでしょ!
 あなたは中学の時からつき合ってる… 私の彼氏… でしょ?」

しっかり者で面倒見のいい阿部先輩は、美人で背も豊より高い。
そんな彼女とつき合っているがために、ガキのくせに生意気だと
校内の不良から因縁をつけられることもしばしばだ。
そんな日々から脱出するために、豊はある作戦を思いついた。
タイムスリップである。
昼間に実験した機械も、正体は実はタイムマシンだった。
高所から飛び降りることにより、風圧と落下速度で装置が作動するのだ。

623 :週刊少年サンデー 1987年 4・5号 :2008/03/30(日) 22:05:34 ID:???
ちょっとまってて 2/4

豊は深夜の学校に先輩を呼び出し、その計画について説明した。
理屈は簡単だ。16歳の豊が二年前にタイプスリップする。
同じ時間に同じ人間は二人存在できないので、
16歳の豊が二年前の豊(14歳)と入れ替わることになる。
これによって豊は、当時16歳の先輩と同い年になるわけだ。

一つ問題があるとすれば、それまでその時代にいた元の豊の存在が、
周囲の人間の記憶から消滅する点である。
つまり過去の先輩と16歳の豊は初対面の状態になる。
突然現れた人間を、彼女が果たして好きになるだろうか?

「信じてますよ… 先輩を……」

しっかりとした口振りで豊は言った。
とは言え、ことはタイムスリップ。成功する保証はない。
躊躇する彼を見た先輩は、豊の目を盗んで機械のダイヤルを未来行きに合わせた。
そして彼女はタイムマシンを背負い、年下の恋人に告げる。

「豊… 待っててね………」

先輩は屋上から飛び降り、その姿は消えた。未来へと飛んだのだ。
翌日には既に、彼女の存在は皆の記憶の中から消え始めていた。
このままでは豊さえも彼女のことを忘れ、先輩は存在しなかった人間になってしまう。
先輩の体重から計算すると、彼女がトリップアウトするのは
二年後の1988年、10月24日 14時42分13秒。
それまでなんとしても、先輩のことを覚えていなければならない。
豊はその日時を、数学のノートの端に書き付けた。

624 :週刊少年サンデー 1987年 4・5号 :2008/03/30(日) 22:07:09 ID:???
ちょっとまってて 3/4

―― それから、二年後……。

「先輩! 先輩! ねえ、先輩!」

ポニーテールをゆった一年生の少女が、しきりに 『高井先輩』のことを呼んでいる。
豊はこの二年ですっかり別人のようになってしまった。
授業は居眠り、サボって早退……かつての天才少年の姿は見る影もない。
メガネこそ昔のままだが、背も随分と伸びて体格もいい。
街で絡んできたチンピラ集団を簡単に返り討ちにするほどだ。
連中がカンに障ることを言ったので、少しやりすぎてしまったが――。
「ガキ」「ボーヤ」……その言葉がなぜそんなに気に障るのか、
今の豊には思い出すことが出来なかった。

豊を一方的に慕うポニーテールの少女は、
豊の家にまで押しかけ、居座って勉強を始めてしまった。
少女に頼まれ、豊は昔のノートを引っぱり出す。
豊はノートの中に、奇妙な日付が書かれているのに気がついた。

『 1988年10月24日 14時42分13秒 』――。

次の日の授業中も、豊はその日付について考えていた。
24日と言えば今日だ。いったい何があるというのだろう。
思い出せないまま、また居眠りを始めようとしたとき、
校庭から後輩の少女の呼ぶ声が聞こえてきた。

「せんぱーい! 先輩ってばー!」

その 『先輩』という響きが豊の記憶を揺り起こす。

―― 待っててね!

625 :ちょっとまってて 4/4 :2008/03/30(日) 22:08:45 ID:???
思い出すやいなや、豊は教室を飛び出した。
トリップアウトの時間まで、あと四分しかない。
着地方法を知らない阿部先輩は、このままでは校庭に激突だ。
彼は天才少年の顔を取り戻し、全校生徒に号令をかけた。
体育用のマットを運んで、なんとしても受け止めねばならない。

しかし豊の思いもむなしく、マットが届く寸前で校庭に
大きな爆発が巻き起こった。豊の頭を後悔の念が支配する。
過去の恋人など忘れるよう、後輩の少女が慰めるが、
豊はどうしてもあきらめることができなかった。
そんな二人のもとに、不意に元気な声が届く。

「こら、豊っ! なにいちゃついてんのよ!」

そこにはマットに尻もちをついた阿部麻巳子の姿があった。
彼女は偶然にもマシンから投げ飛ばされ、無事に着地を果たしていたのだ。
死の危険を冒した彼女の頬を、豊は思わず強く張った。
ごめんね、と彼女は言う。豊にではなく、彼の後輩の少女に。

「わたしって、飽きっぽいから……」

少女はそう言って涙をぬぐい、笑顔を作って去っていった。
すっかり大人びた豊の顔を、彼の恋人はまじまじと眺める。

「おーおー、男らしくなっちゃって、も――!」
「まったく先輩は……」

豊の不平をさえぎって彼女は言った。

「もう先輩じゃないでしょ?」

626 :マロン名無しさん :2008/03/30(日) 23:15:55 ID:???
タイムマシンとはまさに天才だな・・・
しかし、全員から忘れ去られていたとなると、これから彼女の生活はどうなるやら。
そこらへんは天才がなんとかしてくれるかね。

627 :マロン名無しさん :2008/03/31(月) 21:41:29 ID:???
なんか青臭い話だな、
特に「僕はこういう話が一番嫌いなんだ!」のあたりが
あと絵があんま少年漫画っぽくないよな
新人にしては上手いけど、定着するかどうか

628 :マロン名無しさん :2008/04/01(火) 21:33:45 ID:???
最後のコマが良かった

629 :週刊少年サンデー 1987年15号 :2008/04/01(火) 22:09:03 ID:???
夏のサンタクロース 1/4

『もう電話しないでね……』

1999年―― あのノストラダムスが世界の滅亡を予言した夏。
一人の少年がありふれた不幸に打ちひしがれていた。
恋人にふられたのだ。
彼の名は原 佳祐(はら・けいすけ)。高校二年生。

「ケッ! かわいい子はほかにいくらでもいるさ!!」

オーロラビジョンに映るアイドルを見て佳祐は強がった。
涙を浮かべつつ、夜の街にバイクを走らせる佳祐。
彼はその道すがらダンディな外人の荷物をぶちまけてしまう。
何やら怪しげな様子の外人は、荷物を拾ってそそくさと姿を消した。
外人はカプセルの入った缶を落としていったが、
腹の減っていた佳祐はそれを食用カプセルと思って口にする。
ところがそれは度数のきつい酒のカプセルだった。
べろべろに酔っぱらった佳祐は、夜の街をうろつき、
やがて使用中の電話ボックスにたどり着く。

「早くしろ、バァーロォ!」

女性を追い出して電話ボックスに入った佳祐は、
電話機にカードを入れ、プッシュボタンを押した。
かける相手は、自分を振りやがった憎い恋人だ。
ところが受話器の向こうからは、自動応答の奇妙なメッセージが流れてくる。
酔っぱらっている佳祐は、メッセージには構わず電話番号を押し続けた。
するとそこへ、例の外人のオッサンが大量のパトカーとともに現れた。
何番をインプットしたのかと問いただし、佳祐を激しく揺さぶるオッサン。
佳祐は後頭部を電話ボックスに強打されまくり、ついに気を失った。

630 :週刊少年サンデー 1987年15号 :2008/04/01(火) 22:11:32 ID:???
夏のサンタクロース 2/4

佳祐は夕方の病院で目を覚ました。
何が起こったのかまるで理解できない。
ともあれ腹が減ったとぼやく佳祐。
すると突然、コックの集団が病室にごちそうの山を運び込んできた。
目を丸くする佳祐に、あの外人のオッサンが食事を勧めた。
テレビが見たいと言えば、十数台のテレビがあっという間に用意される。
まるで夢の中にいるかのようだ。

この夢のような事態には、隠された理由があった。
実は佳祐は、自分のテレカをオッサンの落としたカードを取り違え、
そのカードによって核兵器を作動させてしまったのだ。
作動から24時間以内に「制御番号」をインプットしなければ、
地球は攻撃衛星666(スリーシックス)によって破壊されてしまう。
世界は滅亡するのだ。ノストラダムスの予言通り――。

しかし医者の見立てによれば、
佳祐は入力した「制御番号」を忘れてしまっている。
これは一種の記憶喪失で、おそらくは心因性。
その番号が彼にとって、ひどく嫌なものであるためらしい。
NASAの研究所長であるオッサンは、佳祐に番号を思い出せるため、
医者のアドバイスに従って佳祐の「嫌なこと」をすべて取り除く作戦に出た。
……しかしオッサンは、佳祐に核兵器の件を伝えることをすっかり忘れていた。

一方の佳祐は、どうせ夢ならと、大好きなアイドルに会いたいと願ってみた。
すると彼の望み通り、病室には人気アイドル “ アンアン ” が現れたではないか。

「コンニチワ、佳祐くん! 安斎明日香です!」

631 :週刊少年サンデー 1987年15号 :2008/04/01(火) 22:13:15 ID:???
夏のサンタクロース 3/4

17歳と遊びたい盛りの彼女は、自分を仕事から解放してくれた佳祐に感謝し、
彼のバイクで一緒に街へと繰り出した。
しかし、都心は人と車ばかりで満足に会話も出来ない。
佳祐はなにげなく大声を出した。

「うるせー、みんなどっか行っちまえ!」

「いいかぁ、人っ子ひとり路上に出すな!!」
「A班はどうした? 遅いぞ!!」 「これは大統領閣下の命令だぞ!」

どこからともなく現れた軍隊の手により、東京の街からは人が消えた。
まるで別世界のような爽快感に、
佳祐は一年中で一日だけ気持ちのいい日、クリスマスのことを思い出す。
それを口に出した途端、夏の街は一瞬にして聖夜のネオンで埋めつくされた。
はしゃぐ明日香は、事態を不思議がりつつも、佳祐にあるお願いを告げた。
明日香の願いに従って、東京タワーはクリスマスツリーに姿を変え、
空からは真っ白な雪が舞い落ちる。

「佳祐くん、まるでサンタさんみたいだよ… なんでも願いをかなえてくれる…」
「今日はクリスマスだ!! 奇跡が起きても不思議じゃない……」

その頃上空では、屈強な兵士の皆さんがヘリからせっせと雪を降らせていた。
こうして二人きりの街を満喫した佳祐たちは、
最後にホールで、二人きりのサマー・クリスマスコンサートを開いた。
すっかり打ち解け、まるで長い間の恋人同士のような二人。
が、明日香の歌の最中、NASAのオッサンがおずおずと顔を出した。
あと30分以内に制御番号を思い出さねば、世界は滅亡という時刻なのだ。
佳祐はここで初めて、自分が引き起こしてしまった事態を知った。

632 :週刊少年サンデー 1987年15号 :2008/04/01(火) 22:15:07 ID:???
夏のサンタクロース 4/4

昨晩、自分はいったい何番を押したのか。誰に電話しようとしたのか。
佳祐の記憶は、封印されたように出てこない。
このままでは世界滅亡の予言が本当に実現してしまう。
ノストラダムスって偉いんだね、とあきらめたようにつぶやく明日香。
佳祐は予言など当たるものかと必死に否定する。

「そんな過去の人間より、今のオレを信じろ!」

そう言って明日香を説得するも、肝心な番号は思い出せない佳祐。
そんな佳祐に、明日香がふと照れながら聞いた。
佳祐くん、彼女いる? いるなら悪いことしちゃった。佳祐くんを独り占めにして――。
その言葉を聞くうち、佳祐の忘れようとしていた記憶がよみがえった。
佳祐はあのカードを取り出し、電話ボックスへと向かう。

「1999年、何が起きるか、教えてやろうか……
 ノストラダムスって奴の うそがばれるんだ!!」

時間ぎりぎりでボックスに駆け込み、佳祐は指に馴染んだ番号を押す。
別れた彼女の電話番号を。
無機質な電子音のあと、自動メッセージがシステムの解除を告げた。
こうして夏の街は、クリスマスの夢から覚めたのである。

翌日から、平穏で退屈な日々へと戻った佳祐。
だが、その手には一枚のカードがあった。
彼は電話ボックスに入り、ある番号を押す。

『佳祐くんでしょ!? わたしよ、明日香!』

受話器の向こうの明日香だけは、あの夜と変わらない。
ガラスで囲われた小さなボックスに二人の笑い声が響いた。

633 :マロン名無しさん :2008/04/03(木) 20:36:28 ID:???
1999年って12年後か・・・
もうちょっと未来的な街にしてほしかったが
実際10年ちょっとじゃそんな変わらんかな

634 :マロン名無しさん :2008/04/03(木) 21:32:09 ID:???
なんという甘ったるい話だ
でも嫌いじゃないぜこういうの

635 :週刊少年サンデー 1988年06号 :2008/04/03(木) 22:15:22 ID:???
青山剛昌のサンデー19show(トークショウ)
[さまよえる赤い蝶] 1/3

トライデントのエンブレムを光らせた車が、夜の路上をひた走る。
ハンドルを握るのは、中折れ帽にスーツの青年。
彼の名は北方優作。私立探偵だ。

不意に車載電話の電子音が鳴った。
受ける前から相手は知れている。
いつも決まってこの時刻―― 19時19分にかかってくる電話。
北方はハンドルを片手に受話器を取ると、素知らぬふりで応答をした。

「もしもし、北方探偵事務所…」

受話器の向こうから女の笑う声がした。

『 こんばんは… 探偵さん』

そして女は北方に謎めいたメッセージを告げる。

『 私は新たな宿を探してさまよう赤い蝶。
  一番目の花は枯れてしまった…。二番目の花は蜜がなかった。
  そしてあなたが三番目…… でも、まだつぼみなの…。
  私はあなたの右の四番目の花にとまって、あなたの咲くのを待ってるわ……
  じゃあ……』

636 :週刊少年サンデー 1988年06号 :2008/04/03(木) 22:16:42 ID:???
[さまよえる赤い蝶] 2/3

言うだけ言って女は電話を切ってしまった。
しかし北方が動じることはない。わずかな手掛かりでも謎解きには充分だ。
彼は煙草をくゆらせながら、録音していた電話のテープを巻き戻す。

最初の言葉。新たな宿。これは 『新宿』の暗示だ。
そして 『あなたの右』。
あなた―― すなわち北方の北を上と置けば、その右はもちろん東になる。
北方は手荒くハンドルをさばき、車を新宿東口方面に向かわせた。

問題は東口のどこであるかだ。
電話で女は 『赤い蝶』という言葉を使っていた。
チョウ…… 聴か? 北方は考えながらラジオをつける。
流れてきた 『スーパージョッキー』という単語で、北方はひらめく。
チョウは超――。超人? 仮面ライダー?
……違う。ライダーならば黒だ。女は赤い蝶と言っていた。
赤い羽の超人。四番目の花。四――。

―― スーパーマン 4!!

637 :週刊少年サンデー 1988年06号 :2008/04/03(木) 22:17:35 ID:???
[さまよえる赤い蝶] 3/3

北方は新宿東口の映画館にたどり着いた。
上映中の映画は 『スーパーマン4』。
客席を見渡すと、帽子をかぶった若い女の姿が目に留まった。
あの女だ。
北方は女に近付いて告げた。

「いやぁ、待った?」

彼女が口をとがらせる。

「もぉ、優ちゃん、来ないかと思っちゃった!!
 やっぱり、こんな待ち合わせの仕方… もうやめよぉよ――!!」

「安心しなって………… オレは名探偵だぜ!!」


―― だが… 本当の依頼の電話はまだない…。

638 :マロン名無しさん :2008/04/03(木) 23:31:27 ID:???
やや真面目な話かと思ったら・・・
女のほうも毎回考えるの大変だろうな。

639 :マロン名無しさん :2008/04/04(金) 20:16:19 ID:???
超から仮面ライダーに飛ぶのは無理があるだろw

640 :マロン名無しさん :2008/04/05(土) 20:43:08 ID:???
名前は北方謙三+松田優作か
マセラッティも北方つながりだな
しかし仕事もないのに外車かよ…

641 :週刊少年サンデー 1988年18号 :2008/04/05(土) 22:34:09 ID:???
探偵ジョージのミニミニ大作戦
名探偵登場!の巻 1/3

ビルにうずもれた裏通りに、一人の少女の姿があった。
彼女の名は芦川麻美。
麻美はいかにもガラの悪い黒服の集団に追われていた。
闇雲に非常階段をのぼり、とあるビルの屋上にたどり着く。
彼女はそこにあった家の戸を叩き、中の住人に助けを求めた。

「誰だ! 朝から騒々しい!!」

不機嫌な男の声が響くが、部屋の中には何者も見当たらない。
きょろきょろとあたりを見渡し、麻美はようやく相手の姿を発見した。
口ひげをはやし、スーツに身を包んだハードボイルドな男。
ただし、その身長は十数センチ。人形サイズの人間である。
男を見た途端、麻美は悲鳴を上げて床に倒れた。

「ふっ、また一人、オレの美貌で失神させちまったぜ…」

麻美を起こす名目でそのスカートにもぐり込む男。
目を覚ました麻美に男はこう名乗った。

「オレは桐島祥二(きりしま・じょうじ)!! 私立探偵だ!!」

642 :週刊少年サンデー 1988年18号 :2008/04/05(土) 22:35:11 ID:???
名探偵登場!の巻 2/3

そうこうする内に、麻美を追う集団が探偵事務所の中へと入ってきてしまった。
ジョージは麻美とともに、トイレの秘密出口から脱出、
外に停めてあったクラシカルなオープンカーに乗り込んだ。
ジョージの身長では運転できないため、麻美(無免)にハンドルを握らせる。
高速を飛ばしながら、麻美はジョージに一つの質問をぶつけた。
どうしてそんなに小さいのか、と。
しかしジョージは「秘密は男の財産だ」と言い、カッコつけた顔ではぐらかすのだった。

そんな二人の後を、またも黒服の集団が追跡してくる。
銃で車を狙い撃ってくる彼らに対し、
ジョージは車のトランクから一台のミニカーを登場させた。
その名も、『アストン マーチン ラコンダ V8RC(ブイハチ・ラジオコントロール)改』。
愛車でさっそうと飛び出すジョージだが、小さすぎるために置いてきぼりを食っただけだった。

そこでジョージは、一軒のおもちゃ屋の中へと乗り付ける。
店の主人は、ハゲ頭に丸メガネ、白いヒゲの太った爺さんだ。
店主はジョージと顔なじみらしく、さっそく車に代わる移動手段を用意した。
それは本物そっくりの戦闘機。ミサイルさえも撃てるらしい。
ジョージは戦闘機に乗って飛び立った。

643 :週刊少年サンデー 1988年18号 :2008/04/05(土) 22:36:14 ID:???
名探偵登場!の巻 3/3

一方の麻美はと言うと、黒服の男たちに捕らえられ、
ひとけのない倉庫街へと連れ込まれていた。
エッチな悪党たちに囲まれ、麻美の貞操に危機が迫る。
そこへジョージの操縦する戦闘機が現れ、ミサイルで男たちを撃退した。
騒ぎのさなか、男たちの上司であるボスも現れるが、
ジョージはパラシュートで脱出し、戦闘機を体当たりさせて
ボスを黒コゲにするのであった。
すると麻美が、突然ボスへと詰め寄った。

「これはどういうわけか説明してよ!! お父さん!!」

なんと麻美を追っていたボスは彼女の実の父。
彼は家出した娘の身を案じて、必死に連れ戻そうとしていたのだ。
家に戻りたくない麻美は、勝手にジョージの秘書になると決めてしまい、
更に父親に対してこんなことを言う。

「それに麻美はもう探偵さんと…

 エッチしちゃいましたの」

頬を赤らめる麻美。唖然とする一同。
このハッタリを信じ込んだボスは、
大人になった娘をジョージに託すことに決めるのだった。
自称秘書の麻美を迎え、桐島祥二の騒がしい日々が始まる。

644 :マロン名無しさん :2008/04/06(日) 17:34:30 ID:???
ちょw 微妙にエロス

645 :マロン名無しさん :2008/04/06(日) 18:30:42 ID:???
したとしたらどうやってエッチをしたのか詳しく聞きたい

646 :週刊少年サンデー 1988年19号 :2008/04/08(火) 22:06:34 ID:???
探偵ジョージのミニミニ大作戦
氷の国の怪物(モンスター) 1/3

私立探偵・ 桐島祥二(じょうじ)の朝は一杯のコーヒーから始まる。
コーヒーを入れるのは、押しかけ秘書となった芦川麻美だ。
ジョージは小さな体でカップを抱え、ぐびぐびと中身を飲んだ。

「酸味がきつすぎる………」

ジョージの言葉にむっとしつつも、麻美は続いて朝食の用意をする。

「塩が四粒多い…」

今度もジョージに文句をつけられ、怒った麻美は料理の皿を取り上げてしまった。

「だったら自分で作りなさい!!」

こうして腹ペコのジョージは、渋々ながら冷蔵庫を開け、
中に入って食べられそうなものを探すことにした。
しかしその最中、麻美が気づかずに冷蔵庫のドアを閉めてしまう。
扉は内側からは開かない。しかも麻美はそのまま買い物に出かけてしまった。
真っ暗な庫内に閉じ込められ、寒さに震えるジョージは、
チョコレートの包み紙を燃やして暖を取ることにした。
野菜室に潜んだ怪物の気配になど気づかずに――。

647 :週刊少年サンデー 1988年19号 :2008/04/08(火) 22:07:41 ID:???
氷の国の怪物(モンスター) 2/3

ジョージは冷蔵庫の配線をいじり、
むき出しになった電線をつないで庫内の電気をつけた。
するとそこに、巨大な黒い怪物が襲いかかった。
ゴキブリである。
ジョージの目から見たその姿は、まるで凶暴なエイリアン。
ジョージはバターナイフで応戦するが、まったく歯が立たない。
食べ物の陰に隠れるジョージを、黒い怪物が追いつめる。
鋭い前足がジョージの頭をかすめ、豆腐パックを切り裂いた。

必死に逃げるジョージは、冷蔵庫の最上段へとたどり着いた。
彼は冷蔵庫の温度調節ダイヤルを発見し、一つの策を思いつく。
送風口から冷気を放射し、追ってくるゴキブリにあびせかけるのだ。
作戦は見事に成功し、ゴキブリはカチンカチンに凍ってしまった。

「さすが熱帯産の生き物… 冷気に弱いってわけか…」

しかし、負荷のかかった冷蔵庫はオーバーヒート。
壊れた冷蔵庫の中は、次第に冷たさを失っていく。
それの意味することにジョージが気がついたときには、
溶けて復活したゴキブリが、再びジョージに襲いかかっていた。

648 :週刊少年サンデー 1988年19号 :2008/04/08(火) 22:08:19 ID:???
氷の国の怪物(モンスター) 3/3

怪物はジョージを捕らえ、エイリアンばりの大口を開く。
絶体絶命の状況に追い込まれたジョージ。
そのとき彼の視界の端に、たれ下がった二本の電線が映った。

「死ねっ!!」

火花を散らす電線の先を、怪物に押しつけるジョージ。
強烈な電流を流されたゴキブリは、
真っ黒な消し炭となって崩れ落ちた。
怪物との戦いにからくも勝利したジョージ。
そのとき、買い物から帰ってきた麻美が冷蔵庫を開けた。

「うまい! 麻美は料理の天才だ!!」

文句の代償が骨身に染みたジョージは、
麻美が作った料理を今度は賛辞とともに頬張るのだった。

649 :マロン名無しさん :2008/04/08(火) 23:32:30 ID:???
前回と毛色が違うが面白かった
でも、よく見るとゴキブリがでかすぎないか?
カレールーの箱と同じサイズに見えるんだが・・・

650 :マロン名無しさん :2008/04/09(水) 00:29:39 ID:???
やや下らないがカッコイイな
たしかにゴキブリでかい・・・
まぁ小さい人間がいるような世の中ですから

651 :マロン名無しさん :2008/04/10(木) 15:21:14 ID:???
麻美が来る前は誰が飯作ってたんだろう
というか日常生活できるのか、ジョージは

652 :週刊少年サンデー 1988年20号 :2008/04/10(木) 21:55:04 ID:???
探偵ジョージのミニミニ大作戦
I AM A DENTIST ―オレは歯医者だ!― の巻 1/3

今日も愛車のハンドルを握り、
ダンディズムを漂わせる私立探偵・桐島 祥二(じょうじ)。
しかし公園を走っていた彼は、近所の子供に捕まってしまう。
ジョージは車で水たまりの泥をはね上げ、子供たちを撃退するが、
そこへ入れ替わりに小さな少女がやってきた。
一話のおもちゃ屋にも来ていた、泣き虫の真子(まこ)だ。
真子を苦手にしているジョージは、急いで逃げようとアクセルを踏む。
しかし車は、水たまりの中にはまり込んでしまって脱出できない。

「そ、そこのかわいいお嬢さん? ちょっと手を貸してくれないか………」
「だったら真子の家来になる!?」

横暴な条件をつけられ、即座に断るジョージだが、
そうこうする間にも車は底なし沼へ沈んでいく。
ジョージはやむなく、一日だけ家来になることを約束した。

ジョージを家に連れ帰った真子を、美人の母親が出迎える。
母親はジョージのことをただの人形だと思っているようだ。
真子はジョージを部屋に連れて行き、着せ替え人形の服を着せて、
大きなリボンに水玉ドレスという姿にしてしまった。
更にジョージは砂のご飯でままごとをさせられ、
早くも家来生活に嫌気が差し始めた。
彼は真子と散歩に行くことで、脱走の機会を探すことにした。

653 :週刊少年サンデー 1988年20号 :2008/04/10(木) 21:57:27 ID:???
I AM A DENTIST ―オレは歯医者だ!― の巻 2/3

真子はジョージの思惑も知らず、
おばあちゃんに買ってもらった帽子でおめかしして外に出る。
この帽子は彼女の二番目の宝物だという。

「ところで一番目の宝とは…?」
「ジョージよ!」
「ハハハ… そりゃー光栄だ…」

ジョージは “だるまさんが転んだ” をやる隙に逃げようとしたが、
真子は抜け目なくジョージの足にヒモを結びつけていた。
あっさり捕まったジョージは、渋々ながら鬼を交代する。
するとそこへ、真子をいじめる悪ガキたちが現れた。

悪ガキは、悪事をばらされたことで真子に恨みを持っていた。
脇からは悪ガキの妹が真子の帽子をほしがる。
悪ガキは拒む真子から帽子を取り上げ、自分の妹にやってしまう。
しかし、涙を浮かべる真子のもとにジョージがやって来た。
ジョージは奥の手として、歯医者の小さなドリルを取り出す。
キィィィンと鳴り響くあの恐ろしい音に、悪ガキたちはたちまち逃げていった。
彼らの落としていった 『宝物』を、ジョージは真子にかぶせてやるのだった。

654 :週刊少年サンデー 1988年20号 :2008/04/10(木) 21:59:28 ID:???
I AM A DENTIST ―オレは歯医者だ!― の巻 3/3

家に帰ってジョージと一緒にお風呂に入る真子。
真子はさっきの一件ですっかりジョージに惚れ込んでしまったらしく、
大人になったらジョージのお嫁さんになるなどと言っている。

「美人になったらな…」

興味なさそうにジョージがぼやいていると、
風呂場の外から女性の声が聞こえてきた。真子の母親だ。
服を脱いで風呂場へと入ってくる真子のママ。
……当然ながら全裸である。
ジョージは洗面器の中で鼻血を噴き、そのまま気を失ってしまった。

動かなくなったジョージを、真子は 『ハカセ』こと
おもちゃ屋の店主のもとに持ち込む。店には麻美も来ていた。
母親とジョージと一緒に風呂に入ったことを店主に話す真子。
心配そうにしていた麻美だが、その話を聞いて顔色が変わった。
目を覚ましたジョージは、何も覚えていないと言ってごまかそうとするが、
鬼のごとき形相の麻美に思い切り怒鳴られるのだった。

655 :マロン名無しさん :2008/04/11(金) 02:04:09 ID:???
>>651
自炊で…
ごめん嘘

656 :マロン名無しさん :2008/04/11(金) 21:06:04 ID:???
女の裸で鼻血とは、結構うぶだな

657 :サンデー '88年5月10日スペシャル増刊号 :2008/04/12(土) 22:01:29 ID:???
プレイ イット アゲイン 1/4

桜の咲きほこる庭で、剣 三十郎(つるぎ・さんじゅうろう)は、
孫娘の道子に竹刀を突きつけられていた。
今日は道子の学校の授業参観日。
道子は、真剣をさげて参観にやってくる非常識な祖父を、
学校に来させまいと必死であった。

「見るんぢゃ、道子!! この桜を!!」

孫娘の抗議も意に介さず、三十郎は道子に説教をする。
彼が生まれたときに植えられた、樹齢70年を越す桜。
今なお堂々と花を咲かせるこの樹のように、
細かいことは気にせず強く美しく生きろと彼は言った。
しかし、道子はそんな説教は聞き飽きている。
道子は三十郎を止めるため、剣の達人である祖父に勝負を挑んだ。

結果、もうすぐ八十に手の届く三十郎は、道子の作戦にはまり、
スタミナの切れたところを一本勝ちされてしまった。
道子は三十郎を置いて学校へ出かけていく。
三十郎は桜の根元に寝転がりながら、身の衰えを嘆いた。

「ワシはお前がうらやましい…」

いまだ若々しい同い年の樹を見上げ、三十郎は考える。
もしもその若さを自分に分けてくれたら、と。

―― ワシはもう一度… もう一度…。

658 :サンデー '88年5月10日スペシャル増刊号 :2008/04/12(土) 22:04:47 ID:???
プレイ イット アゲイン 2/4

やがて寝入ってしまった三十郎は、桜の花びらに埋もれて目を覚ました。
彼は勝負のやり直しを迫るべく、すぐさま道子の学校に駆けつける。
しかし、教室で道子の目の前に現れたのは、
剣道着にゲタ履きの、彼女と同じ年頃をした若者であった。
そう、三十郎はいつの間にか若返っていたのだ。
道子は当然、相手が自分の祖父だとは夢にも思わない。
教室を追い出された三十郎は、トイレで若返りの事実に気付き、
第二の青春が始まったことを大いに喜ぶ。
だが、トイレにはちょうど、ふらちな連中がやって来ていた。

連れションしながら女あさりの相談をしているのは、
剣道部の仲代(なかだい)と、その取り巻き二人であった。
仲代の次のターゲットを、誰あろう剣 道子。
やってしまえば女なんてこちらのもの、と仲代はヤニさがる。
そんな彼の前に、不敵な笑みを浮かべた三十郎が立ちはだかった。

「たわけ!! 貴様のような外道に… 道子はやれん…」

三十郎はトイレのスッポンで、取り巻きたちを軽く叩きのめす。
仲代は彼をかなりの使い手と察し、みずから木刀を握って打って出た。
木刀で蝶を両断してみせる仲代。 こちらも腕は確かなようだ。
二人は隙なく構え、たがいに距離をはかる。
そのとき、騒ぎを聞きつけた野次馬に混じって、道子が現れた。

「仲代様、ガンバッテ〜〜!」

孫の思わぬ言葉にショックを受ける三十郎。
仲代はその隙を突いて、強敵をあっさり打ち倒した。

(わからん、これほどの男が なぜ…!?)

659 :サンデー '88年5月10日スペシャル増刊号 :2008/04/12(土) 22:05:51 ID:???
プレイ イット アゲイン 3/4

昏倒した三十郎は、保健室で道子に手当てを受けることになった。
道子は、剣道の天才である仲代に憧れをいだいているようだ。
それが気に入らない三十郎は、道子につっけんどんに接する。
しかし道子は、頑固で負けず嫌いな彼を見て、
自分の祖父のことを思い出し、放っておけなかったのだと彼に語った。
相手の正体を知らない道子は、三十郎に名前を尋ねた。

「さ、桜… 桜 三十郎ぢゃ!!」
「変な名前…」

行くあてがないという三十郎を、道子は自分の家へと連れて帰る。
すると家の前には、木刀を持った仲代が待ち構えていた。
昼間の勝負では納得がいかず、三十郎に再戦を持ちかける仲代。
咲きほこる桜の木々の下で、二人の男は対峙した。
しかし道子を敵に回すことを考え、勝負をためらう三十郎。
そんな彼に対し、仲代は一方的に真剣を持ち出した。
卑劣なやり口を道子が責めるが、仲代は彼女を突き飛ばした。

「勝負なんて勝ちゃーいいんだよ!! 安心しろ、道子くん…
 こいつを片付けたら、たっぷりとお相手しよう! ヒヒヒ…」

660 :サンデー '88年5月10日スペシャル増刊号 :2008/04/12(土) 22:09:25 ID:???
プレイ イット アゲイン 4/4

更に小刀を取り出し、仲代は宮本武蔵のごとき二刀流で三十郎に迫る。
三十郎はその剣を、欲と野望に曇っていると静かに断じた。
しかし木刀の先を切り落とされ、三十郎は仲代に追いつめられていく。
そのとき、祖父を捜しに行った道子が、三十郎のもとに真剣を届けた。

「桜 三十郎……… 参る…」

鞘を払った真剣を握り、仲代の太刀を紙一重でかわす三十郎。
舞い散る桜の花びらが、彼の刀に吸い寄せられるように集まる。

「秘剣、桜吹雪!! みだれ斬り!!」

その目にも留まらぬ刀さばきによって、仲代は服をバラバラに裂かれ、
ついでに脳天の髪を切り落とされて、ついに敗北を認めたのだった。
ケガをした三十郎を見て、道子は救急箱を取りに走る。
そのとき三十郎は気がついた。
桜の木の一本が、ひとひら残らず花弁を落としていることに。
三十郎は、この桜が彼の願いをかなえ、若さを与えてくれたのだと悟った。
三十郎は心の中で思う。 十分に夢を見させてもらった、もう満足だと。
彼の足もとで桜の花びらが、逆巻くように風に舞った。

やがて道子が戻ってくると、そこには見なれた祖父の姿があった。
“桜君”を探す道子のことを、どこのくだらない男だと三十郎がからかう。

「なによー、おじいちゃんなんかより、
 ず〜〜っと かっこ良かったですよーだ!!」

それを聞いておかしそうに笑う三十郎を、道子は狐につままれたような顔で見つめていた。

661 :マロン名無しさん :2008/04/12(土) 22:38:29 ID:???
仲代はもう丸坊主にするしかないなw

662 :マロン名無しさん :2008/04/13(日) 22:18:37 ID:???
元ネタは椿三十郎か
結構面白かったから連載化しないかな
水かけると若返って、お湯かけるとジジイに戻る設定にすれば行けるぞ

663 :サンデー '88年8月23日スペシャル増刊号 :2008/04/15(火) 22:34:38 ID:???
えくすかりばあ 1/4

子供たちが白球を追いかけるグラウンド。
その片隅に一本のバットが突き刺さっていた。
それはかつて、脅威の大打者が地面に突き立てたという、
『伝説のバット』であった――。

グラウンドでは今しも少年野球の試合が行われていた。
かたや黒ヘルメットのGUTS、かたや縦縞ユニフォームのTRYSだ。
TRYSのピッチャー ・ アキラは、
GUTSの少女メンバー ・ 美苗の幼なじみでもあった。
美苗はアキラの速球に押され、ピッチャーゴロに打ち取られてしまう。
肩を落としてベンチに戻る美苗は、
その途中、地面から突き出た何かにつまずいてしまった。
それは深々と土の中に埋まった一本のバットであった。

美苗はこの謎のバットのことをチームメイトに尋ねる。
眼鏡の7番君が言うには、
昔、巨人の長島が地面に突き刺した伝説のバットだという。
しかし他のチームメイトたちも顔を出し、刺したのは王だとか、
西武の清原だとか、いやいや呂であるとか、口々に違うことを言う。
どうやら噂ばかりで真実は誰も知らないようだ。

美苗はそのバットを抜こうとグリップに手をかけた。
もしも本当に 『伝説のバット』なら、抜くことで、
アキラにも勝てる力がつくかも知れない。
いくら引っ張ってもバットはびくともしなかったが、
美苗は一瞬、手のひらに電気のようなものが走るのを感じた。
ひょっとしたら本当に、ただのバットではないのだろうか。

664 :サンデー '88年8月23日スペシャル増刊号 :2008/04/15(火) 22:39:29 ID:???
えくすかりばあ 2/4

「ライト!!」

だが、伝説のバットのことばかり考えていた美苗は、
アキラの打球に気づかず、エラーで一点を与えてしまった。
坊主頭のピッチャー ・ ケンちゃんは、
このエラーのおかげですっかり機嫌を悪くする。
美苗に文句を言う彼を、今度は他のチームメイトが怒り、
たちまちベンチは険悪な雰囲気になってしまった。

(どうしよう〜〜… わたしのせいだ…)

そのとき、落ち込む美苗に老カントクが声をかけた。

「美苗の背番号は何番だ?」
「きゅ、9番です!」

「じゃあ しっかりしなきゃダメじゃないか…
 ナインをしょってんだからのう…」

カントクの笑顔に励まされ、美苗は元気を取り戻す。
活躍する力がほしいと、伝説のバットを抜くべく頑張る美苗。
そんな美苗をケンちゃんは抜けるわけがないと言って馬鹿にする。
しかし試合の中で、美苗がミスした仲間を笑顔で励まし、
体を張って打球を止めるのを見るうち、
ケンも他のチームメイトも、美苗に打たせたいと思うようになっていた。

665 :サンデー '88年8月23日スペシャル増刊号 :2008/04/15(火) 22:44:23 ID:???
えくすかりばあ 3/4

試合は投手戦となって、2点差のまま九回の裏へ進んだ。
あと二人出れば美苗まで回る打順だ。
そのとき、いまだ伝説のバットと格闘している美苗のもとに、
ピッチャーのケンちゃんがやって来て手を貸した。

「手伝ってやるからよ―― 早くこんなもん抜いちまえよ!!」

他のチームメイトたちもそれに続き、美苗たちは、
『大きなカブ』の絵本のように、みんなでバットを引っ張り始めた。
敵チームのアキラはそれを見てあきれるが、不意に空から雷が落ち、
伝説のバットは天の力を得たかのように地面から抜けた。
おりしもアキラは四球と死球でランナーを出し、打順は美苗へと回った。
やっと手に入れた伝説のバットを握り、バッターボックスに入る美苗。
今度は力負けすることもなく、アキラの速球をレフトへと運ぶ。
しかし打球はポール際から逸れ、惜しくもファールとなってしまった。

皆が無念の息をつく中、美苗は呆然として立ち尽くしていた。
原因はファールではない。
今のバッティングで、伝説のバットが根元から折れてしまったのだ。
それでももう一度気力を振りしぼった美苗は、
折れたバットを左手に縛り付け、今度こそと打席へ向かう。

(長島さん!! 王さん、清原さん!!
 誰でもいいから美苗に… 美苗に力を!!)

666 :マロン名無しさん :2008/04/15(火) 22:46:42 ID:???
えくすかりばあ 4/4

「ケッ!! 打てるもんなら……… 打って……みやがれ!!」

大きく振りかぶってアキラが白球を投じる。
美苗が思い切り振り抜くと、レフトへ飛んだ球はポールをへし折り、
今度こそ逆転の大ホームランとなった。
美苗たちが喜びにわく中、アキラは腹立ちまぎれにマウンドを蹴り、
さらにグラブを叩きつけて何度も上から踏みつけた。

「野球なんか! やめてやる! やめてやる! やめてやる!」

―― それから6年後。
アキラはTRYSの若き監督となって、少年たちに野球を教えていた。
まだまだヘタくそなチームの様子を、制服姿の美苗やケンも見にやってきた。
そのとき、チームの少年たちがマウンドで奇妙なものを発見する。
それはなかば土に埋まった古いグラブであった。

アキラはもったいぶった顔で、少年たちにこんなことを語り始める。
このグラブはかつて、伝説の大投手が地面に埋めたもの。
これを身につけると豪速球が投げられるという、伝説のグラブだと――。
こうして少年たちのグラウンドに、新しい伝説が生まれたのだった。

667 :マロン名無しさん :2008/04/16(水) 06:54:24 ID:???
オチがなかなか上手いな
でもグラブなら簡単に取れそうだ

668 :マロン名無しさん :2008/04/16(水) 19:43:56 ID:???
こういうオチは好きだ。
その日のうちにはスコップでほじくりかえされそうだけどな。

669 :マロン名無しさん :2008/04/17(木) 22:29:10 ID:???
以下、楽屋裏

670 :マロン名無しさん :2008/04/17(木) 23:53:17 ID:???
お疲れ様でした。
長い間、お気に入りにいれておいてよかったです。
「えくすかりばあ」のオチは「4番サード」や「YAIBA」と似てるよねw

671 :マロン名無しさん :2008/04/18(金) 14:43:30 ID:???
本当に野球が好きだなGOSHO

672 :マロン名無しさん :2008/04/18(金) 20:36:10 ID:???
刃と剣十郎とムサシを足して三で割ると三十郎なんだな

673 :マロン名無しさん :2008/04/19(土) 19:13:30 ID:???
「プレイ・イット・アゲイン」で、仲代が蝶を切る場面があったけど
YAIBAの終盤には、鬼丸が蝶を切らずに岩だけ切る場面があるよな
偶然かぶったのか、あえて関連づけたのか気になる

674 :マロン名無しさん :2008/04/22(火) 21:40:58 ID:???
メメタァ

675 :マロン名無しさん :2008/04/24(木) 13:17:47 ID:???
ジョージのおもちゃ屋は阿笠博士の源流かな?

676 :マロン名無しさん :2008/04/27(日) 20:47:00 ID:???
50レスしかすすんでねえ

677 :マロン名無しさん :2008/05/02(金) 16:34:11 ID:???
300以上残り

678 :マロン名無しさん :2008/05/02(金) 21:16:39 ID:???
まじっく快斗が完結していれば・・・

679 :マロン名無しさん :2008/05/05(月) 23:33:54 ID:???
アンアン最高としか言いようがない

>>678
単行本一冊に10年以上かかる漫画って凄いよなw

680 :マロン名無しさん :2008/05/09(金) 22:53:49 ID:???
!

681 :マロン名無しさん :2008/05/12(月) 07:04:15 ID:???
おはスタ内でやってるアニメYAIBAいいなぁ

682 :マロン名無しさん :2008/05/16(金) 18:24:04 ID:???
..

683 :マロン名無しさん :2008/05/19(月) 02:40:51 ID:d0P3ywLe
保守


684 :マロン名無しさん :2008/05/21(水) 20:46:44 ID:???
短編のノストラダムスの話は
話の根幹が「公衆電話」ってところに
なんともいえない郷愁を感じる


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